【イベントレポート】自社の採用に変革を起こした企業とは? Japan Referral Recruiting Award 2021

リファラル採用のロールモデルとなる企業・個人を表彰する「Japan Referral Recruiting Award 2021」。リファラル採用のサービスを展開する株式会社MyRefer(マイリファー)は、オンラインとオフラインで初開催しました。本日はその表彰式の様子をお伝えします。

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、従業員のつながりで知人や友人を紹介・推薦してもらう採用手法です。「マッチング率の向上」、「転職潜在層の採用」、「従業員エンゲージメントの向上」、「ブランディング促進」、「自社採用力の向上」の5つの価値があります。
「Japan Referral Recruiting Award2021」では、リファラル採用のロールモデルとなる企業と個人の15組を表彰します。数あるエントリー企業の中からこれら5つの価値を基準に審査し、日本全国でリファラル採用を導入して自社の採用に変革を起こした企業12社、友人と企業の成長に最も寄与したリクルーター3名に各賞を授与しました。

「Japan Referral Recruiting Award2021」受賞企業/リクルーター一覧

企業賞

・大賞:富士通株式会社
・Best Matching賞:Sky株式会社
・Special Talent賞:株式会社NTTデータ
・Engagement賞:株式会社入船
・Branding賞:株式会社日比谷花壇
・Best Performance賞:株式会社ジャパネットホールディングス
・新卒部門賞:大日本住友製薬株式会社
・アルバイト・パート部門賞:株式会社モスストアカンパニー
・ハイレイヤー部門賞:PwCコンサルティング合同会社
・地方賞:名鉄バス株式会社
・ルーキー賞:株式会社四国銀行
・特別賞:LINE株式会社

リクルーター賞

・トップリクルーター賞:ベース株式会社 馬場兄太 様
・ユニークリクルーター賞:GMOペパボ株式会社 坂入隼人 様
・新卒リクルーター賞:USEN-NEXT GROUP 大久保直輝 様

講演:信頼で日本の採用市場に変革を

表彰式のオープニングとして、株式会社MyRefer 代表取締役社長CEO 鈴木氏より、本アワードの趣旨とリファラル採用の価値について講演がありました。

株式会社MyRefer
代表取締役社長CEO
鈴木 貴史氏
すずき・たかふみ/2012年インテリジェンス(現:パーソルキャリア)入社。IT領域の採用コンサルティングに従事の後、2015年、1億円の社内資金調達の元HRTechベンチャーMyReferを創業。グループ歴代最年少にてコーポレートベンチャーCEOに就任。2018年、更なる事業拡大を目指し、U-NEXT宇野氏などの支援を受け総額3.6億円の第三者割当増資を実施しMBOスピンアウト。株式会社MyReferの代表取締役社長 CEOに就任。また、2018年より国会『働き方改革連盟』発起人としても活動。

「つながり」で日本社会が抱えている“はたらく”に関する課題解決を目指す

鈴木:当社は「“つながり”で日本のはたらくをアップデートする」をビジョンに掲げ、2015年に創業しました。以来、リファラル採用SaaS「MyRefer」を提供し、「アイデアとテクノロジーで雇用の『最適配置』と『流動化』を支援し、社会発展に貢献する」ことをミッションとして活動しています。

なぜ当社がリファラル採用のサービスを提供するのか。それは日本社会が「はたらく」ことに対して大きな課題を抱えているとの認識を持っているからです。

日本の置かれた現状に目を向けてみると、労働生産性が先進国で最下位に陥っています。一人当たりの名目GDPは2000年代に入り落ち込み2019年は25位。組織にエンゲージメントしてはたらくを楽しんでいるのはわずか7%で、先進国で最低水準です。

一方、終身雇用・年功序列の慣習が色濃く残り、生涯転職回数は1~2回。つまり、エンゲージメントできない組織に社員ぶら下がり続けいるのです。未来に目を向けると、2065年までに約40%の労働力が失われると予想されています。

現在においても未来においても課題が山積みとなっている中、私たちがリファラル採用に着目するのは、リファラル採用が、人と人との信頼を通じた最適配置を生み出してエンゲージメントを高め、人と人とのつながりによって潜在的な転職の最適配置及び流動化を実現すると捉えているからです。

日本の転職・就職市場に目を転じてみると、本質的なマッチングがなかなか行われていない現状があります。転職・就職のナビサイトや第三者が介在するエージェントからの情報では、企業や仕事の情報の信憑性に疑問が残り、リアルな情報を伝えきれません。

他方、企業側も学歴、職歴、転職回数などハード面ばかりを見がちで、個人のポテンシャルを見抜くのは困難でしょう。私たちはこの状況を「つながり」、つまり信頼によって打破することを目指しています。

つながりが希薄化する今だからこそ、アワード開催に踏み切った

鈴木:今回、私たちが初めてアワードを開催する背景には、“つながり”というキーワードがあります。今コロナ禍で100年に一度の経済危機に見舞われています。雇用の縮小や営業活動の一部停止を余儀なくされた企業もあるでしょう。はたらき方もリモートワークの導入で変化し、日常生活では外出機会が大きく減少しました。

この帰結として、企業と社員、社員同士、企業と社員が紹介した将来的な候補者、社員とその友人や家族など、あらゆるつながりが希薄化していると、サービスの提供を通じて実感しています。

日ごろ事業運営をする上ではともするとなかなか表層化しないかもしれません。しかし、組織と人との関係性の見えない断絶は、リファラル採用で欠かせない信頼を構築するのに大きな影響を及ぼすのではないか。そんな危機感も持っています。なぜなら、企業と個人のベストなマッチングには、必ず双方向の結びつき、すなわち信頼が必要だからです。

私たちが考える理想のリファラル採用は、採用とエンゲージメントを結びつけ、つながりという信頼によって組織と個人の成長に寄与することです。現在、コロナ禍でリファラル採用が大きな成長を見せています。

ここで、私たちは改めて信頼について見つめ直す必要があるのではないかと考え、ロールモデルを示すべく、今回の日本初となるアワードを企画しました。アワードでは革新的な取り組みを進める企業のみならず、リクルーターにもスポットを当て、組織と個人の双方の成長への寄与を重視して選出しています。

最後に、繰り返しになりますが、私たちはつながりで日本のはたらくをアップデートすることを大きな目標として掲げています。リファラル採用のロールモデルを社会に示すことで、硬直化された日本の採用マーケットに対し、本質的な最適配置と流動配置を促進する。このことに少しでも貢献できれば、これに勝る喜びはありません。

富士通株式会社:リファラル採用による採用変革の軌跡

表彰式のあと、見事大賞に輝いた富士通株式会社黒川氏より、同社がリファラル採用によって採用を変革してきた軌跡について講演がありました。

富士通株式会社
人事部 人材開発部 人材採用センター シニアマネージャー
黒川 和真氏
くろかわ・かずま/大阪大学卒業後、1998年に富士通に入社。富士通健康保険組合への出向を経て、2001年に人事勤労部グループ人事部に配属となる。2006年にプロダクト事業推進本部勤労部へ異動し、2011年にはプロダクト事業推進本部人事部担当課長に就任。2014年より人事本部人事労政部マネージャーとして手腕を発揮した後、2017年より現職。

黒川:当社のパーパスは「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」。現在当社はこのパーパス達成を目指し、採用活動含めてすべての事業活動を行っています。

その上で、当社がどのような採用の取り組みを行ってきたかを紹介いたします。当社がキャリア採用に本格的に取り組み始めたのは、2015年です。それまで数十人程度だったキャリア採用を100人規模にまで拡大。社員の出戻りを促すカムバック採用を取り入れるなどしました。

その後、2017年に150人に採用規模を拡大するに当たり、リファラル採用を導入します。それから2019年には倍の300名規模へ。ダイレクトリクルーティング、採用ブランディング、タレントプールなども含めて採用の変革に取り組んできました。今回は特にリファラル採用についてお伝えします。

Best Matching~マッチング率の向上~

黒川:まず、リファラル採用ではベストマッチングを生み出すための施策を積極的に行っています。具体的には、当社ではポスティング制度を導入し、常時200ポジションを社員向けに公開。あわせて、新規ポジションについては、社員3万2000人に対し、メールで案内をしています。

これらに対し、社員は手上げ式で自らがチャレンジできると共に、リファラルで友人を紹介できる仕組みを整えています。

この結果、高いマッチング率を実現し、エージェント経由と比較した場合、書類選考通過率は約2.6倍、決定率に至っては10倍近い数値を弾き出しています。定着率を見てみると、これまでのところ、退職者は0、内定受諾は9割となっています。

Special Talent~転職潜在層の採用~

黒川:また、転職市場になかなか現れないスペシャルタレントの採用にもつながっています。非常に獲得競争の激しいAI、セキュリティ、モビリティ、SAP、デジタルマーケティングなどの先進技術を持つエンジニアを20名以上採用。

このほか、専門領域のICTの研究員、デザイナー、採用チャネルのないインドで現地のコンサルタント、技術交流をしている教授の紹介で特殊スキルを持つ人材の採用などを実現しています。

Engagement~従業員エンゲージメント向上~

黒川:リファラル採用は、単に採用だけにとどまらず、エンゲージメント向上にも大きく寄与しています。実際のエンゲージメントサーベイ数値によると、リクルーター活動に携わる社員のほうが、他の社員と比較し誇りややりがい、成長実感など多様な項目で高い数字を出す結果となっています。

Branding~ブランディング促進~

黒川:社員一人一人が富士通を語ることで採用ブランディングにもつながっています。リファラル採用の認知を社内外で広めるべく、キャンペーン施策やミートアップイベントの実施なども進めています。

Best Performance~自社採用力の向上~

黒川:現在は約5000人の社員がリクルーター活動を行い、採用数は直近で90人を超えています。採用コストは1.2億円の削減。自社採用力が大幅に向上する結果となりました。

黒川:最後になりますが、私たちは、当社で働く魅力を高めながら、社内外の優秀な人材が自然と集まる会社を理想と捉え、そこに至るよう邁進していく考えです。

また、社会に対しても、リファラル採用を拡大することで、多くの人のチャレンジと成長を支援することに貢献したい。そうした社会を目指すべく、社員一同で取り組んでいきます。

講演の後、マイリファー代表の鈴木氏が登壇。「私たちが理想とする信頼をベースとした採用の改革は、当社だけの力では不可能です。今後ともぜひ皆さまのお力添えのほどよろしくお願いいたします」と呼びかけ、会を締めくくりました。