2024年は、Indeed PLUSの登場や過去最大の最低賃金引き上げなど、求人に関する様々な動きがありました。実際の求人件数や賃金は、1年間でどう変動したのでしょうか。
今回は、フロッグが収集している求人媒体の掲載情報を活用し、2024年の求人動向を分析したレポートをお届けします。最新の傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください!
※「リクナビNEXT」「タウンワーク」「フロムエー」「リクナビ派遣」については、Indeed PLUSを経由して出稿された求人を除外しています
目次
正社員
まずは、正社員系で主要な5媒体の求人数について媒体別に見ていきます。dodaとマイナビ転職が右肩上がりで増加し、リクナビNEXTに直接掲載された求人件数は大幅に減少しました。
以下については、全てリクナビNEXTを除外した4媒体で分析していきます。
リクナビNEXTを除いた主要4媒体で求人件数を見てみると、1月から12月にかけて5,958件増加しました。月別では、特に9月から11月にかけて増加しています。
平均月給の推移は右肩上がりで上昇しており、1月から12月にかけて5,809円増加し、最新のデータでは285,180円となりました。
職種別に求人件数の増加数を見てみると、「営業/事務/企画/管理」が+12,168件で最多となりました。次いで「電気/電子/機械/自動車」が+7,989件、「ITエンジニア/IT系専門職」が+2,826件、「販売/接客/サービス」が+2,572件、「製造/工場/化学/食品」が+2,459件と続いています。
続いて職種別の月給を見てみると、「ホテル/旅館/ブライダル」が+14,329円で1位にランクイン。次に「専門職」が+9,754円、「販売/接客/サービス」が+8,923円、「建設/土木/エネルギー」が+8,376円、「営業/事務/企画/管理」が+7,481円と続きました。
都道府県別に求人件数を見てみると、「東京都」が+6,184件で最多となっています。続いて「愛知県」が+4,796件、「大阪府」が+3,220件、「兵庫県」が+1,657件、「神奈川県」が+1,512件となりました。
さらに都道府県別の月給を見てみると、「岩手県」が+10,780円で1位となっています。次いで「大分県」が+10,671円、「熊本県」が+10,491円、「愛知県」が+10,149円、「奈良県」が+9,589円と続きました。
アルバイト・パート
続いて、アルバイト・パート系で主要な5媒体の求人数を媒体別に見ていきます。正社員同様に、Indeed PLUSの始まったタウンワークとフロムエーに直接掲載された求人が減少しました。
以下については、全てタウンワークとフロムエーを除外した3媒体で分析していきます。
タウンワークとフロムエーを除いた主要3媒体で求人件数を見てみると、1月から12月にかけて90,266件増加しました。月別では、特に卒業シーズンとなる3月と4月、年末に向けた11月で増加しています。
平均時給は、4月から7月にかけて下がる傾向がうかがえました。また、1月から12月にかけては5円増加し、最新のデータでは1,285円となっています。
また、平均時給を金額帯ごとの求人件数で1月と12月を比較してみると、900~1,049円の時給帯が特に減少し、1,150~1,249円の時給帯が大幅に増加しました。
職種別に求人件数の増加数を見てみると、「運輸/物流/配送/警備/作業/調査」が+26,892件で最多となりました。次いで「飲食/フード」が+22,351件、「販売/接客/サービス」が+11,308件、「教育/語学/スポーツ」が+8,686件、「映像/イベント/芸能/キャンペーン」が+4,927件と続いています。
続いて職種別の時給を見てみると、「建設/土木/エネルギー」が+396円で1位にランクイン。次に「運輸/物流/配送/警備/作業/調査」が+89円、「美容/エステ/ネイル」が+79円、「販売/接客/サービス」が+69円、「ホテル/旅館/ブライダル」が+55円と続きました。
都道府県別に求人件数を見てみると、「東京都」が+26,771件で最多となっています。続いて「神奈川県」が+10,949件、「大阪府」が+8,911件、「千葉県」が+5,647件、「埼玉県」が+5,449件となりました。
さらに都道府県別の時給を見てみると、「埼玉県」と「東京都」が+48円で1位となっています。次いで「山梨県」が+41円、「静岡県」が+35円、「沖縄県」が+33円と続きました。
派遣
最後に、派遣系で主要な3媒体の求人数を媒体別に見ていきます。正社員やアルバイト・パートと同様に、Indeed PLUSの始まったリクナビ派遣に直接掲載された求人が減少しました。
以下については、全てリクナビ派遣を除外した2媒体で分析していきます。
リクナビ派遣を除いた主要2媒体で求人件数を見てみると、1月から12月にかけて26,025件増加しました。月別では、アルバイト・パートと同様に卒業シーズンとなる3月と4月に増加しています。
平均時給は4月において大幅に上昇しました。また、1月から12月にかけては8円増加し、最新のデータでは1,551円となりました。
職種別に求人件数の増加数を見てみると、「営業/事務/企画/管理」が+16,207件で最多となりました。次いで「医療/医薬/福祉」が+3,867件、「製造/工場/化学/食品」が+3,698件、「教育/語学/スポーツ」が+2,895件、「運輸/物流/配送/警備/作業/調査」が+1,407件と続いています。
続いて職種別の時給を見てみると、「ITエンジニア/IT系専門職」が+61円で1位にランクイン。次に「教育/語学/スポーツ」が+29円、「運輸/物流/配送/警備/作業/調査」が+26円、「クリエイティブ(Web以外)」が+19円、「営業/事務/企画/管理」が+17円と続きました。
都道府県別に求人件数を見てみると、「東京都」が+4,384件で最多となっています。続いて「愛知県」が+2,659件、「大阪府」が+2,571件、「神奈川県」が+1,710件、「埼玉県」が+1,664件となりました。
さらに都道府県別の時給を見てみると、「山形県」が+67円で1位となっています。次いで「長崎県」が+57円、「大分県」が+48円、「佐賀県」が+46円、「沖縄県」が+43円と続きました。
まとめ
今回はフロッグが保有する求人データを活用し、2024年の求人動向を調査しました。
求人件数の動向では、Indeed PLUSが開始されたことにより、転載先の求人媒体に直接掲載された求人が大幅に減少しました。賃金については、最低賃金の改定を受けて特にアルバイト・パートで時給帯のボリュームゾーンが変動していました。
求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。
対象期間:2024年1月1日~2024年12月2日
対象媒体(正社員):doda、type、エン転職、マイナビ転職、リクナビNEXT
対象媒体(アルバイト・パート):イーアイデム、タウンワーク、バイトル、フロムエー、マイナビバイト
対象媒体(派遣):はたらこねっと、エン派遣、リクナビ派遣
※「リクナビNEXT」「タウンワーク」「フロムエー」「リクナビ派遣」はIndeed PLUS経由での掲載を除いています。
対象雇用形態:正社員、アルバイト、パート、派遣
平均月給・時給:求人情報の給与項目内にある給与情報を数値に変換し、下限の金額を合算して平均値を算出した。
職種:複数の求人媒体の情報をまたいで集計するため、媒体記載の職種カテゴリーを使用せず、独自のキーワードマッピング処理に基づいた職種カテゴリーを使用して求人情報を分類・集計した。また、2024年1月1日の求人件数が1,000件以上の職種のみを抽出した。
勤務地情報:求人情報の勤務地情報を取得し集計をおこなった。1求人に対して2つ以上の勤務地都道府県が紐づいている場合、最初に記載されている都道府県を採用した。
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