【新入社員向け】クライアントを知ろう! ~中途採用担当者の一日~

株式会社セブンデックス
人事
神保 幸奈 氏
じんぼ・ゆきな/インターネット写真サービス企業に新卒入社、セールス・ディレクションに従事。その後ベンチャー企業にて採用サービスの新規事業立ち上げを経験。事業立ち上げ経験から事業づくりだけではなく組織づくりに携わりたいと考え、また戦略からグロースまで一貫に行うセブンデックスの事業に共感し、一人目の人事として入社。採用、組織開発を担当。

よい仕事をするためには「顧客理解」が重要だとよく言われます。人材業界ではたらく皆さんは、採用担当者が日々何を考えどんな仕事をしているのか知ってますか? 今回は株式会社セブンデックスの中途採用担当者にスポットを当て、採用担当の日常・リアルに迫ります。

一人目の人事としてスタート! ~セブンデックス採用担当者の一日~

神保幸奈さんは2022年1月に、セブンデックス一人目の人事として入社しました。現在セブンデックスは正社員30名規模のスタートアップですが、人事は今でも神保さん一人だといいます。神保さんはひとり人事として、どのような計画のもと採用活動を進めているのか伺いました。

「セブンデックスでは中途採用が主流です。現在は年間で26名採用という計画に向け動いています。スタートアップとして、スケールアップするために売上も採用も高く設定しています」

セブンデックスの年間採用計画は、売り上げ目標を達成するための必要人員数から逆算して決めていきます。今年中にメンバー数を約2倍に増やすというタイトなスケジュールですが、神保さんは人事としてどんな一日を過ごしているのでしょうか。

「朝は候補者のメッセージ対応やエージェントから届いている書類の選考を進めています。日中に面談が入るので、その準備をしていることも多いです」

採用手法としてはダイレクトリクルーティングに注力しているそうです。セブンデックスのメイン事業はブランドの戦略策定や、デジタルプロダクトのUXUIデザインリニューアル支援など。支援会社のため、自社ブランドをアピールできるような自社製品を持っている企業とは違い、求職者にセブンデックスの名前を知ってもらう機会は多くありません。

「私が入社する前は役員が人事を兼任していたのですが、そのときからダイレクトリクルーティングでの実績が一番ありました。スタートアップかつ支援会社で一般的な知名度が高くないので、候補者に対して能動的にアクションをとれる採用手法が弊社には合っています」

では、ダイレクトリクルーティングで候補者に送るスカウトメールはどのように作成しているのでしょうか。

「スカウトメールはすべて社内で作成し、私自身こだわって文章を書いています。特に、なぜその方にセブンデックスに来てもらいたいのか、この点が伝わるよう意識しています。

メッセージ作成で難しい点は、自分が経験したことのない職種の方へどのような内容を送れば魅力付けできるかを考えることです。たとえば私はデザイナー出身ではないため、デザイナーの人が抱える気持ちやキャリアの課題は経験したことがありません。しかし、候補者の心を動かすスカウトメールを書くためには、現場の解像度を高め、その情報を適切に伝達する能力が求められます」

そのため神保さんは、入社してからの2年間さまざまな職種の課題感や現場での動きをインプットしてきました。もちろん、その学びは現在でも続いています。

日中

「日中は面談とその後の連絡を行っています。朝一で候補者連絡の時間を取っていますが、日中にも続々と返信がくるので返せるものはすぐに返すようにしています。日々の業務では候補者との時間を何よりも優先して作っていますね」

メールでのやり取りは候補者にとって企業との最初のタッチポイントとなります。神保さんはその内容にこだわるだけでなく、候補者ファーストを何よりも大事にして「即レス」を実践しているのです。こまめな連絡や面談後のフォローに加え、面談前の準備についてもお伺いしました。

「面談は人事にとって最初の勝負の場所なので、魂を入れて臨んでいます。 準備では、候補者のキャリアから仮説を立てるようにしています」

候補者がなぜ転職したいと思ったのか。現在の職場でどのような課題を感じ、転職先の企業に何を求めているのか。神保さんは、こうした仮説を事前に立ててから面談に臨んでいるそうです。候補者のニーズや課題感に合わせて、会社の訴求ポイントを変えていく必要があると神保さんはいいます。

「例えば、候補者が『現在の職場の社風が合わない』と考えていれば、面談ではどのような社風を求めているか引き出しながら、セブンデックスの社風・カルチャーと重なる点をお伝えします。反対に、安定した環境を求めて転職されている方であれば『セブンデックスより良い環境があるかもしれない』とお伝えすることもありますね。弊社にはスタートアップならではの成長・挑戦機会があり、それを求める人の方がいきいきと活躍できると考えているためです。

仮説がズレていて候補者のニーズに合わない形でセブンデックスの魅力を伝えてしまうと、辞退になる可能性もあります。決まった型があるわけではなく、候補者一人一人に向き合って仮説を考えているので、正解がない分採用活動で1番悩むところでもありますね」

夕方~退勤

「夕方には、人材紹介のエージェントと打ち合わせを行います。夜に面談が入ることも多いので、その対応をして退勤というのがおおまかな1日のスケジュールになります」

神保さんはスカウトメールの作成や面談、その準備やアフターフォローと、一日を通して候補者と向き合っていました。やることが無数に湧いてくるため、人事は忙しくしようと思えばいくらでも忙しくできると神保さんはいいます。

「そのため、週3日の出社するタイミングで採用達成に向けて思考するための時間を作っています。あらかじめ共有カレンダーにも予定を入れ、面談などを設定しないようにしていますね。大体午後3時から5時ぐらいまででしょうか。対応に追われるだけの仕事にならないように、組織の未来に向けて必要な施策やコンテンツを考えるための時間を意識的に捻出しています」

多忙を極める毎日でも、人事は目の前の業務に対応するだけでなく、未来の採用戦略や組織づくりについて考えていかなければならないのです。

採用と組織づくりの循環! ~社内メンバーとのかかわり~

神保さんは人事としては一人ですが、社内には採用に協力的なメンバーがたくさんいるといいます。正解がなく多忙な採用活動のなかで、神保さんはどのようにメンバーと連携をとり、候補者と向き合おうとしているのでしょうか。

「私は主に、選考前の面談で候補者と関わります。その後選考に進む際に『もう少し現場のことを知りたい』という要望があれば、現場メンバーとの面談を設定します。他にも選考途中に候補者の懸念が見えたことでより現場を知ってほしいとなったときや、オファー後のタイミングなどでメンバーと候補者が話す機会を設けていますね」

社内メンバーとの連携も、候補者ファーストのもと候補者の不安や懸念点を解消するために行われます。ただ、社内メンバーとの連携においてうまくいかなかったこともあるようです。

「候補者の情報をメンバーに伝える際、同時に『候補者はこう感じていると思う』と私の立てた仮説も伝えるようにしています。ただ、『それって本当?』と突っ込まれることがあるんですね。同じ候補者のキャリアや発言でも、解釈の仕方によって様々な仮説が立てられるからです。セブンデックスでの選考体験がどうすれば候補者にとって実りあるものとなるか、メンバーと議論しながら考えています」

とはいえ衝突が起こることはなく、とてもいい雰囲気でディスカッションができていると神保さんはいいます。企業によっては採用担当と事業部との連携が上手くいかず、「忙しいから採用活動には関わりたくない」と拒否されることもあるようですが、セブンデックスではなぜメンバーが採用に協力的なのでしょうか。

「採用活動がセブンデックスの事業、ひいては組織そのものを成長させることはメンバー全員が知っていますし、月1の全社会で常に伝えるようにもしています。また私だけではなく、代表自らが組織づくりへの想いや考えを毎週の全社朝会でメンバーに伝えています。そのためありがたいことに、採用にかかわりたくない、といった対応をするメンバーがいないんですね。そもそも弊社には、組織作りや自分たちの事業を大きくすることへ関心が高い人や、協力的な人が集まっています。だからこそ、社内で連携しながら採用活動を進められているのだと思います」

セブンデックスではカルチャーが合う人を採用しているため、組織づくりのための採用活動に協力的なメンバーが必然的に集まっていたのです。ここには、採用→組織づくり→採用の理想的な循環が伺えます。

提案ではなくディスカッションを! ~人材営業へ求めること~

続けて神保さんに、採用活動をするうえで人材営業に求めていることを尋ねました。そこで理想として浮かび上がってきたのは、社内メンバーと同じように事業・組織の成長を考え、ディスカッションしてくれるエージェント像でした。

「採用活動は事業・組織を成長させるとても重要なものだと考えています。採用して終わりではなく、採用した候補者が活躍し、会社を牽引するメンバーになっていくからです。人材営業のエージェントにはそのことをわかっていてほしい。

弊社の事業や組織、採用戦略を理解していれば、ただ人材や採用サービスを提案するだけのミーティングにはならないと思います。『セブンデックスの事業戦略や採用ターゲットから、こういう施策を打つ必要がありますがいかがですか』といったディスカッションができるはずです。人材業界の方は市場や競合に関する色々なデータを持っていると思うので、それを活用したディスカッションができればなお嬉しいですね」

神保さんは印象に残っている人材営業として、あるエージェントのエピソードを話してくれました。そのエージェントは、内定辞退の可能性が高い候補者にも向き合ってリアルな想いを伝えてくれたといいます。

「『候補者の方は今こういうお気持ちなので、こんな情報を出していきませんか』と最後まで提案を続けてくださり、今後の学びにもなる有意義なディスカッションができました。最終的にその候補者は辞退となってしまいましたが、これからもそのエージェントにお願いしたいと思えるきっかけになりましたね」

新入社員へのメッセージ

最後に、人材業界の新入社員に向けてのメッセージを伺いました。

「事業内容やビジネスモデル、市場についてなど、最初はわからないことだらけだと思います。不安になると思いますが、 わからないことは臆せず聞いてほしいです。単純に聞くよりも、『こう考えているんですが合っていますか?』というように仮説とセットで質問してくれるといいですね。こちらとしてもわからないことは正しく伝えたいですし、その方がより自社のことを知ろうとしてくれているんだなと伝わります。

また、言葉にこだわることも意識してみてください。たとえば『課題解決』という言葉も会社によって定義が違うことがあります。人事がどういう意図・ニュアンスでそのキーワードを使っているか考え、認識を擦り合わせてほしい。同時に、自分が話す言葉や伝え方に対してもこだわりを持ってもらいたいなと思います」

言葉1つ、ニュアンス1つが候補者に与える印象は大きいため、採用はとてもセンシティブな仕事だと神保さんはいいます。

「候補者がセブンデックスに入社するかどうかに関係なく、その方のキャリアを一緒に考える人として信頼関係を築いていきたいと思っています。 だからこそ、言葉やニュアンスにこだわって候補者のことを考えていきたいんです。同じような気持ちを持った営業の方とディスカッションができればとても嬉しいですね。

最後には『うちの人事になってほしい』と言われるような営業担当を目指してもらえればと思います。頑張ってください!」

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