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【「106万円の壁」撤廃に関する経営者・役員の意識・実態調査】経営者・役員の約半数が制度改正を「知らなかった」と回答。一方で、4社に1社が就業調整による影響に直面

「福祉はぐくみ企業年金基金」(以下、「はぐくみ企業年金」)を中心に、企業年金・退職金制度の導入・設計をサポートする株式会社ベター・プレイス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長CEO:森本 新士、https://bpcom.jp/ 、以下、ベター・プレイス)は、2026年10月に予定されている社会保険の加入要件一部撤廃(いわゆる「106万円の壁」撤廃)に向け、全国の経営者・役員483名を対象とした意識・実態調査を実施いたしました。

調査の狙い・背景

「年収の壁」とは、アルバイトやパートなどの短時間労働者が一定の年収を超えると、税金や社会保険料の負担が発生するボーダーラインです。2026年10月には、社会保険の加入要件である賃金要件、いわゆる「106万円の壁」が撤廃される見通しです。

2026年3月末時点で、全都道府県の最低賃金が1,000円を超えたことで、実態として「106万円の壁」は既に撤廃状態にあります。しかし10月の正式な法改正を控える中で、特に中小企業においては「従業員の働き控えによる人手不足」や「社会保険料負担の増大」が改めて重要な経営課題となることが予想されます。従業員にとっては、社会保険加入に伴う将来の年金増額や、各種給付金の受け取りは大きな利点となる半面、手取り額の減少が課題となっている実態があります。

こうした中、今回の法改正は、企業・従業員双方の保険料負担だけでなく、退職金や企業年金など、非正規社員を含めた福利厚生のあり方を見直す契機になると考えられます。

本調査では、「106万円の壁」の正式撤廃を見据え、全国の経営者・役員が現状をどのように捉え、どのような対策を講じようとしているのかを調査しました。

調査結果サマリー

● 46.4% 「106万円の壁」撤廃を「知らなかった」 (詳細まで把握は17.4%のみ)
● 71.4% 「週20時間」要件の存続を「知らなかった」
● 25.5% 就業調整による業務影響をすでに実感 (中堅企業(100〜299人)では37.0%)
● 50.3% 制度変更への対応が「まだできていない」
● 44.5% 経営上の懸念について「特に懸念していない」 

調査結果詳細

【制度変更の認知と理解度】
Q1. 2026年10月の賃金要件撤廃の認知
● 内容まで知っていた:17.4%
● 聞いたことはあるが詳しくは知らない:36.2%
● 知らなかった:46.4%

8割以上が制度の詳細まで把握しておらず、施行2か月前(アンケート実施)の時点で認知が大幅に遅れている。

Q2. 「週20時間以上」要件が撤廃後も残ることの認知
● 知っていた:28.6%
● 知らなかった:71.4%

賃金要件の撤廃を知っている経営者でも、労働時間要件の存続まで把握している割合は低い。制度理解に二重のギャップが存在する。

Q3. 従業員規模要件の段階的撤廃スケジュールの認知
● スケジュールまで把握している:10.4%
● 撤廃される方向性は知っていた:35.4%
● 知らなかった:54.2%

Q4. 経営上の懸念(複数回答・上位)
● 特に懸念していない:44.5%(最多回答)
● 企業負担の社会保険料が増加:30.2%
● 社会保険の事務負担が増える:21.3%
● 給与・雇用契約の見直しが必要:21.1%

「特に懸念していない」が最多であることは注目に値する。Q1・Q2の認知ギャップを踏まえると、制度の実態を把握した上での「懸念不要」ではなく、「知らないから懸念していない」層が含まれている可能性が考えられる。

【就業調整の実態】
Q5. 就業調整(週20時間未満への働き控え)による業務影響
● 深刻な影響が出ている:6.0%
● ある程度影響している:19.5%
● 合計(影響あり):25.5% ※該当従業員なし30.6%も含む

<従業員規模別>
「影響している(『深刻な影響が出ている』または『ある程度影響している』)」と回答
● 100〜299人規模の中堅企業:37.0%
● 全体平均:25.5%

「深刻な影響が出ている」と回答
● 1,000人以上の大企業:13.0%
● 他規模:4〜7%

一定数のパート従業員を抱える層において、現時点で影響を認識している傾向がうかがえる。

<パート従業員の比率別>
● 「10%未満」の企業:18.0%
● 「10〜29%」の企業:44.0%

パート比率1割を境に、業務影響が顕在化することが見て取れる。

【対応行動の実態】
Q6. 制度変更への現在の対応状況(複数回答)
● 特にまだ対応できていない:50.3%(最多回答)
● 給与・賃金体系の見直し:21.7%
● 社労士・専門家への相談:19.3%
● 社会保険料増加分の試算・コスト把握:18.2%

Q7. 採用・定着に関する具体的対応策(複数回答)
● 特に対応を検討していない:56.9%(最多回答)
● 時給・給与水準の見直し:25.3%
● 採用基準・雇用形態の見直し:13.3%
● 福利厚生の導入検討または導入済み:12.4%

【退職金・企業年金の整備状況】
Q8. 制度の導入有無
● 導入している:47.6%
● 導入していない:45.1%
● 現在検討中:7.2%

Q9. 制度がある企業の対象雇用形態(複数回答)
● 正社員:98.7%
● 契約社員・嘱託社員:12.2%
● パートタイム・短時間労働者:7.0%

社会保険加入が拡大する短時間労働者への退職金・企業年金の適用が顕著に少ない。

Q10. 未導入の主な理由(複数回答)
● 従業員規模が小さく必要性を感じない:33.0%
● 導入・維持コストが高い:24.3%

️本調査の総括

① 法改正の認知状況と「就業調整」による人手不足の懸念
「106万円の壁」撤廃の認知は約半数にとどまり、撤廃後も残る「週20時間」要件の存続まで把握している経営者・役員は3割未満でした。また、社会保険の適用拡大に関する経営上の懸念について「特に懸念していない」が最多回答(44.5%)であることは、制度の実態把握が進んでいないことと関係している可能性が高く、認知不足が対応の遅れを招いている構図が読み取れます。

一方で就業調整による業務影響を実感している企業は全体の25.5%に上り、中堅企業(100〜299人規模)では37.0%と、全体と比較して高い数値となりました。制度詳細の認知が十分ではない現状は、企業側の対策の遅れを招き、結果として中長期的な人手不足を誘発する一因となる可能性が推察されます。

② 雇用形態間における福利厚生の適用状況と今後の課題
本調査では、退職金や企業年金といった福利厚生の適用対象に関する実態も明らかにしました。制度を導入している企業において、パート・短時間労働者を対象としている企業はわずか7.0%にとどまっています。

社会保険適用の拡大に伴い、短時間労働者の処遇が改めて問われる中、福利厚生面での対応は進んでいない現状が浮き彫りになりました。

️本調査に関する当社代表 森本のコメント

人手不足と社会保険料負担の増大は、経営者様にとって頭の痛い問題です。

まず注意すべきは、実労働時間が「2か月連続で週20時間以上」となった場合の遡及適用です。手続きを怠ると過去の保険料を一括徴収される可能性があり、資金繰りに影響を及ぼしかねないため勤怠の厳格管理が欠かせません。

対策として、従業員には社会保険加入による「年金増」や「傷病手当金等の給付」などのメリットを丁寧に説明し、これまで以上に働く意欲を促すことが大切です。一方、「週20時間未満」を強く希望する方には、週19.5時間以下の契約結び直しと厳密なシフト管理で備えてください。

また、従業員の社会保険料負担を抑えて¹将来の備えを厚くしながら、副次的に会社の社会保険料負担も軽減される「はぐくみ企業年金(確定給付企業年金)」をはじめとした、選択制企業年金の導入も有効な施策です。制度を上手く活用し、従業員のやる気増加とコストを抑えた²人材定着策に取り組んでいただければ幸いです。

*¹ 選択する掛金額によっては、将来の老齢厚生年金受給額を含む、その他諸給付額が減少します。
*² 制度導入の効果(コスト軽減)が導入にかかる諸費用や運営費用を上回る場合(法人規模や従業員の加入率によっては実質的な負担が生じることがあります)。

調査概要
実施期間:2026年8月18日~8月21日
調査主体:株式会社ベター・プレイス
調査対象:20才~69才、経営者・役員
対象エリア:全国
調査方法:インターネット調査
有効回答数:483件

※本調査結果の二次利用は「出典元:ベター・プレイス調べ」とご記載の上、ご使用をお願いいたします。


株式会社ベター・プレイス/2026年9月15日のプレスリリースより転載