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【ウェビナーダイジェスト】AIとIndeedがつくるHR新時代!これからやるべき集客手法、見るべき歩留まりを語りつくす

2025年6月24日、インビジョン株式会社・株式会社ミライル・株式会社フロッグの3社共催セミナー「AIとIndeedがつくるHR新時代!これからやるべき集客手法、見るべき歩留まりを語りつくす」が開催されました。

 Indeed PLUSの本格始動やクローリングの終了、掲載課金型モデルの終焉、そしてAIマッチングの台頭など、かつてない構造転換が起こる今、人材業界や求人企業は変化にどう対応すべきでしょうか? 

 本記事では、3部構成で行われたセッションの内容をダイジェストでご紹介します。

イベント概要

タイトル:AIとIndeedがつくるHR新時代!これからやるべき集客手法、見るべき歩留まりを語りつくす

開催日:2025年6月24日(火)17:00~18:00

登壇者

セッション1
株式会社フロッグ
執行役員 
水野 純

セッション2
インビジョン株式会社 
取締役CCO
石井 雄太郎

セッション3
株式会社ミライル 
採用コンサルティング事業部 事業部長 
山下 有人

セッション1|AI、Indeed、リクルート… 人材業界の新・トレンド

Indeedが近年提唱している「SHIFT RIGHT(シフトライト)」とは、これまでのように「応募数」を成果の指標にするのではなく、よりプロセスの後半、つまり「採用数」を基準に採用施策の効果を見ていこう、という考え方です。

 

このSHIFT RIGHTを実現するために、Indeedでは各社のATS(採用管理システム)に対して、候補者が採用されたか不採用だったか、そのステータスや理由といった情報をIndeed側にフィードバックできるよう、連携の強化を呼びかけています。

こうした「結果データ」が集まることで、Indeedがもともと持っている大量の求人情報や、求職者の行動履歴、レジュメの内容といった情報に加えて、より高度なマッチング精度が実現されていくと考えられます。

 

リクルートHDの25年通期IRでは、AIを搭載した新サービス「Indeed Career Scout」「Indeed Talent Scout」が発表されました。

 

求職者向けの「Career Scout」では、求人紹介やキャリアステップの提示、書類作成や模擬面接までAIがサポートすると説明されています。今まで人材紹介のCA(キャリアアドバイザー)がやっていたことを、AIがやってくれるということですね。

 

採用企業向けの「Talent Scout」は、求人内容の最適化や条件に合う候補者の提示、自動面接によるスクリーニングを行うAIエージェント。このように、Indeedは自社が保有するデータを武器に、しごと探し/採用プロセスを自動化・省力化するAIサービスをどんどん開発しています。

続いて、フロッグの収集した求人データを用いて、リクルート系列の各サービスの求人数を見てみましょう。リクルートエージェント(人材紹介)の求人数は減少傾向にある一方、リクルートダイレクトスカウト(スカウトサービス)はここ1年で10万件以上増えています。

ホールディングスとしても、従来の人材紹介によるマッチングから、人を介在させないAIの自動マッチングにシフトしていこうという意図がうかがえますね。

セッション2|Indeedだけじゃない、今後取り組んでいくべきこと:集客編

最初に結論をお伝えすると、今後の集客は「オウンドメディアリクルーティング」が鍵になると思っています。

現在、Indeedで求職者集客を完結させている企業も多いと思いますが、その中で差別化を図るのは年々難しくなっています。しかし、真剣に企業を比較検討している求職者ほど、Indeedで求人を見たあとに会社のホームページをチェックしているものです。

 

つまり、一度Indeedから離脱したタイミングで、自社サイトがどれだけ魅力的な情報を提供できているかが勝負なんです。そのときにしっかり作り込まれた採用サイトがあるかどうかで、最終的に「その会社に応募するか」の意思決定が変わってきます。

 

大企業から地方の中小、人材派遣会社など、採用活動を行うすべての企業でオウンドメディアへの投資が求められていると思います。

また、Indeedに集客を頼り切りにしないという観点では、作ったオウンドメディアへの流入を促すチャネルを丁寧に設計するのも重要です。

 

たとえばGoogleマップのMEO対策、各SNSからの導線、社員やスタッフによる紹介(リファラル)、リスティング広告といった複数のチャネルを連携させて、自社オウンドメディアにきちんと人を流し込めるようにしましょう。

 

特に、口コミは重要です。過去に派遣会社のスタッフへインタビューしたところ、ほとんどの人が登録前にホームページや口コミをチェックしており、ネガティブな口コミがあると登録をためらうという声もありました。ネガティブなものに対してはきちんと対応した上で、高評価を増やすアクションが求められます。

 

最近の求職者集客はWebマーケティングに近づいており、ユーザーは複数の情報を比較するのが当たり前。各広報チャネルの作り込みが、最終的な応募数を左右します。

最終的に採用を目指すには、オウンドメディアにどう集客するかだけでなく、その先の歩留まりや稼働、定着といった指標も含めた管理が求められます。

特に派遣会社さんにとっては、応募単価だけでなく、稼働や定着、LTVといった広い視点でKPIを見ていく必要があるでしょう。THE MODELのように営業・契約・稼働・定着を一連のプロセスで捉える考え方を、採用活動にも取り入れていくべきタイミングにきているのではないでしょうか。

セッション3|Indeedだけじゃない、今後取り組んでいくべきこと:歩留まり改善・ツール活用編

ここからは「歩留まり改善・ツール活用編」というテーマでお話しさせていただきます。最近感じているのは、採用活動がますます「ECサイト化」しているということです。

石井さんのセクションでもお話があったように、さまざまなチャネルで接点を持ち、スムーズに購入してもらう。購入後しばらく経ったら、メルマガやクーポンを打って再び接点を持つ。こうしたLTV(顧客生涯価値)を意識した発想は、採用にも応用できると思っています。

派遣業界でも、登録だけして実際に就業していない人たちが「在庫」のような状態になっているケースが多く見られます。彼らをアクティブ化し、稼働=売上に貢献させるのが重要です。

そのためにやるべきなのは、派遣先企業ごとに「なぜ採用に至らなかったのか」、しっかりと現状を把握すること。「歩留まりが悪い」といっても、求職者側の都合なのか、派遣先企業側の要件によるものなのか、原因をまずは二つの軸で分解するだけでも、状況は見えやすくなるはずです。

採用活動を「売上につながる投資」として捉えるには、歩留まりの原因をデータで可視化する必要があります。そこで当社では「求職者の応募から採用までの過程のうち、どのプロセスにどれだけお金を使って、どのような成果が得られたのか」というレポートを出せるサービスを提供しています。

まずは、求職者辞退の具体的な理由を数値で把握しましょう。たとえば、ある案件での辞退理由は「時給が低いから」が○%、「勤務時間が合わないから」が○%……、というデータを採用支援会社に共有できれば、改善に繋がる打ち手も見えやすくなります。

合わせて企業側の不採用理由についても見える化し、実際に集めた候補者に対してどんな評価が下されているのか確認しましょう。

AIの進化もあり、Webの接点まではかなり自動化・効率化が進んでいます。しかしその先の「人が人を迎え入れる」というアナログなプロセスは、今後も残り続けます。たとえば、候補者の年収帯や価値観に合ったリクルーターを用意したり、入社後のメンターを整えたりといった「人による体験設計」は、AIでは代替しづらい領域です。

今後の採用は、Webによるオンラインチャネルをどんどん使いこなしながら、求職者から集めた「NG理由」のデータを集めつつ、オフライン施策も絡めて求職者の体験価値(CX)向上につなげていくアクションが必要になるでしょう。

今後ますますツールは便利になっていきますが、最終的に差が出るのは、企業がどれだけ「自社の魅力」を言語化し、データをもとに求職者視点を取り入れ、歩留まり改善につなげられるかです。

「ツールのおかげでなんとなくうまくいった」「今回は運が悪かった」と済まさず、一つひとつの目的と効果を分析・言語化し、AIやツール・採用支援会社へフィードバックをすることで、自社にとって最適な採用のあり方が見えてきます。

ツールはあくまで手段。その活用の前提にある「自社の魅力」を見つめ直すことが、これからの時代に求められていると思います。

まとめ

今回のウェビナーでは、人材業界の最新トレンドと今後人材会社が取り組んでいくべき施策について、集客と歩留まり・ツール活用の2つの観点から語りました。本レポートでは記事化の都合上省略しておりますが、人材業界の変化について登壇者3名の議論が沸き、その後の質疑応答もたくさんのご質問を頂いて答えきれなくなるほどの盛り上がりでした。

質疑応答パートについては、5本のダイジェスト動画をYouTubeにアップしておりますのでぜひご覧ください。

当日ご参加が難しかった方も、こちらのレポートやダイジェスト動画を通じて、日々の業務に少しでもお役立ていただければ幸いです。今後もHRog編集部では、人材業界で活躍される皆さまに向けて、現場で「すぐに使える」ノウハウやリアルな実践事例をお届けしてまいります。

「こんなテーマを取り上げてほしい」などご意見・ご要望がありましたら、ぜひお気軽にお寄せください!

各社HP

インビジョン株式会社:https://www.invision-inc.jp/

株式会社ミライル:https://miraillu.co.jp/lp/hr-visual/

株式会社フロッグ:https://hrog.co.jp/