Indeed Japan株式会社、求人検索・クリックデータを基に「2024年の労働市場の展望」を発表

Indeed Japan株式会社は同社が運営する求人検索エンジン「Indeed」において、仕事検索データや求人クリックデータをもとに求職者動向を調査し、「2024年の労働市場の展望」を発表した。

同社は、2024年の転職市場のさらなる活発化には「シニア」「リモートワーク」「賃金」「異職種」に対する取り組みが鍵になるとしている。

調査結果は以下の通り。

シニア転職者の増加

厚生労働省「労働力調査」によると、転職希望者数全体に占める55歳以上の希望者の割合は、10年前の15.8%から18.7%(2023年第3四半期)に増加している。Indeedの検索トレンドではシニアに関するキーワードでの検索が全体の検索数の約2%を占め、上昇傾向にある。2024年もシニアの転職希望が増加する可能性は高いと考えられる。

リモートワークへの関心の高まり

Indeedの検索キーワードでは、リモートワークに関連するキーワードでの検索はシニアと同様に検索数の2%超を占め高水準であり、一貫して上昇傾向にある。求職者にとってリモートワークの働き方が仕事を選ぶうえでの重要な条件のひとつとなっており、定着しつつあることがわかる。

より高い賃金への関心の高まり

Indeedの検索データを分析した結果、時給に関するキーワード検索では、2021年から2022年にかけて「1,500円」や「2,000円」の検索が「1,000円」の検索数を上回り、2023年も引き続き差が広がり続けている。同様に、月給については40万円が20万円の検索を上回っている。求職者は以前よりも高い賃金を検索することが増えてきていると言える。

異職種への関心の増加

Indeed履歴書の登録データと求人クリックデータの分析の結果、一部の職種カテゴリで異職種からのクリック割合が増加傾向にあることがわかった。そのひとつに「ソフトウェア開発」が挙げられる。Indeed履歴書の登録者による「ソフトウェア開発」求人へのクリックは2019年から2022年にかけて5.4倍に増加しているが、その増加の大部分が異職種からのクリックによるものだった。内訳を見ると、「小売り」「事務」「営業」などから関心が集まっている。志望職種とスキルや経験との乖離が大きければ転職は難しくなるが、リスキリングなどの取り組み次第で現在よりも異職種への転職が増える可能性がある。

詳細結果はコチラ

転職希望者は年々増加しており、厚生労働省の「労働力調査」によれば2023年7月〜9月の平均はついに1000万人を超えた。一方で実際に転職した人はほぼ横ばいにとどまる。求職者の関心に注目し、適切にアプローチすることで労働市場のさらなる流動化に繋げることができるだろう。

【参考URL】Indeed Hiring Lab、2024年の労働市場の展望を発表