【HR Tech特集】中小企業が自社に合った人材に出会うために超えなければいけない3つの壁。「AI×人」で解決するHR Tech活用術

HR Techの正体にせまる!今話題のHR Techサービス特集

ここ数年ですっかりなじみの言葉となりつつあるHR Tech。「言葉は知っているけれど、その本質は今いち、よく分かっていない…」「日々登場し続けるさまざまなサービスを把握するのは一苦労…」 この記事ではそんな人に向けて、今話題のHR Techサービスを掘り下げてご紹介します!

(左)株式会社リクルートキャリア
エージェント事業本部 事業企画統括部 マネジャー
南雲 亮氏

なぐも・りょう/2008年株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。人材紹介事業(リクルートエージェント)の法人営業、キャリアアドバイザーを経験後、同事業の広告宣伝企画・IT開発を歴任。2017年よりリクナビHRTech事業の事業推進責任者を担当。

(右)株式会社リクルートキャリア
エージェント事業本部 事業企画統括部 マネジャー
藤原 暢夫氏

ふじわら・のぶお/2011年に株式会社リクルートに入社。中途採用メディア(リクナビNEXT)のメディア営業を経験後、商品企画、グローバル領域の事業企画等を経て、人材紹介事業(リクルートエージェント)のIT開発企画を歴任。リクナビHRTechの前身であるRECRUIT AGENT CAST開発をプロジェクトリーダーとして推進し、現在、リクルートエージェントおよびリクナビHRTechのIT開発企画全般を担当。

「採用できなければ、事業の成長は止まってしまう。しかし、うまくいかない」。そんな悩みを抱えている中小企業の人事担当者は多いのではないだろうか。

事業は伸びているのに、応募が集まらない。では、中小企業はどのようにすれば採用できるのだろうか。中小企業が抱える3つの課題について、「会いたい」人材にアプローチできる『リクナビHRTech転職スカウト』を運営するリクルートキャリア・エージェント事業本部の南雲氏と藤原氏に話を聞いた。

人材獲得競争が過熱

中小企業が採用しようと考えた際に、まず利用しやすいのは「求人媒体」だ。

「現在、転職市場は売り手市場。求職者にとっては選択肢が豊富な環境のため、知名度が低い中小企業は不利といえます。求人媒体に出稿したとしても、必要な人材のターゲティングや職場、仕事の魅力の抽出、そしてそれを伝える表現力無しでは、大手企業と比べてなかなか注目してもらえないことがあります。加えて、継続的に広告を出す体力もない。結果、「応募は少数だった」ということもあるでしょう。「会いたい人に出会うことすらできない」という声も少なくありません」と藤原氏。

では、中小企業では媒体を使った採用は有効ではないのだろうか。

「大手企業に注目する求職者が多いのは事実ですが、求職者の中には、自社に魅力を感じてくれる人、自社のビジョンやカルチャーにフィットする人が必ず存在します。そうした『潜在的』なターゲットにアプローチすることで、求める人材に出会う確率を高めることが重要です」

人事担当者が多忙すぎる

続いて、中小企業が抱える課題として「人事担当者の多忙さ」が挙げられると藤原氏は言う。

「中小企業の人事担当者といえば、総務など管理部門業務を複数担っていることが多いもの。そもそも採用業務だけに時間を割くことが難しい状況です。候補者を探す、会って話す、関係を築く、内定後にフォローする…といった活動に時間をかけられないことにより、チャンスを逃してしまっていることも多いようです」

確かに、採用したいと思う候補者と出会ったとしてもスピーディに対応できなければ、候補者の熱は冷め、そのチャンスを逃してしまう。

「社内リソースが限られていたとしても、自社に合った候補者に対して効率的なアプローチをして、応募につなげ、出会いの機会を増やすことが求められます」

求人ポストの専門化・高度化

中小企業が抱える3つ目の課題として、「求人ポストの専門化・高度化」なのだという。

「ビジネスの変革期にあたる現在、職場で求める人材要件は、より専門化・高度化しています。人材サービス会社に求人依頼を出したり、求人広告を出稿したりする際に、自社が求める人材要件を明確に言語化することの難易度が高まっています」

加えて、現場も忙しいため、人事と現場の間に距離ができ、人事担当者が孤立してしまった経験がある方も少なくはないのだろうか。

「応募を待つのではなく、求職者情報から、直感的に「ぜひ欲しい人材」「話をしてみたい人材」「うちには合わない人材」と判断ができ、企業からのアプローチが可能になれば、より自社に合った人材に出会える可能性が高くなります」

「AI」×「人によるサポート」で課題を解決

これら3つの課題は「AI」×「人によるサポート」で解消できると南雲氏は熱く語ってくれた。では「AI」×「人によるサポート」とは具体的にどういうことなのか。

「リクルートキャリアでは『リクナビHRTech』をリリースしました。その特徴を一言で言うなら「ダイレクトリクルーティングと人材紹介サービスの合わせ技」です。「HR Tech」や「AI」というと、大企業やITに強い先進企業だけが扱えるもの、と思われるかもしれません。しかし『リクナビHRTech』は、ITリテラシーが高くない人でも簡単に活用できる設計となっています」

リクナビHRTechの仕組み
  1. リクルートキャリアに登録している約14万人の求職者のデータから、AIが毎日A社に合う候補者をレコメンド(推薦)
  2. A社は、専用画面で推薦された人物のキャリア情報を見て「○=面接に来てほしい」「△=興味がある」「×=興味なし」を判定
  3. スカウトメールを自動で送信。※スカウトメール文面の作成は不要
  4. 候補者が応募意思を表示したら、面接の日程調整、選考の進捗管理、間に立っての条件交渉、入社までのフォローをエージェントがサポート

つまり「会うべき人に会える」仕組みである。ムダ・ムラ・ムリを生じさせることなく、求める人材に出会うことができるのが特徴だ。そして、AIだけでなく、「人(エージェント)」がサポートすることで、面接~入社までをスムーズにナビゲートしてくれるのだ。

「求人企業が判定した○×△の履歴をAIが学習するため、使えば使うほどリコメンド精度が向上。それにより、求める人材に出会えるまでの期間がさらに短縮され、採用活動の効率化が図れるのが大きなメリットといえます」

なお、コスト面はスカウトまでは利用料無料で、入社して初めて費用が発生する完全成功報酬型。初期費用を抑えての採用活動が可能が可能なのは中小企業にとって嬉しいポイントだ。

「このサービスは、前身である『RECRUIT AGENT CAST』を2016年にリリースしており、すでに20000社に導入されています。利用企業の採用担当者の方からは、「毎朝、出社後すぐに候補者情報をチェックし、PCで判定を入力するのがルーティンになっている」という声もいただいています」

リクナビNEXTデータベースとの連携で求職者データベースを約5倍に増やしたことに始まり、今後は採用支援機能を充実させるとともに、2018年夏には採用管理機能までサービスを広げていく予定だという。

「知名度が低い中小企業も優秀な人材に出会えるチャンスを増やすと同時に、複数業務を兼務して忙しい人事担当者の皆さんの実務負担の軽減を実現していきます。そうすることで、経営戦略と人事を結節させた戦略立案に特化できるような環境を実現していきます」

◆リクルートの中途人材スカウトサービス【利用無料】『リクナビ HR Tech転職スカウト』概要はコチラ

(HRog編集部)