利用実績300社超、リファラル採用を加速する!「MyRefer」の開発背景と今後の展望について

MyRefer

先日HRogでも取り上げた「リファラル採用」。ここ数年で注目されている採用手法のひとつです。「リファラル採用」を運営・活用するためのサービス「MyRefer」を社内ベンチャー制度をきっかけにうみだし、2015年のリリース以降300社以上に活用され結果を出している、株式会社インテリジェンスの鈴木貴史氏に、サービスの実績や今後の展望について、お話を伺ってきました!

MyReferの企画と立ち上げの背景

ーー本日は、よろしくお願いします。まずは、開発の背景などをお伺いさせてください。サービスの企画をはじめられた2014年のタイミングで「リファラル採用」に注目した理由はなんだったのでしょうか?

IT・Web系業界の中途採用コンサルタントとして現場の前線で採用支援をしていくなかで、本当の意味での「最適なマッチング」が生まれていないこと、また、人事の採用戦略も外部のエージェントに依存しており「持続可能性がない」ことに課題認識を持つようになりました。

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従業員数100,000名を超える大手企業から、3名のスタートアップ企業まで幅広くサポートしていましたが、多くの企業で、人材採用における「採用ターゲットの選定」「ターゲットへの訴求ポイント」「どのような条件提示でクロージングすべきか」等の採用戦略の根幹を我々のようなエージェントに依存しており、エージェントや人事担当が変わるごとに、採用ができなくなるような一過性の採用活動を多く見てきました。

そこから、企業が外部環境に左右されずに、本質的なマッチングを生み出す方法はないかと考えたことがきっかけです。

ーーどのように「リファラル採用」に辿りついたのですか?

「本質的なマッチング・出会い」という観点から市場調査を始めました。HRサービスを始め、、出会い系サービス等転職だけではなく世の中のあらゆるマッチングサービスの検証を行いました。

そのような中で浮かんだアイディアが、「人と人の繋がりを活用した転職・採用活動で、持続可能かつ本質的なマッチングを生み出す」と言う事業構想でした。

実は最初に構想していたのはリファラルリクルーティングでは無く、すべての人をエージェント化することで、人と人との繋がりのみで転職・採用を完結させるクラウドリクルーティングサービス型のサービスでした。しかし、個人が自分が働かない企業の人物像を把握することが困難な点などから断念しました。

改めて、「人と人との繋がりを生かして本質的なマッチングを創出できる方法はないか?」と考えるなかで、既存の人材紹介やクラウドリクルーティングの様に、自分と紹介先企業の内情を知らない第三者から転職先を紹介して貰うのでは無く、「信頼する自社社員が、友人に自社をおすすめすることで、自社にマッチする友人を連れてくる」というリファラルリクルーティングに辿りつきました。

市場調査の過程で、アメリカでは既に10年前にこのリファラルリクルーティングが先行しているということもわかり、その結果「自分の会社を最も良く知る社員が、友人を連れてきてくれたら、互いを深く理解し合える本質的なマッチングになる」と考え、MyReferを企画し立ち上げました。

ーー企画や立ち上げタイミングで苦労したことはありますか?

最近では“リファラル採用”という言葉もよく聞くようになってきましたが、サービスをリリースした2015年にはまだほとんど使われていませんでした。そのため、概念や考え方を浸透させるのは大変でした。

とはいえ、採用市場が売り手市場になりつつあり採用の手法が“待ち”から“攻め”に変わろうとしていたときでもあったので、新しい採用手法に対しての追い風を感じる部分もありました。

MyReferの開発思想と5つの強み

ーー日本でもリファラル採用を支援するサービスが増えてきていると思いますが、他サービスと比べたときの特徴はどこにありますか?

リファラル採用は従来の求人系サービスに比べて、転職潜在層にもアプローチしやすい手法であると考えています。そういう側面もあるため、短期的な母集団形成施策としてではなく、中長期的な視点に立った採用活動を行えるよう、サービス設計を行っております。
その思想に基づいて、サービス・機能の特徴としては5点あります。

  • 導入前に、効果的かつ継続的に導入・活用するための制度設計も行う
  • 導入後、PDCAを回しながら活動を改善できるよう、アナリティクス機能の充実
  • リファラル採用で培ったデータベースを長期的に活用できるためのタレントプール機能の搭載。
  • 求人作成の手間を削減し、即時に空きポストを告知できるようdodaとの求人票連携、ATSとの求人連携実施。
  • 一過性ではなく、社員が紹介活動を自分事化できるよう、社員にスマホツールを提供。

機能の提供だけでなく、制度設計などのコンサルティングサービスもご提供することで、より効果的な活用をサポートしています。もちろんコンサルティングサービスも利用料金内でご提供します。

年間30名以上の採用実績も。リファラル採用の効果

ーー実際にどのような効果が出ていますか?

リファラル採用は、母数を集めることには向いていません。応募数の増加ではなく、決定率の向上と離職率の低さといったところに効果があらわれてきます。決定率の高さでいえば、これまでの媒体中心での採用に比べて10倍以上、3ヶ月後の離職率“10%〜30%程度”下がっているというお話を聞くこともあります。
母数は少ないとはいえ決定率が大きくあがるので、年間30名以上の採用に成功している企業もあります。

また、退職者への出戻り採用等、離職した社員へのエンゲージメント強化のためにMyReferを活用し、そこから5名以上の採用を実現しているケースもあります。

ーーリファラル採用で効果の出やすい業界や職種はあるのでしょうか?

業界、職種にかぎらず幅広く利用されている傾向にありますが、現時点の実績ベースでは、業界はIT/医療/コンサル等の、専門スキルが必要でニッチなコミュニティが形成されやすい業界、または飲食業界等、世の中にターゲットとなりうる候補者が多い業界に効果が出やすい傾向が見られます。また、外資系企業は社員がリクルーターとして友人を連れてくるという文化が既に浸透しているので機能しやすい傾向にあります。

職種も同様に、エンジニア職やMR、CRA等の専門職種、またはセールス職や事務職等のターゲットが多い総合職が挙げられます。

ーーすでに多くの決定実績が出ているようですが、導入はスムーズに進むものですか?

初めて取り組む場合には、やはり課題も多く出ます。特に多い課題としては、組織内にスムーズに浸透させるコミュニケーション戦略や紹介を依頼するメンバーに対する「動機づけ」の部分です。この2点については、制度設計やコンサルティングのフェーズからMyReferが入り込んで解決しています。。

リファラル採用を行うことで、ロイヤルティは後からついてくる

ーー導入を悩まれるケースではどのような課題が多いですか?

“社員にロイヤルティがないからうまくいかない”という課題をよく聞きますが、リファラル採用を行うことで、既存社員のロイヤルティがあがることもあります。自社を紹介していくなかで、あらためて会社の理念やビジョンが自分の中でも整理されるので、会社への理解が進みます。また、採用を自分ごととして主体的に行うことで、会社組織に対する想いも強くなります。

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モバイルファーストの機能開発

ーー今後の機能追加の予定はありますか?

サービスの成果を測るKPIとしては、主には紹介活動を実施しているアクティブリクルーターの数に設定して機能改善などを行っています。
リクルーターの利用シーンを分析してみると、50%以上がスマートフォンからによるもので、食事会や飲み会などのプライベートなシーンでもよく利用されていました。そのため、プライベートでの利用を促進できるような機能やモバイルファーストでの機能開発に取り組んでいます。

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この背景の元、2月にはMyReferのIOS/Androidアプリもリリースしております。

MyRefer IOS/Androidアプリ概要

https://blog.i-myrefer.jp/release_app/

また、これまで以上に人事工数をかけず、リファラル採用を仕組化できるよう、国内のATS(採用管理システム)とも積極的に連携をしていく予定です。
直近ではHRソリューションズ株式会社の「リクログ(Reclog)」とも連携しました。

MyRefer 連携概要

http://www.inte.co.jp/news/2016inte/20161012.html

ーーMyReferの今後の展望について教えてください

最近は目にする機会も増えてきたとはいえ、まだまだ「リファラル採用」の認知度は低いため、セミナー開催やオウンドメディアでの事例掲載等の普及活動は引き続き行っていきたいと思っています。一方で、中途採用だけでなく、新卒やアルバイト採用でも活用されることも増えてきました。

すべての雇用形態や働くタイミングで利用されるサービスになるよう、サービスを改善し、実績を重ねていきたいと考えています。

「人と人との繋がりを活かした新たな転職の概念を創造する。」これが我々MyReferのビジョンであり、転職・採用市場に新たな価値を提供したいと考えています。

今、採用や転職するときに第一想起するのは、人材紹介や転職サイトサービス。それを、企業が採用するならまずは自社の社員に声をかける、個人が転職を検討するならまずは自分の周りの知人に声をかける、という世界観を作りたいと思っております。

10年後にはこのような概念が当たり前になるよう、今後もサービス改善を行っていく予定です。

ーーありがとうございました。