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採用ウルトラキャンプ出展企業に聞く、採用のここを「開き」たい!

2025年10月16日、古都京都で開かれた大型採用カンファレンス「採用ウルトラキャンプ2025」。このイベントは「採用を開く」をキーワードに掲げ、従来の採用活動に新たな視点をもたらそうとする企画でした。

今回はHRog編集部が、出展企業各社の担当者にインタビューを実施。なぜこのイベントに参加したのか、そして「採用を開く」というテーマにどのような想いで向き合っているのかを伺いました!(掲載順は50音順です)

目次

any株式会社

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「anyは『カルチャーを経営の柱に据える』ことを明言しています。私たちにとって、カルチャーと事業は両輪。カルチャーを強くすることが目的ではなく、事業成長を加速させるために、戦略的にカルチャーに投資する。この考え方を実践し続けている会社です。

今回の出展は、HR戦略上、このタイミングで全国のCHROや人事の皆様に、anyの思想と実践を知っていただく絶好の機会だと捉えました。VISIONからCultureへ、そして事業成長へと繋がる一貫性。これこそが、anyの強みです。anyを応援してくださる方、同じ想いを持つ方々と繋がりたいと考えています」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「私たちが『開きたい』もの、それは候補者一人ひとりの可能性です。

anyの『向き合い採用』は、企業が一方的に判断するプロセスではありません。候補者と企業が互いに寄り添い、深く対話し、『この選択が、あなたの人生にとって本当にベストか』を一緒に探る。その過程で候補者の方の未来が大きく開いていく。

採用もプロダクトも、anyのCultureと密接に関わっています。我々のプロダクトはナレッジ共有を通じて組織文化を変え、イノベーションを加速します。anyのカルチャーそのものがお客様に響き、共感を生んでいる。このカルチャーを大切にしながら、一人ひとりの可能性を開き、未来を共に創っていきます!」

株式会社HRBrain

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「来場者のほとんどが人事担当者である点に魅力を感じました。当社は人事向けシステムを提供しておりますので、そこでシナジーが生まれ、来場者の方に貢献できると考え出展を決めました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「当社は直接採用に関するプロダクトを提供しているわけではありませんが、採用活動においては、まず自社にどのような人材がいて、どのような人材が不足しているのかを把握する必要があります。タレントマネジメントシステムで、その課題解決を支援していきたいと考えています。

また、生産年齢人口が減少し、人材の流動性も高まっている現在、個々の従業員から選ばれ続ける企業へと進化することが必要です。その点においても当社が寄与できればと考えております」

株式会社グロービス

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「今回が、採用担当者様向けのカンファレンスへの初めての出展となります。近年、生成AIの進展に伴い採用担当者様から弊社のアセスメント・テストサービスの関心が高まっている中、採用ウルトラキャンプ参加のお声がけをいただき、この機会に現場の皆様から直接ご意見やご反応を伺いたいと考えました。

採用の現場で感じられている課題や期待をお聞きしながら、今後のサービス提供やご支援のあり方をより良いものにしていきたいと思っています」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「採用は“入社まで”で終わるものではなく、入社後にどのように活躍してもらうかを見据えることが重要だと考えています。私たちは経営人材育成の分野で培ってきた知見を活かし、採用段階から社員の成長ポテンシャルを見極めるサポートができればと思います。

採用と育成の双方の視点をつなぐことで、“入社後に活躍できる人材”を増やし、AI時代においても組織全体の成長をより持続的なものにしていきたいです」

株式会社コーナー

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「『採用を開こう』という発想が、当社の考え方とも近しいと感じています。ワンキャリア様が初めて開催するこの企画が、素晴らしい初回になることを願い、参加させていただきました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「一社の人事部門だけで課題を解決するのは、現代の課題の多さを考えると困難です。他社の人事担当者や、私たちのように多くの企業を見ている第三者が関わることで、社内の課題を俯瞰し、解決策を見出すアプローチが必要だと考えます。

当社のビジネスモデルもまさに、正社員だけでなく副業やフリーランスなど多様な形で社外の人事採用のプロフェッショナルの方々に入ってもらい、チームを構成するものになっています。新しい採用チームの形として、世の中にも広まっていくといいなと思っています」

Thinkings株式会社

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「今回のイベントは、大手企業をはじめとする採用責任者の方々が一堂に会する貴重な場だと伺いました。私たちは、これまでさまざまな規模の企業様の採用をご支援してきましたが、現場の悩みや構造的な課題は年々複雑化しています。だからこそ、“現場のリアルな声”を直接伺える場に参加したいと考えました。

単に製品を紹介するだけでなく、採用をより良くするためのヒントを一緒に探す対話の場にしたいと思っています」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「採用は、依然として勘と経験による部分が多く、ブラックボックス化しやすい領域です。Thinkingsとしては、選考プロセスのどこで課題が生まれているのか、どんな候補者体験が提供できているのかを“解像度高く”捉えることができるようにしたいと考えています。 

データをもとに現状を正しく理解し、施策の効果が測定できる“開かれた採用”をつくる。さらに、採用担当者だけではなく、現場や経営と課題を共有しながら、より良い採用活動を実現する。その共創を支えるのが私たちの役割です」 

株式会社Sales Marker

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「当社はオフラインでお会いできる機会には積極的に参加しておりまして、こうした場でたくさんのお客様とお会いしたいと考えています。今回は特に、HR領域の大型イベントが関西で開催されるという希少な機会ということで参加しました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「既存の中途採用手法は頭打ちの状態にあります。多くの企業が優秀な人材を獲得できないという課題を抱えている一方で、求職者側も多すぎるスカウトメールを捌けなかったり、希望する仕事に出会えなかったりという問題に悩んでいます。

デジタル技術が発達した現代においても、採用市場には多くの課題が存在しているというのが現状です。私たちは、中途採用や転職における新しい扉を開くきっかけとなるようなサービスとして、『インテントリクルーティング』を提唱していきたいと考えています」

株式会社ZENKIGEN

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「ワンキャリア様から『京都というエネルギーが集まる場所で、採用シーンを変えるようなイベントをやりたい』というお話を伺い、非常に面白そうだと感じました。「採用」に特化をしたイベントは希少性が高く、採用について本気で議論できる良い機会だと考え、参加させていただきました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「弊社は面接で取得できるデータを元に、面接の可視化や採用プロセスの改善を支援するサービスを提供しています。ブラックボックス化しがちな面接において、どのような組み合わせで、どのような対話をし、結果としてどうなったのかを可視化、定量化することで、採用活動におけるボトルネックの発見と改善を可能にしています。

今後は、企業が一方的に選考する採用活動から、データを元に出会うべき人と出会い、双方が自己開示を行い、最適なマッチングが日本全国で行われることを目指したいと思います。

労働人口の減少も相まって、ブラックボックス化した企業本位の採用活動では立ち行かない状況も散見されます。従来の1,000人を集めて100人を採用する活動ではなく、100人面接して100人全員を採用できる世界を目指したいと考えています。社会に『開かれた採用活動』を実現できるよう、取り組んでまいります」

talentbook株式会社

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「全国から多くの人事担当者が集まるイベントですので、我々のリリースした新機能や新卒採用向けソリューションが少しでも多くの方々の課題解決に繋がればという思いで参加しました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「採用が非常に厳しい時代となり、かつては人事部門だけで行っていた採用活動が、次第に現場を巻き込んでいくものへと変化してきました。全社で採用に取り組む文化を醸成していく取り組みの一端を、当社も担えればと思っています。本日参加されている他の企業様のサービスを見ても、全社でHRを推進していく流れが強まっているのを感じますね」

株式会社テックオーシャン

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「当社は、理系学生を採用している企業様に対し、母集団形成を支援するダイレクトリクルーティングサービスを提供しております。理系採用の『質』をより高めたいと考える採用担当者の皆さまと交流し、知見を共有する場にできればと思い、今回参加いたしました。

また、主催であるワンキャリア様とは普段からセミナーなどでご一緒させていただいており、今回の新しい取り組みを非常に楽しみに感じておりました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「採用の現場には、人事同士の交流機会が少なかったり、採用業務が人事部門内に閉じてしまいがちであったりという現状があります。一方で、理系人材の採用支援をおこなっている当社としては、ご支援できる企業様とどのように出会っていくかが課題です。

これまでは人事の方々と繋がる方法が展示会やセミナーに限られていましたが、本イベントが変化のきっかけになり、人事の方々との関係性を築いていければ、それが『採用を開く』ことにも繋がるのではないかと考えています」

株式会社テックビズ

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「“『採用』を開こう、そして超えよう。”というイベントのコンセプトにまず共感しました。HRフリーランスのマッチングサービスを提供している我々としても、HR業界は採用担当者のナレッジや関係性、そして人事の働き方において、変化の余地があるという認識を持っています。

働き方が多様化しているにもかかわらず、なぜ人事の担い手は正社員に限定され、採用手段も画一的なのか。同じ課題感を持っている者同士、一緒に盛り上げることができればと思い参加しました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「当初は『壁を壊したい』と即座に変化を求める気持ちで活動していましたが、一足飛びに大きな変化を起こすことの難しさを感じ、現在は一社一社と対話を重ねることを大切にしています。なぜ業務委託ではいけないのか、カルチャーフィットとは何かといったテーマで対話し、課題を一つずつ解きほぐしていこうと思っています。

働き方が多様化すれば、受け入れる人事側の働き方も多様化するはずです。単に人事リソース不足を補うための業務委託ではなく、みんなの働き方や人生のこととして思考していくことを広めていきたいです」

株式会社No Company

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「今回のワンキャリア様が掲げるコンセプトは、当社の事業内容と一致する部分が多いです。当社は博報堂グループにジョインし、人材採用の領域からではなく、マーケティング・ブランディングの視点から採用を良くしようという思想で事業を展開しています。

当社の取り組みは、今回のイベントテーマである『採用を開く、閉鎖的な状況を解決する』という点に直結しており、想いが重なりました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「マーケティングとブランディングの力を、モノの消費促進のためだけではなく、人々の働き方をより良くし、採用における良いマッチングを生み出すために活用したいです。従来からある手段だけではなく、マーケティングやブランディングを活用しながら、人々の働き方や生き方を向上させることが、私たちなりの『採用を開く』ことだと考えています。

ど真ん中の人材企業・HR企業ではないポジションだからこそできる価値提供をして、採用を開いていきたいですね」

株式会社Hajimari

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「当社は10万人のプロ人材ネットワークを有しており、そのうち人事領域では約9,000名の方にご登録いただいています。フリーランス人材のご紹介を通じた企業の組織課題解決を、より多くの企業様にお届けできればと思い、今回参加いたしました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「多くの企業が、採用が困難になる中で人員を充足させなければならないなど、さまざまな課題を抱えています。社内の人事担当者だけでなく、各領域のプロフェッショナルや採用の専門家が参画することでチームの成果は大きく変わるため、その新しい可能性を広めて『開いて』いければと思います」

株式会社パトスロゴス

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「当社は採用、勤怠、給与、労務、タレントマネジメントなどのHRSaaSを自動連携し、人事データの統合を実現するシステムを提供しています。今回は採用領域で日々活躍されている皆さまの知見に触れつつ当社のことを広く知っていただきたいと思い、参加いたしました。

また、出展されている他のHR SaaS企業様のサービスとも、新たな連携や親和性が生まれるのではないかと期待しています」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「当社は、採用した人が入社後どのように活躍し、どれくらい貢献しているのか、あるいは早期離職がなぜ起きたのかといった情報を、人事データと連携して可視化・分析できる仕組みを提供しています。

採用後の効果測定を可視化することで、採用活動を『入社まで』で閉じず、『入社後の成果』まで開いていく。 このような新しい視点で、採用担当の皆さまの取り組みに貢献したいと考えています」

株式会社ピープルアンドデザイン

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「当社は、採用から入社後の定着・活躍、退職後のアルムナイ(退職者)コミュニティまで、候補者体験、従業員体験、アルムナイ体験の全般にわたって、従業員が自社を好きになり、『この会社に入社して良かった』と思えるような従業員体験、People Experienceデザインを支援する会社です。

採用はPeople Experienceの入り口となる重要な接点ですので、採用担当の方とお会いしてその課題感に寄り添うことができればという思いで参加しました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「採用業務には、必ずしも本質的な価値創造に直結するとは言えない事務的な作業も含まれます。AIの力で採用業務を効率化し、生まれた時間でより良い採用候補者体験を創出していくご支援をするのが、当社の採用ソリューションの根幹です。

採用担当の皆さまにとって、採用活動が『辛いもの、大変なもの』ではなく、『候補者のキャリアに寄り添い、よりよい人生につながるマッチングの機会として意義深く、ワクワクできるもの』になるといいなと思っています」

株式会社PeopleX

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「当社は、対話型AI面接サービスなど、人事・労務領域の課題解決をご支援するサービスを複数運営しております。採用に携わっていらっしゃる方が非常に多く来場されるということで、様々なお客様との出会いを期待して参加しました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「AI面接はまだ黎明期のカテゴリーですので、まずはこの技術をいち早く皆様にお届けしたいです。突き詰めると『そもそも書類選考は必要なのか』という話にもなると考えています。書類のみでは形式的な情報しか得られないのに対し、AI面接を活用すると、出会いの機会を広げながら、同時に、人柄や能力を本質的に見極めることを実現できます。将来的にはAI面接の活用が標準となるような形で、従来の採用のあり方をアップデート出来ればと思います」

PIVOT株式会社

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「タイアップ動画を採用にご活用いただく機会が増えており、実際に当社の動画経由で半年で70名以上を採用された企業様もいらっしゃいます。こうした成功事例をもとに、ご来場の方々に採用強化の新しい手法としての動画活用についてお伝えしたいと考え、今回参加をしました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「企業のカルチャーや社員・経営者の想い、事業内容といった魅力が十分に伝わっていない企業様は非常に多いと感じています。自社コンテンツや自社のYouTubeチャンネルなどで発信している会社様でも、どうしても自分たちだけでは発掘・発信しきれていない魅力があるようです。

当社は第三者であるメディアの視点から長尺動画コンテンツで発信することで、企業の隠れた魅力を引き出し、より多くの方に興味を持っていただくきっかけを創出したいです」

株式会社WHOM

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「採用に関する大型のカンファレンスということで、これまでにないイベントだと感じ、是非参加したいと思いました。ワンキャリア様が主催である点にも、単に参加者を集めるだけではない、質の高いイベントであるという信頼を感じました」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「採用活動において、採用担当者は非常に重要な役割を担います。私たちは採用代行プラットフォームという事業を通じて、採用担当者自身にもっとスポットライトを当て、そこから『採用を開く』ことを実現していきたいと考えています」

株式会社YOUTRUST

今回参加したきっかけ・参加にかける想い

担当者「ワンキャリア様とは様々な機会でご一緒しており、堅苦しいカンファレンスではない『キャンプ』というコンセプトの大型イベントを、ぜひ一緒に盛り上げたいと思い参加しました。様々な企業の皆さまと新たな”つながり”を築ければと思います」

どのように採用を「開き」たいですか?

担当者「当社が提唱しているのは、“ネットワークリクルーティング”という新しい採用の考え方です。従来のように1対1のやり取りを前提とするダイレクトリクルーティングやエージェント型とは異なり、社内のあらゆるネットワークを活用し、信頼関係の中で潜在層へアプローチできる点が特徴です。

リファラル採用を進化させ、企業自らがネットワークを広げ育てていくことで、より開かれた母集団形成とご縁の創出につながります。この考えが、今回の『採用を開く』というテーマに強く共感する部分でした」

まとめ

今回は、各社に「採用を開く」というテーマに対するそれぞれの想いを伺っていきました。データ活用による透明性の向上、多様な働き方の受け入れ、AI技術の導入、そして人と人のつながりを重視したネットワーキングまで、アプローチは多岐にわたりました。

人事業界が「閉ざされている」という共通の課題認識を持ち、それぞれが異なる角度から解決策を提示していた今回のイベント。各社の熱い想いとイノベーションが、日本の採用活動をより開かれたものへと導いていくことを期待します。