
株式会社パソナグループの2025年5月期第2四半期決算が発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて解説し、業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!
2025年5月期第2四半期(当記事)
2025年5月期第3四半期(2025年4月頃発表予定)
2025年5月期第4四半期(2025年7月頃発表予定)


HRソリューション事業
パソナグループの主要事業であるHRソリューション事業は、以下のサービスを展開しています。
・BPOソリューション(委託・請負)
・エキスパートソリューション(人材派遣)
・キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援)
キャリアソリューションセグメントは再就職支援事業が堅調に推移し増益となりましたが、BPOソリューションは大型案件の終了、エキスパートソリューションはコロナ特需の終了が影響して減益。
HRソリューション事業全体では売上高は1429億円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益は78億円(前年同期比2.9%減)での着地となりました。
その他事業
パソナグループでは他にもこれらのソリューションを提供しています。
・グローバルソリューション(海外人材サービス)
・ライフソリューション(子育て支援、介護等)
・地方創生・観光ソリューション
グローバルソリューション事業は、海外での人材紹介や派遣、BPOサービスが好調で売上が増加した一方、米国や台湾での採用強化や待遇改善により販管費が増加し、営業利益は減少しました。
ライフソリューション事業は、子育て支援やライフサポート事業の拡大により売上が増え、学童クラブや介護事業の自治体受託が順調に進み、営業利益が大幅に改善しました。
地方創生・観光ソリューション事業は、台風など天候不良の影響を受けたものの、観光施設などでの来客増加で営業利益の赤字幅が縮小しました。
同社は万博関連費用の影響などから、2025年5月期の業績予想を下方修正しました。
売上高は前回の予想から100億円減少し、3200億円(前年同期比10.3%減)を見込んでいます。また、純利益は当初13億円を予想していましたが、修正後は43億円の赤字を想定しています。

パソナグループは「アウトソーシングセグメント」を担っていたベネフィット・ワンを売却したことにより、2025年5月期からセグメントを一部変更しています。

今期の注目トピックとしては、大阪・関西万博を活用し、関西エリアでの需要拡大を狙った体制強化とブランディング強化に取り組んでいることが挙げられます。万博での人材需要獲得を通じて、関西エリアでの受注増加を目指すとのことです(説明会文字起こし資料,p.19)。

2024年10月よりパソナグループに加わったパソナセーフティネットは、同グループの健康経営支援サービスとのシナジーを活かし、メンタルヘルスやハラスメント対策の需要獲得を目指します。
また、2月に設立されるパソナサステナビリティでは、GX(グリーントランスフォーメーション)・SX(サステナビリティトランスフォーメーション)領域でのBPO拡大を目指し、サステナビリティ人材の育成や企業の情報開示支援を行っていくとしています。

また基幹システムの刷新に100億円を投資し、業務効率化とプロセスの最適化を進めることで、事業拡大と利益率向上を目指します。
パソナグループは、ベネフィット・ワンの売却によるセグメント構造の変化や、大型BPO案件終了などの影響を受け、2025年5月期は売上減少と赤字決算を見込んでいます。一方で、大阪・関西万博をきっかけとした関西エリアでの需要拡大や、サステナビリティ領域でのBPO拡大を進めるなど、新たな成長戦略を打ち出しています。
また、基幹システムの刷新に100億円を投資し、業務効率化と利益率向上を目指す動きも注目ポイントですね。AIを活用した業務効率化は、人材業界においても最新トレンドだと言えそうです。
HRog編集部では、引き続きパソナグループの決算情報を四半期ごとに追っていきます!
2025年5月期第2四半期(当記事)
2025年5月期第3四半期(2025年4月頃発表予定)
2025年5月期第4四半期(2025年7月頃発表予定)
【参考URL】
パソナ25年5月期第2四半期 決算短信
パソナ25年5月期第2四半期 決算説明資料
パソナ25年5月期第2四半期 説明会文字起こし資料