【2024年10月度】過去最大となる50円以上の最低賃金アップ。その影響を募集時給から徹底分析!

2024年10月1日より順次、各都道府県で最低賃金が改定され、最低賃金の全国加重平均額は1,055円となりました。今回の最低賃金の引き上げは、実際の求人にどう影響したのでしょうか?

今回は、株式会社フロッグが収集している求人媒体の掲載情報を活用し、最低賃金改定による募集時給への影響を分析したレポートをお届けします。最新の傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください!

また、記事を最後までお読みいただいた方には、都道府県/職種別の時給分布データをプレゼントしております!

※2024年10月7日時点の情報であり、一部地域では最低賃金改定前となっています

全国の最低賃金改定額

まずは最低賃金の全国加重平均額を推移で見てみます。年々引き上げ率は高まっており、2024年は前年と比較して+5.08%(+51円)の上昇となりました。昨今の物価高などが反映されている様子がうかがえます。

※最低賃金の改定については厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を参照

続いて、都道府県別に最低賃金の改定額を見ていきます。引き上げ額の幅は50円から84円までとなり、15県で55円以上の引き上げを実施または予定しています。特に徳島県では2024年11月1日より84円の引き上げを予定しており、その後の影響に注目です。

※最低賃金の改定については厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を参照

都道府県別の募集時給

まずは、最低賃金の改定前後における募集時給の増加額を分析しました。全国平均で募集時給を見てみると、2024年9月の1,213円から24円増加し、2024年10月は1,237円となっています。

都道府県別に見てみると、「鳥取県」が+58円で増加額が最高となりました。続いて「島根県」が+55円、「和歌山県」が+44円と続いています。鳥取県では最低賃金の引き上げ額が57円、島根県では58円となっており、募集時給も同等の上昇をしています。募集時給の相場が低い地域ほど、最低賃金改定の影響を受けるのではないでしょうか。

続いて、各都道府県の最低賃金と募集時給の差額を調査します。

最低賃金と募集時給の差額が最も大きかった都道府県は「東京都」の210円で、募集時給が最低賃金を唯一200円以上上回りました。次いで「奈良県(+189円)」、「千葉県(+186円)」と続いています。首都圏以外でも、最低賃金ラインの募集では平均額を大幅に下回ってしまうことが分かりました。

職種別の募集時給

ここでは、最低賃金の改定前後における募集時給の増加額を職種別に見てみます。

2024年9月と同年10月の募集時給を比較してみると、「教育/語学/スポーツ」系職種が+90円で最高となりました。次に「クリエイティブ(Web以外)」系職種が+73円、「美容/エステ」が+37円と続いています。

続いて、最低賃金改定前後での募集時給の増加額が高かった「教育系」「クリエイティブ(Web以外)」「美容系」の3職種において、都道府県別に最低賃金と募集時給の差額を分析しました。

教育系では、「鳥取県」が+951円で1位にランクイン。次に「島根県」が+894円、「和歌山県」が+868円となりました。その他の職種と比較しても最低賃金との差額が圧倒的に多く、家庭教師や塾講師などの賃金水準の高さがうかがえます。

次にクリエイティブ(Web以外)では、「京都府」が+385円で1位となりました。続いて「福井県」が+236円、「大阪府」が+233円となっています。

最後に美容系では、「愛媛県」が+190円で最大となっています。次いで「和歌山県」が+158円、「京都府」が+155円と続きました。

都道府県×職種でさらに細かく分析することで、それぞれでの傾向が違うことが読み取れます。

まとめ

今回はフロッグが保有する求人データを活用し、最低賃金改定に伴う募集時給への影響を調査しました。

最低賃金の引き上げがどのくらい募集時給に影響を与えるかどうかは、それぞれの都道府県における元々の給与水準によっても異なります。また、募集時給が最低賃金を大幅に上回る都道府県や職種も多くありました。常に周辺や競合職種の時給相場を把握することで、適切な募集時給を設定できるのではないでしょうか。

求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。

調査概要

対象期間   :2024年9月2日~2024年10月7日
対象媒体   :イーアイデム、タウンワーク、バイトル、フロムエー、マイナビバイト ※『タウンワーク』はIndeed PLUS経由での掲載を除いています。
対象雇用形態 :アルバイト、パート
時給下限平均額:求人情報の給与項目内にある給与情報を数値に変換し、下限の金額を合算して平均値を算出した
職種     :複数の求人媒体の情報をまたいで集計するため、媒体記載の職種カテゴリーを使用せず、独自のキーワードマッピング処理に基づいた職種カテゴリーを使用して求人情報を分類・集計した。また、2024年9月2日の求人件数が1,000件以上の職種のみを抽出した。

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調査対象媒体:「タウンワーク」「バイトル」「マイナビバイト」「フロムエー」「イーアイデム」
調査対象期間:2024年10月7日

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