昨今、IT人材の獲得競争は激化の一途をたどっており、採用の難易度は年々増している。経済産業省が発表している「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2030年に最高79万人のIT人材不足が生じると推定されている。
ギークス株式会社は、同社が運営する案件検索サイト「geechs job(ギークスジョブ)」に掲載されている案件数と案件を探すITフリーランスの人数から算出した「案件倍率」をまとめ、「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表した。
調査結果は以下の通り。
2023年4〜6月の案件倍率について、それぞれ4月は7.16倍、5月は6.53倍、6月は9.97倍と推移しており、引き続きIT人材の確保が難しい状況となっている。
また案件数を前年度と比較すると5月は116%、6月は102%と増加している。
案件の内訳は、システム開発案件やフィンテック領域における電子決済案件が引き続き増えているほか、オフラインでのイベント需要の高まりにより、チケット決済関連、旅行・航空関連の開発案件が増加している。
スキルニーズに関しては、「JavaScript」「PHP」の需要が引き続き高く、加えて「TypeScript」などのオブジェクト指向言語の案件が多くなっている。また、技術力があるだけではなく課題の要点を理解し、解決に向けて柔軟に提案・対応できる人材が求められる傾向にある。
案件数は、7月〜8月は横ばいで推移し、9月からは徐々に増加する見込みだ。案件内容としては、NFTやブロックチェーン、AIに関連する案件や、Web3.0などのトレンド技術の需要の高まりが予想される。
案件を探すITフリーランスに関しては、9月末で案件が終了して次の案件を探す人が増える影響から、7月は横ばいで推移し、盆明けの8月中旬以降から増加する。
コロナが明けて出社を推進する企業が増加する中、フルリモートワークやハイブリッドワークでの勤務を可能とする企業が人気を集める傾向にある。また、新規サービスの開発から携われる案件やAI関連の案件への参画を希望するITフリーランスが増えている。
詳細結果はコチラ
ITニーズの拡大やDX推進の動きにより、IT人材の需要はさらに高まっていくと予想される。今後の動向にも注目だ。
【参考URL】ITフリーランス市場における需給トレンドを表す 「ギークス案件倍率レポート」~四半期累計での案件倍率は7.88倍に~