約100の求人媒体から蓄積された求人ビッグデータを最短2クリックで簡単分析できる人材業界・採用担当者向け求人データ分析ツール『HRogチャート』を活用した、アルバイト採用市場の分析レポートをお届けします。今回は、大手コンビニエンスストア3社「セブン-イレブン」「ローソン」「ファミリーマート」の求人・時給動向を徹底分析しました!最新の求人動向や傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください。
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目次
求人件数動向
各社の国内店舗数を見てみると、セブン-イレブンが21,535店で最多となりました。次いでファミリーマートが16,289店、ローソンが14,631店と続いています。
コンビニエンスストア3社の求人件数を見てみると、店舗数の多いセブン-イレブンの求人件数が他2社と比較して圧倒的に多いことが分かります。2024年2月時点では、セブン-イレブンが45,489件で最多。ファミリーマートが7,421件、ローソンが2,311件と続きました。
3社それぞれが運営するアルバイト求人のオウンドメディアでは、セブン-イレブンが求人広告の約半分の件数となっていました。一方で、ローソンは求人広告の約5倍、ファミリーマートは約2倍の件数をオウンドメディアに掲載していました。
ローソンとファミリーマートの2社では、よりオウンドメディアを活用していることが分かります。
続いて、2019年4月の求人件数を100とした場合の指数で比較してみます。3社ともに緊急事態宣言のあった2020年5月頃から求人件数が減少しており、コロナ禍の影響を受けていたことが分かります。その後2022年2月頃からは増加傾向にあり、セブン-イレブンとファミリーマートの2社ではコロナ禍前の水準以上に回復しています。一方ローソンでは、コロナ禍前の水準以下で推移している様子が伺えました。
ファミリーマートでは2022年と2023年の10月に求人件数が大幅に減少しています。また件数の差はあるものの、3社すべてで4月と5月に増加する傾向がみられました。3月の卒業に伴って退職する学生が多いことから、不足する人員を補おうとしている様子が伺えます。
2023年1月と12月の求人件数を3社それぞれ都道府県別に比較し、増加件数の多かった上位3都道府県を調査しました。
セブン-イレブンでは、大阪府が+316件で最多となりました。次いで千葉県が+246件、広島県が+178件と続いています。
続いてローソンでは、東京都が+98件で最多となっています。次に大阪府が+87件、京都府が+41件と続きました。
最後にファミリーマートでは、神奈川県が+60件で最多となりました。続いて愛媛県が+42件、東京都が+26件となっています。
平均時給動向
3社の時給下限平均額を2019年4月から2024年2月までの推移で見てみると、3社ともに右肩上がりで増加していました。特に2021年以降は各社10月に増加する傾向があり、最低賃金の引き上げに合わせて賃上げしている様子が伺えました。
また、2019年4月時点ではローソンが955円で最高額だったのに対し、2024年2月にはセブン-イレブンが1,057円で逆転しています。ファミリーマートは、ほか2社に比べると時給設定が低めとなっていることが分かりました。
2023年1月と12月の時給下限平均額を3社それぞれ都道府県別に比較し、増加額の多かった上位3都道府県を調査しました。3社ともに一都三県のランクインが少なく、地方での賃上げも進めている様子が伺えました。
セブン-イレブンでは、島根県が+73円で1位にランクイン。次いで福井県と沖縄県が+52円で同率となりました。
続いてローソンでは、長野県が+132円で1位となりました。次に千葉県が+88円、香川県が+79円と続いています。
最後にファミリーマートでは、奈良県が+67円で1位となっています。続いて沖縄県が+65円、北海道が+60円となりました。
都道府県別に2024年2月の時給を最低賃金と比較し、その差額が大きい上位3都道府県をそれぞれ調査しました。同比較においては、人口が多く競争の激しい首都圏がランクインしました。
セブン-イレブンでは、埼玉県が+84円で1位となりました。続いて滋賀県が+83円、千葉県が+81円となっています。
続いてローソンでは、静岡県が+63円で1位にランクイン。次に福島県が+56円、東京都が+54円と続いています。
最後にファミリーマートでは、東京都が+44円で1位となっています。次いで福島県が+38円、秋田県と茨城県が+33円と続きました。
東京都世田谷区の時給動向
ここでは、3社ともに求人件数の多かった東京都世田谷区に絞り、周辺時給を調査しました。
まずは、エリア×時給分析で採用効率をあげる求人データ分析ツール「HRogマップ」で、下北沢駅の周辺時給を分析してみます。最低時給が1,113円、最高時給は5,000円まで求人が出ていました。また、ボリュームゾーンは1,200〜1,249円、平均時給は1,267円となっています。
続いて2024年2月のデータを使用し、世田谷区の全体・販売/接客・コンビニ/スーパーと各3社の時給下限平均額、最低賃金を比較してみます。
職種の近い販売/接客職種の平均時給と比べると、3社の時給は38~66円低いことが分かります。また世田谷区全体の平均時給と比較すると、高時給帯の職種も含まれることからその差は178~206円に広がりました。
世田谷区の販売/接客職種と、3社で求人件数の最も多いセブン-イレブンの時給レンジを比較します。ここでは、それぞれの全体求人件数に対する割合で分析しています。販売/接客職種では「1,100~1,149円」と「1,200〜1,249円」の割合が同等となっていますが、セブン-イレブンでは「1,100~1,149円」に割合が寄っていることが分かりました。
求人内容比較
最後に、下北沢駅が最寄り駅となる求人の詳細を比較してみます。
セブン-イレブンでは、未経験者に向けたアピールを強化している様子が伺えます。アルバイト初心者にとって、レジ操作が簡単であることは惹かれるポイントとなるでしょう。
続いてローソンでは、業務でやりがいを感じる場面をアピールしていました。具体的なエピソードで、仕事内容が想像しやすくなっています。
最後にファミリーマートでは、業務内容ごとにそれぞれの詳細を説明しています。また応募条件のキーワードが3社の中で一番多く設定されており、幅広い層に応募を促している様子が伺えました。
対象期間:2019年4月1日~2024年2月5日(第一月曜日を抽出)
対象媒体:タウンワーク、マイナビバイト、バイトル、フロムエー、イーアイデム
対象雇用形態:アルバイト、パート
※平均時給:求⼈情報の給与項⽬内にある給与情報を数値に変換し、下限の⾦額を合算・平均して算出
※都道府県:求⼈情報の勤務地情報を取得し集計。1求⼈に対して2つ以上の勤務地都道府県が紐づいている場合、最初に記載されている都道府県を採⽤
まとめ
今回は大手コンビニエンスストア3社に絞り、それぞれの求人・時給動向を調査しました。
特に時給などの求人条件によって応募数に変動が出やすいアルバイト採用では、周辺の採用状況を知っておくことが重要です。今回のように同業他社やエリア・職種ごとに求人動向を分析することで、採用市場の今を簡単に把握することができます。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。
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