【HRog求人レポート】石川県輪島市の求人市場を分析！

能登半島地震の発生から約半年が経過しました。日本経済新聞「輪島など奥能登、求人0.62倍・事業再開77%　雇用課題」において、「奥能登と呼ばれる石川県輪島市など2市2町の4月の有効求人倍率（原数値）は0.62倍と、求職者数が求人数を大幅に上回る状況が続く」とあるように、依然求人件数は回復していない様子が伺えます。

今回は、株式会社フロッグが収集している求人媒体の掲載情報を活用し、石川県輪島市の求人市場分析レポートをお届けします。最新の傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください！

求人件数動向

2023年1月から2024年6月にかけて、石川県輪島市の求人件数を見てみます。2023年1月2日時点では703件ありましたが、震災が起こった2024年1月1日には503件となっていました。その後、2024年2月5日に401件まで減少したのをピークに、2024年4月29日には549件まで回復しています。

続いて、石川県輪島市と全国の求人件数を、それぞれ2023年1月の値を100とした場合の指数で比較してみます。

全国では、おおよそ横ばいで推移しており、2024年2月～3月にかけては2023年1月の件数を上回っています。一方で石川県輪島市では、2024年1月以降は2023年1月と比較して5～8割程度の件数となっています。全国の水準と比べても、石川県輪島市では震災を境に求人件数が減っている様子が伺えました。

雇用形態別求人件数

続いて、石川県輪島市の求人件数を正社員と非正規雇用に分類し、雇用形態別に比較してみます。2024年1月にはどちらも同じく減少していますが、2024年4月以降の件数を見てみると非正規雇用の件数のみ一時的に回復していました。

職種別求人件数

さらに、石川県輪島市の求人件数を職種別に調査してみます。

2023年1月第2週から2024年1月第2週にかけての減少率を分析してみると、「ホテル/旅館/ブライダル」が-78.9%で最大となりました。続いて「教育/語学/スポーツ」が-77.3%、「建設/土木/エネルギー」が-56.3%となっています。

観光業において営業が難しくなったことから、関連した宿泊施設系の職種が特に影響を受けていました。

続いて、2024年1月第2週から2024年6月第4週にかけての増加率で比較すると、「建設/土木/エネルギー」が+92.9%で最大となっています。次いで「運輸/物流/配送/警備/作業/調査」が+86.0%、「営業/事務/企画/管理」が+21.6%と続きました。

仮設住宅の建設等が行われることから、建設系の職種において求人件数が回復しているのではないでしょうか。

「ホテル/旅館/宿泊施設」の求人動向

ここでは、震災による求人件数への影響が大きかった観光業において、「ホテル/旅館/宿泊施設」職種に絞って分析します。

求人件数を見てみると、2023年はおおよそ10～20件で推移していましたが、2024年に入ってからは1、2件のみの出稿となっていました。現在もその傾向は変わらず、2024年6月最終週の求人件数は、2023年6月同週と比較して-92.31%となっています。未だ求人件数が回復していない様子が伺えました。

続いて、アルバイト・パートの出稿が多かったことから、時給の推移を見てみます。2023年は1,000円前後で推移しており、最低賃金より高い水準で出稿する企業も見受けられました。一方で2024年以降は、「ホテルルートイン輪島」がハローワークに933円で出稿しているのみで、最低賃金と同水準となっています。

まとめ

今回はフロッグが保有する求人データを活用し、石川県輪島市の求人市場動向を調査しました。特にホテルや旅館などの宿泊施設では、求人件数が大きく減少し現在も回復していないことから、未だに営業できない状況が続いている様子が伺えました。一日も早いご復興をお祈り致します。

求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。

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