
日本では介護と仕事の両立が困難な「ビジネスケアラー」や「ヤングケアラー」の存在が社会課題として深刻化している。世田谷区においても、ビジネスケアラーの推計人数は6,780人に上り、多くの方が就労機会を得にくく、生活困窮のリスクを抱えている状況だ。
一方で、区内の介護事業所では約700事業所において人材不足が見込まれており、介護人材の不足も解決すべき課題となっている。
このような背景から、世田谷区社会福祉事業団、シムウェルマン、パーソルテンプスタッフ、シェアフルの4社が連携し、要介護者を抱える方々を支援する新プロジェクト「バンドワークス」を開始した。「バンドワークス」とは、介護者がスキマ時間を活用して短時間就業(バンドワーク)を行う間に介護保険制度につながっていない要介護者を預かる仕組みである。
同プロジェクトでは、シムウェルマンが制作した研修動画で未経験・無資格でも介護現場に入れる研修、シェアフルによる短時間ではたらける就業機会の提供、介護者が就労中に安心して要介護者を預けられるレスパイトケアの提供、今後の介護方針についての公的機関等への相談体制という四つの仕組みで介護者の就労を後押しする。
在宅で介護をしている家族が、一時的に介護から離れて休息をとれるように、専門的なサービスが代わりにケアを提供する支援
この取り組みにより、介護事業所は人材不足の解消と業務負担の軽減を実現し、介護者はスキマ時間での収入確保と介護負担の軽減を図ることができる。また、要介護者にとっても安心できる見守り環境と外出・交流の機会増加というメリットがある。

介護人材不足と介護者支援を同時に解決する今回の取り組みは、労働参加が難しかった層の活用という新たな市場拡大のヒントになりそうです。柔軟就業モデルや地域連携を取り入れた“社会課題解決型のマッチング”が今後ますます重要になっていきそうですね!
