伸び続けるエン転職!エン・ジャパン株式会社の決算分析(2016年3月期・第2四半期)

エン・ジャパン株式会社(以下、エン・ジャパン)の2016年3月期(第2四半期)の決算説明資料が、2016年11月11日に発表されました。
エン・ジャパンは、第1四半期に続き、売上高・営業利益ともに大幅な増収増益となり、好調な結果となりました。
エン・ジャパンの経営戦略とはどのようなものでしょうか?決算情報から分析してみました。

売上高は前年同期比32%増の121億円

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2016年3月期第二四半期累計の売上高は121億円と、前年同期比32%と大幅な増益ともに、
営業利益も28億円で前年同期比65%という大幅な増収増益となりました。
主に、業績上昇の理由としては3点あります。

・テレビCMによる認知度の向上
・求人サイトのリニューアルによる、ユーザー流入数や応募数の拡大
・有効求人倍率の高まりによる企業の採用ニーズ増加

なかでもとりわけ、主力の求人情報サイト「エン転職」はこれまでにない成長を遂げており、採用事業の業績は計画を上回る伸びになりました。

エン転職の大幅な増収

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エン転職は2016年3月期累計売上高は42億円で、グラフにもある通り継続的に売上を伸ばし、その存在感を高めています。
前年同期比は51%増と、大幅な増収により、好調な業績となっています。

一因としては、2014年8月の全面リニューアルにより、その徹底したユーザー視点のサイト構成が、
多くの人々に受け入れられ、求人掲載件数や応募数が増えていることが考えられます。

さらには、
6月〜7月に大規模なプロモーション(TVCM)を実施したことが、認知度の向上・応募数のアップ、営業の強化につながりました。
濱田岳さんと「Mr.エン」を演じるバカリズムさんのTVCMは放映されるなり、そのキャラクター性が大人気となり、
TVだけでなく、スマホのオンライン広告、電車内・駅構内の交通広告や、LINEスタンプの提供なども開始しました。
プロモーション実施後は、検索キーワードからのサイト訪問数が、実施前に比べ1.4倍となりました。

また、広告宣伝費・販売促進費は今期、116億円と前年同期比から21.2%の増加となり、
エン・ジャパンのプロモーションを主軸とした戦略投資の様子が伺えます。

これらの施策が順調に進み、エン転職の求人掲載件数は、昨年と比較すると1.8倍となり、ますます増加傾向になっています。20151117_matome6

(上記のデータは、約100の求人媒体を瞬時に集計・分析できるクラウドサービス、3Chartにより作成)

人材紹介業の強化

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エン・ジャパンの人材紹介業を担うのは主に、「エンエージェント」と、2010年から子会社化された「エンワールド・ジャパン」です。

エン・ジャパンは人材紹介マーケットの成長も見込んでおり、
その市場規模が求人サイトより大きいことや、マーケットの回復スピードが早いなどの理由から、
エンエージェントやエンワールドジャパン等の紹介事業を強化し、2018年までに100億円の売上高を目指しています。

今期の報告としては、
エンワールドジャパンが大きく伸び、売上高14億と、前年同期比20%増と記載されています。
エンワールドジャパンは外資系・グローバル人材領域の人材紹介事業ですが、
ここ最近の好調なマーケット環境に加え、コンサルタント増による事業体制の強化が起因して、増収増益となっています。
結果として、外資系・グローバル人材領域でトップクラスの規模となり、高いブランド力を確立しています。

引き続きの事業の拡大を目指すためにはコンサルタントを増やすことが最重要となってきます。
エン・ジャパン独自の教育体制で、業界未経験者にも成果を出せる仕組みづくりなどがうまく活かされてきそうです。

2018年までに360億円を目指す

今後のエン・ジャパンの事業戦略はどうなっていくのでしょうか。

決算資料からは引き続き、主力の求人情報サイト「エン転職」の高い成長を目指していく様子が描かれています。
さらなる認知度拡大のため、全国で大規模なプロモーションを引き続き行い、
ブランディングの強化を図っていく方針となります。

これらのことから、ユーザー視点にたったサイト作りを維持し、
プロモーションとあわせて強固なポジションを確立していくことが今後の課題となってくると考えられます。

しかし、採用マーケットは景気や、雇用環境に左右されることが多く、採用事業のみでは安定的に成長していくことが難しいため、別事業も成長させながら、事業全体の安定と拡大化を狙っていくことが求められます。

中期的には、2018年までに売上高360億円、営業利益76億円という過去最高益の更新を目指す経営計画がたてられており、
採用事業・新規事業ともに、海外の展開にも注目です。