応募者を増やす求人票作成のコツ。人材紹介会社のキャリアアドバイザーが見るポイントは?

近年は、新卒・中途採用ともに「売り手市場」が続いており、企業も人材の獲得に試行錯誤する状況が続いています。自社で人材を募集しても、思うように応募者が集まらず、人材紹介会社を利用して採用活動を行う企業もあるでしょう。

求める人材を魅力付けするためには、求人票の作成はおろそかにできません。今回は、人材紹介でキャリアアドバイザーが紹介したくなる求人票作成のコツをご紹介します。

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応募者数を増やすためには求人票の作成が重要

人材紹介を行う上で、求人票は企業と求職者をつなぐ「スタート地点」となる重要な役割を担っています。求人票の記載内容に不十分な点があると、求職者が不安や疑問を持ち応募につながらない可能性や、そもそもアドバイザーにその求人を紹介してもらえないこともあります。

分かりやすく正確な求人票を作成することで、応募数の増加や採用ターゲット通りの人材の獲得にもつながるでしょう。

求人票の作成には記載必須となる項目があり、この項目は職業安定法によって定められています。明示されていない求人申込は、人材紹介会社で受理できないので注意しましょう。求人票への記載が定められている項目は下記の通りです。

求人票への記載が定められている項目

・労働者が従事する業務内容
・労働契約期間、試用期間
・就業場所
・始業及び終業の時刻、時間外労働の有無、休憩時間及び休日
・賃金額
・健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用に関する情報
・募集者の氏名又は名称

人材紹介会社のキャリアアドバイザーが求人票で重視するポイント

人材紹介会社に求人票を提出する際、どのようなポイントに重視して作成すればよいのでしょうか。キャリアアドバイザーが重視するポイントを押さえて、求職者に勧めたくなる求人票の作成しましょう。

その求人票にはキャリアアドバイザー・求職者を魅了するストーリーがありますか?

そもそも、「企業にとって人を採用をする」ということは大きな意思決定です。そして人材紹介会社を利用する多くの企業が人を採用したいと考えている理由は、人を採用することで経営課題を解決したいからでしょう。

そして経営課題を解決できる人物を採用するためには、年収や必須スキルといった条件面だけを伝えるだけでは足りません。

「なんのためにこの会社があるのか、何を成し遂げたいのか」という経営理念、「経営理念を実現するための事業は何か、また社風や運用制度はどんなものか」という事業や組織の特徴、「現在の課題は何で、この求人票ではどんな人物に何を期待しているのか?」という求める人物像などがきちんと紐づいていること、求職者を魅力付けできるような一連のストーリーとなっていることが重要です。

条件面をきちんと記述することはもちろんですが、このような質的な魅力を抽出することで、キャリアアドバイザーが求職者に紹介しやすくなるような求人票になるでしょう。

年収と必須スキル

求人票の年収と必須スキルは、求職者も重要視するポイントです。年収や必須スキルが明確に記載されている求人票は、求職者の希望や経験とマッチしているのか判断しやすく、企業が求める人材と応募者とのミスマッチも起こりにくくなるでしょう。

年収に関しては「雇用形態」や「残業・ボーナスを含めているのか」も重要な条件となります。賃金モデルも記載しておくと、より明確に伝わるでしょう。

良い例悪い例
・学歴:大卒以上
・必須条件:出版業界での編集経験
・あると望ましい能力:TOEIC600点以上
・年収:【正社員】500万~700万
・賃金例:【35歳男性】月収30万、ボーナス年2回(約5か月分※2018年度実績)、残業平均月30時間含む
・学歴:大学卒業程度
・必須条件:なし
・賃金:年収500万円~1000万円※月40時間の超過残業代含む

勤務地や転勤の有無

勤務地も、求職者が仕事を探す上で大切なポイントになります。求人票に書かれている場所が採用後の勤務地になることが原則で、なるべく詳しく書くことが求められます。また、求職者の生活に大きな影響が出る転勤の有無についてもしっかりと記載するようにします。

良い例悪い例
・東京都港区〇〇-△
※入社時の勤務地は本社。
 ただし渋谷、新宿ほか23区内の支店への転勤あり。
・東京都

福利厚生

求職者が重視する傾向にある福利厚生面も、求人票を作成する上で内容を充実させておきたいポイントです。

福利厚生面が充実している企業は、「従業員のことを大切に考えている企業である」と印象付けることができ、求職者にも良いイメージを与えることが出来ます。求人票に具体的な内容を記載することで、より魅力をアピールすることができるでしょう。

良い例悪い例
通勤・住宅手当あり、カフェテリアあり(昼食無料)、託児施設あり各種研修制度あり

会社の設立年数

人材紹介会社では、会社の設立年数から見える特徴も視野に入れ、求職者に勧める企業を選択する場合もあります。

創立年数で企業の良し悪しを測れるわけではありませんが、「設立年数が長い会社の方が業績も安定している傾向がある」「設立年数が浅い会社は変化も多いが将来性もある」といったように、それぞれ特徴があります。

求職者が望む「働き方」と企業の創立年数による特徴は、マッチングさせる上で大きなポイントになります。設立年数から見える自社のアピールポイントも、積極的に求人票に記載しておきましょう。

設立年数が古い企業のアピール例設立年数が浅い企業のアピール例
・先輩社員が多くサポート体制が整っています
・老舗企業のため、業績が安定しており腰を据えて働けます
・社員の定着率が高く、職場環境も良好です など
・より経営目線を持って働けます
・社員数が少ないため社員同士の連携が取りやすい職場です
・仕事の裁量が大きく、新しいことにチャレンジできます など

求職者の応募が集まる求人票作成の3つのコツ

応募が集まる求人票の作成には、誰が見ても分かりやすい内容を記載することが大切です。人材紹介会社のキャリアアドバイザーが紹介したくなるような求人票のポイントを踏まえて、応募が集まりやすい求人票を作成してもらうためのコツをお伝えします。

コツ①:採用したい希望の人物像をイメージする

「どのような人に」「どのような仕事をしてもらうのか」を採用企業にしっかりイメージしてもらい、ターゲットを決めておくことが採用成功につなげる最大のコツです。

採用ターゲットの人物像(ペルソナ)を明確にした後、ターゲットが採用の際に知りたいと思うことを考え、求人票でアピールします。

企業によって「必要な資格や能力」「任せたい仕事の内容」「性格や人柄」など、欲しい人材や求職者に求めるものは様々でしょう。ターゲットとする人物に刺さる自社の強みを洗い出し、他社の求人票との差別化を図ることが大切です。

コツ②:仕事内容や職種名は具体的に分かりやすい表現で

求人票の作成で、もっとも重要なのは正確な情報を具体的に記載することです。特に仕事内容を詳しく記載することで、やるべき業務がイメージしやすく、求職者の応募の意欲にもつながります。

採用後に、求人票に記載された仕事内容とのミスマッチが起きないよう、実際に採用する部署の社員の人などに記載漏れや不備はないか、確認してもらうと良いでしょう。

仕事内容の記載例

・【営業】既存の顧客先を回っていただきます。最初は先輩が一緒に回りサポートするので初心者でも安心です。
・【事務】営業事務として外回りをしている営業のサポートをしていただきます。具体的には、請求書などの書類作成、受発注データの入力などがあります。

コツ③:自社のアピールポイントで求職者の心をつかむ

求人票の作成において、簡単に記載してしまいがちなのが「自社のPR欄」です。自社の強みや社風、労働条件など、入社すると得られるメリットを記載してもらうと良いでしょう。

また、企業の採用担当が認識してPRしている点と求職者の求めている情報が違う場合もあります。この点を採用担当と整理するのは人材紹介業における企業担当の腕の見せ所と言えるでしょう。

求職者自身が楽しく働いている姿をイメージできるようにすることが重要です。企業の魅力を過不足なく伝えることで応募者の増加につながり、結果的に良い人材に出会える可能性も高まります。

自社PR欄の記載例

・よりメンバーにパフォーマンスを出してもらいたいという想いから、通勤の負担軽減のためテレワークを導入しています。

・「全ての人が個性を活かして働ける社会」というビジョン実現のため、会社ではフレックスタイム制を導入しています。小さなお子様がいても働きやすい環境です。

・「社員の健康を第一に考える」という経営理念のもと、社食を充実させています。毎日違ったメニューを楽しむことができます。

・「家族を大切に」という社長の想いから、アニバーサリー休暇やバースデー休暇を導入しているため、プライベートも充実できます。

上記のような、企業の経営理念やミッションに沿ったストーリー作りを意識しましょう。

応募を増やすためには「選ばれる求人票」の作成が重要

企業と求職者をつなぐ求人票を作成するときは、求職者が求める情報を詳しく正確に記載することが重要です。採用後のミスマッチにつながらないために、採用ターゲットに効果的に刺さる「選ばれる求人票」を作成しましょう。

(HRog編集部)

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