
エン株式会社の2027年3月期第1四半期決算が2026年8月6日に発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて分析・解説し、人材業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!
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目次
エンの2027年3月期第1四半期の決算における売上高や純利益の増減率とその要因について、グラフィックで分かりやすくまとめました。

当第1四半期の売上高は前年同期比11.2%減の133.1億円となりました。主力だった「engage」事業の承継に伴い全体の売上高は減少したものの、新規連結された「back check」が急成長するなど他事業が好調に推移。この事業承継の影響を除いた既存事業の売上高は4.4億円の増収を達成しており、ポートフォリオのシフトが進むなかで実質的な成長を続けています。
エンの今期決算について、セグメント別の業績や業績予想を詳しくまとめました。エンは2026年3月期よエンの今期決算について、主に決算短信および決算説明資料をもとに、セグメント別の業績や業績予想について詳しくまとめました。
本記事では決算短信での大きな括りである「メディア」「エージェント」「採用サービス その他」「教育・評価サービス」「海外」に沿って解説します。
メディア事業は、「エン転職」「ミドルの転職」「AMBI」「エン派遣」といった求人メディアを展開する主力セグメントです。なお、前年同期のengageを含む実績との比較ではなく、engage事業承継の影響を除いた前年同期比で算出されています。
今期は、ミドルの転職において人材紹介会社との取引が増加し増収となりました。一方で、エン転職は新規顧客との取引が伸び悩み減収となっています。KPIを確認すると、エン転職の利用企業数は4,587社(前年同期比-3.2%)とわずかに減少しているものの、求職者会員数は1,284万人(同+5.1%)と増加しています。
営業利益はミドルの転職で広告宣伝費の効率化が進み増益となりましたが、メディア全体では減収に伴い減益となりました。その結果、売上高は73.6億円(前年同期比-4.3%)、営業利益は17.9億円(同-16.7%)となりました。
エージェント事業のセグメントは、グローバル人材紹介を展開する「en world」と国内人材紹介の「エン エージェント」で構成されています。
今期は、エン エージェント・en worldともにコンサルタントの生産性が向上し、増収となりました。特に高年収帯での決定案件が伸長し、売上成長に貢献しています。営業利益はen worldにおいて人件費が増加したものの、それを上回る売上成長により増益となりました。
その結果、売上高は30.3億円(前年同期比+10.7%)、営業利益は6.1億円(同+22.6%)となりました。
採用サービス その他事業は、派遣会社向けに採用管理システムを提供する「ゼクウ」や、リファレンスチェックサービスを展開するback checkなどを含むセグメントです。
今期は2025年10月に連結子会社化したback checkにおいて、日系大手企業との取引が増加し増収となりました。back checkの売上は前年同期比+34%と高い成長率を示しています。また、営業利益はゼクウが利益成長し、増益となりました。
その結果、売上高は8.3億円(前年同期比+74.2%)、営業利益は3.0億円(同+105.3%)となりました。
教育・評価サービス事業は、適性テスト「TALENT ANALYTICS」やオンライン研修サービス「エンカレッジ」などを提供するセグメントです。
今期は研修サービス及び適性テストが成長し、増収となりました。一方で、事業成長に向けた人員増強に伴う人件費が増加したことから、営業利益はわずかに減益となっています。
その結果、売上高は4.6億円(前年同期比+0.8%)、営業利益は1.3億円(同-1.9%)となりました。
海外事業は、インドのIT人材派遣やベトナムの求人メディア・人材紹介などを展開するセグメントです。
今期はITエンジニア派遣において米国事業が成長し、増収となりました。一方で、営業利益は需要回復を取り込むためメディア・エージェントにおいて広告宣伝費を増加させたことから、減益となっています。
その結果、売上高は16.0億円(前年同期比+2.6%)、営業利益は2.3億円(同-1.9%)となりました。
2027年3月期の通期業績予想については、2026年5月14日公表値からの変更はありません。
2027年3月期の通期業績計画は、売上高500.0億円(前期比-15.4%)、営業利益28.0億円(同-29.3%)、経常利益34.0億円(同-18.7%)、純利益54.6億円(同+108.9%)を予定しています。
第1四半期時点では、売上高・各利益とも過去3年同期平均を上回るペースで進捗していますが、第2四半期以降に中期経営計画の策定に向けた投資などを予定しているため、通期業績予想は変更していません。
今期における販管費の構成を確認すると、人件費は前年同期比-18.5%(-8.7億円)、広告費・販促費は同-22.5%(-7.9億円)と、大幅な削減が実現しています。従業員数も連結で718名の減少となっており、engage事業承継に伴う人員・費用の移管が費用構造の改善に大きく貢献しました。
新たな成長戦略では、リファレンスチェックの「back check」が大手企業との取引拡大により前年同期比+34%と急成長。さらに、AIサービスを行う「エン PeopleX」も計画比+26%の売上を記録しました。グループ内でのクロスセルが順調にスタートし、既存事業部から300件以上の商談連携が寄せられるなど、メディアや紹介事業に次ぐ次世代の成長エンジンとして存在感を高めています。
想定を上回る第1四半期の好スタートを受け、同社は第2四半期から中期経営計画の骨子となる成長シナリオの議論を開始すると発表しています。強固な事業ポートフォリオとAIの競争優位性を確立したうえで、2028年3月期に中期計画を策定予定です。今後の具体的な成長戦略の発表が注目されます。
2027年3月期第1四半期決算を通じて、エンが「構造改革の実行フェーズ」を着実に前進させていることが示されました。engage事業の承継を完了し、人件費・広告費のスリム化を進めたことで、減収下でも利益を改善しており、構造転換は計画どおりに進んでいると言えるでしょう。
また、求人メディアへの大型投資に依存したビジネスモデルから、エージェント・リファレンスチェック・AIを活用した採用支援など、「高付加価値・多角化型」のモデルへのシフトも進んでいます。特に「back check」や「エン PeopleX」が高い成長率を示しており、採用プロセスの高度化・精緻化に対応したサービスが、新たな成長領域として存在感を高めています。
HRog編集部では、構造改革による収益性の改善や、エージェント・リファレンスチェック・AI領域の成長可能性を含め、エンの取り組みを引き続き追っていきます。
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【参考URL】
(執筆:川瀬ゆう)




