2016年がはじまり、はや1か月が経過しようとしています。2015年の流行語大賞では「爆買い」が選ばれるなど、外国人観光客の急激な増加により人材不足に悩んだ小売店や飲食店も多い1年だったのではないでしょうか?
2月には中国の旧正月がありますし、全国の百貨店でもバレンタイン商戦を控え、早くもアルバイトスタッフの争奪戦が起こることが予測されます。
その前に2015年の求人動向をHRogチャートで振り返ります。よいアルバイトスタッフを出来るだけ多く採用できるよう年間の計画を立てておきましょう!
【調査対象】
雇用形態:アルバイト
媒体:anエリア、タウンワーク、バイトル、フロムエー、マイナビバイト
期間:2015年1月〜12月
媒体別の求人掲載件数
アルバイトの求人掲載数を比較すると、タウンワークが群を抜いていることがわかります。タウンワークの特徴として地域密着のフリーペーパーが強く、フリーペーパーに掲載されている求人がネットに転載されていることが挙げられます。
地域限定で配布されるフリーペーパーは、地方の小さな会社や店舗での求人で有効なため、必然的に全体の求人掲載件数が多くなるのでしょう。年間を通して掲載数のバラつきが多いのも、これが要因だと考えられます。
一方、掲載数第2位のフロムエーナビと3位のanエリアは、小さなものから大きなものまで幅広い求人を掲載して数を伸ばしており、数もある程度安定しています。特徴として、1つの大きな原稿で複数店舗、複数職種を募集するような派手な求人が目立ちます。全体の掲載数がタウンワークより少なくなっているのは、このようにまとめて募集している事も原因だと考えられます。
上位3社をこのような視点で比較すると、募集状況に応じて使い分けができそうですね。
次に職種別の掲載数も見ながら、年間の求人掲載件数の増減について分析してみましょう。
職種別の求人掲載件数推移
職種別で見ると、飲食系と販売系の職種でアルバイトスタッフの需要が高いことがわかります。また、時期による求人掲載件数の増減幅も大きいです。この2つの職種に注目して年間の動きを見ていくと、2月後半に求人数がガクンと減っている事がわかります。
2月については、クリスマスから年末年始、バレンタイン商戦と続いていたアルバイト特需が終わってひと段落する時期にあたります。そこで一旦減少するのですが、実は3月頭にはすぐにもとの水準にもどっています。3月は卒業時期で辞める学生アルバイトが多く、採用の必要が出てくるからと予想されます。今年もおそらく、年明けから3月中旬まで求人数は増え続けると考えておいてよいでしょう。
また2月には中国の旧正月があり、地域や業態によっては観光客の増加を見越した採用も必要になるでしょう。人材の争奪戦が予想されるので、3月までは採用活動も気が抜けません。
時給に関しては、年間通して見ても大きな変化はなく、ほぼ横ばいで推移しています。媒体ごとに見ても大きな差はありませんが、バイトルとマイナビバイトが平均1000円以上をキープしており、トップの位置にいます。
媒体別の職種(年間)
注目する点は、全体の掲載数は少ないバイトル、マイナビバイトの「飲食/フード」の掲載数が、他の職種と比べて非常に多いことです。特に飲食店はどこもアルバイトの確保に苦戦しており、近年じわじわと時給が上りつつある職種です。これらの職種が多いことが、バイトルとマイナビバイトの平均時給が高い要因の1つだと考えられますね。
都道府県別の求人掲載件数推移
続いて、掲載数を都道府県別に見てみましょう。やはり東京はひときわ目立ってトップです。続いて神奈川、大阪、愛知と主要都市が続きます。これらの都市はどこもほぼ同じような増減をしているので、今年もある程度同じような傾向で推移するでしょう。
2016年の注目は、これらの主要都市に次いで2015年外国人来訪者が多かった福岡や京都、北海道の求人です。2015年も安定した求人数をキープしていますが、観光客が増加するとともにますます人材の確保が必要になるのではないでしょうか。
また、都道府県別の時給の推移を見てみると大きな波があるものの、東京、神奈川を抑えて時給が高かったのは大阪でした。
平成27年10月に改定された最低賃金はトップが東京の907円、次いで神奈川が905円です。一方の大阪は858円。それでも年間を通して大阪の方が高かったのは、大阪が人材の確保に苦戦する地域であることを示しています。
逆に東京や神奈川などの首都圏は、年間を通しての時給も非常に安定していることから、採用状況も安定していると考えていいでしょう。大阪をはじめ、和歌山県や徳島県などの増減が激しい都道府県は、大型店の新規オープンや改装によるものであったことも考えられますが、安定した採用が難しい地域であることは間違いありません。
まとめ
どの分析結果を見ても、アルバイトの採用は決して簡単な1年ではなかったことがよくわかる結果となりました。おそらく2016年も同じような状況が続いていくでしょう。2015年の求人動向を参考に、前倒しで採用を進めたり、時給を上げてよりよい人材を確保したりするなど、各企業の工夫が予想されます。
さまざまな軸で採用マーケットを分析するならHRogチャート
本コンテンツのデータは、人材ビジネスの方、もしくは事業会社の採用担当者向けの3C分析サービス「HRogチャート」によって、作成されています。
簡単に、さまざまな分析軸で、日本中の求人情報を自由自在に集計分析できるサービスです。今なら無料でお試しもいただけます。詳細は下記バナーからご覧ください。↓