最新のNATSEMの報告はオーストラリア最大の課題を浮き彫りにしました。それは「企業を説得して退職しつつあるベビーブーマーを若者で置き換えさせること」です。
オーストラリア労働市場の状態は全体的に良好で、失業率の低さではOECD加入国内で第3位であり、人口の約53%が仕事を手にしています。
しかし、若者の失業率27.2%は1990年代以降最大の値であり、2008年の金融危機直前の最低値16.6%から上昇しています。
また、仕事を探してはいるが見つからない若者(15~19)の割合は全体的な失業率の4.5倍であり、これは最高記録をわずかにかすめる値です。
さらに20歳以上の人口と比べ、若者は約3倍パートタイムで働く傾向があり、働く若者の3/4以上がパートタイム勤務となります。
これは仕事と学問を両立させる必要性を主に反映している一方で、NATSEMのRobert Tanton教授は、高い失業率とパートタイマーの割合は現在の市場で若者が面している困難を映し出していると述べます。
「テクノロジーの変化、厳しい経済状況、増加する資格保持の必要性によって若者は就職に困難を抱えており、一方、年配世代は退職しつつあり、彼らのスキルや経験、知識が失われている。」
この報告は、企業が若者を雇用しない限りオーストラリアはスキルと経験をもつ労働者の不足に直面しうる、と警告しています。
しかし、多くの企業は経済状態や消費者心理の長期的改善をうかがっており、雇用の伸びは近年低下しています。
The report warns that Australia could be left with a shortage of skilled, experienced workers in a range of occupations unless employers start taking on younger staff to replace retiring baby boomers.
参考:HR in Asia
http://www.hrinasia.com/general/youth-unemployment-a-key-challenge-as-boomers-retire/