少子高齢化により労働人口が減少し続けており、人手不足に対応すべくダブルワークやスポットワークなど新たな働き方に注目が集まりつつある。しかし、ディップ株式会社によれば、求人サイトに訪問した求職者が採用に至る確率は一般的に数%程度で十分とはいえないという。
このような背景とAI技術の急速な進展を機に、同社は2024年5月21日、生成AIを活用した日本初の対話型バイト探しサービス「dip AIエージェント」の提供を開始した。
マッチングは会話形式で行われていくため、求職者側は職種や待遇などのニーズが決まっていない状態からでも仕事探しが可能だ。また、仕事に関することだけではなく、プライベートの悩みもAIが聞いてくれるという。
同サービスでは、同社の2000人の採用コンサルタントが日々集める「最新かつ正確な独自の求人情報」をAIに学習させる。合わせて、AIとの対話の中で蓄積されていく求職者の顕在的・潜在的ニーズのデータも活用しながらマッチング精度を高めていく。
また、同社は株式会社松尾研究所と連携し、以下のような技術レベルを設定しながら同サービスのさらなる開発を進めている。現在提供されているのはレベル2の「対話支援型」だ。両社は、2027年2月期内を目途にレベル3「深層理解型」へ到達することを目標としている。
- レベル1「基本案内型」
基本的な情報提供と案内機能を備え、ユーザーの入力に基づいた初歩的な提案を行う。 - レベル2「対話支援型」
ユーザーとの対話を通して、ニーズを理解し、検索技術を活用して具体的な提案を行う。 - レベル3「深層理解型」
ユーザーの潜在的なニーズの理解、個別化された提案をしていく。 - レベル4「人間同等型」
人間のエージェント機能と同等の理解力をもち、適切な提案をしていく。 - レベル5「人間超越型」
ユーザーを全面的にサポートし、高度にカスタマイズされた提案をしていく。
ディップは、「本サービスを通じ労働市場の諸課題を解決し、誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指してまいります」とコメントしている。
AIを活用したサービスが続々と登場しています。同サービスでは今後の技術的な進歩についても目標が示され、最終的にはAIによる人間の「超越」が見込まれています。それが実現したとき、社会はどのように変わっているのでしょうか。AI時代の働き方を考えるためにも、今後の動向をチェックしていく必要がありそうです!