イノベーション環境の整備は急務だ

logo

安倍内閣が打ち出した「世界で最もイノベーションに適した国」を目指した科学技術イノベーション戦略。その実現には多くの課題が山積している。とりわけ研究者数の頭打ち、適切な評価システム、国際的研究ネットワーク構築の遅れなど、担い手である人材に関連した問題が深刻化している。課題に的確に対応してイノベーション創出の環境を実現してもらいたい。
 文部科学省が先ごろ公表した2014年版科学技術白書には、科学技術イノベーションを牽引する人材に関して厳しいデータが並んでいる。研究者数は06年に80万人を超えて以来横ばいで推移しており、13年は前年比微減の83・6万人。人口100万人あたりの博士号取得者は、米国や韓国の半数程度、英国やドイツに比べると半数以下で低迷している。
 若手研究者は希望する大学や公的研究機関で研究職を得ることができず、流動化する傾向が強まっている。この背景にシニア研究者の流動化が進まず、現役延長も加