
株式会社タイミーの2025年10月期第2四半期決算が発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて分析・解説し、人材業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!
2025年10月期第1四半期
2025年10月期第2四半期(当記事)
2025年10月期第3四半期(9月頃発表予定)
2025年10月期第4四半期(12月頃発表予定)
タイミーの今期決算について、売上高や純利益の増減率とその要因をグラフィックで一目でわかるようまとめました。

タイミーはスキマバイトサービス「タイミー」の単一セグメントで事業を展開しており、セグメント別の業績開示は行っていません。

深刻な人手不足を背景に物流・小売業界を中心にアクティブアカウント数が引き続き堅調に増加し、第2四半期累計での流通総額は前年同期比+34.8%の565億円に拡大しました。
アクティブアカウント数:月に少なくとも1つの求人を掲載したクライアント事業所数
流通総額:クライアントからワーカーに支払われる給与+交通費
また、2025年4月末時点での登録ワーカー数は1,125万人、登録クライアント事業所数は36万9千拠点を突破しました(決算短信,p.2)。不正利用対策に係るコストを計上しつつも引き続き適切なコストマネジメントを実施し、利益も大幅に増加しました(決算説明資料,p.3)。
結果、第2四半期累計の売上高は164億円(前年同期比+32.2%)、営業利益は32億円(+89.9%)、純利益は25億円(+165.8%)となりました。
通期の業績予想は2024年10月期通期決算で公表した内容から変更はなく、売上高343億円~357億円(前期比+28.0%~+32.8%)、営業利益は60億円~67億円(+41.3%~58.0%)、純利益は43億円~49億円(+56.7%~76.3%)での着地を見込んでいます。
今回は、タイミーのIR担当者に今期決算資料の注目トピックについて話を伺いました。

2025年10月期第2四半期(単体)は、売上高は78.1億円(+28.0% YoY)、営業利益は18.5億円(+60.8% YoY、営業利益率 23.7%)と増収増益。売上高が業績予想を下回った一方、営業利益は業績予想レンジの上限を超過して着地しました。

飲食業界のYoY成長率が初めてマイナス入りするも、月次推移では反転の兆しが出ています。

多くの人手を必要とする物流・食品製造業界では、スポットワーカーの数が増えることにより、当日の受け入れ業務が現場の負担に。リーダー社員の配置、受け入れサポーターの育成を始めとする様々なソリューションを通じて現場の受け入れ負担を軽減することで、1拠点当たりのタイミーの浸透率を上昇させていきます。

物流・食品製造業界で進んでいる受け入れ負荷軽減プロジェクトは、トライアル導入の拠点で募集人数がYoY3.8倍成長といった大きな実績を残しており、年度末の繁忙期に向けて下期は導入を加速していくとしています。

また、タイミーは2023年5月、「タイミー教育協力店舗」として「アルバイト全員がスポットワーカー」がコンセプトの居酒屋「THE 赤提灯」をオープンしました。
赤提灯ではオープン以来マッチング不足による営業時間や客席の減少は一度もなく、総稼働に占める平均稼働率は94%、リピートスポットワーカーの稼働割合も51%と高い水準を維持しています。

そしてタイミーは2025年4月10日、ワタミグループの子会社であるWATAMI FAST CASUALと株式会社と業務提携し、赤提灯で蓄積したノウハウを活かした「従業員全員スポットワーカー」モデルに加え、店長・社員と従業員の全員を、現場リーダーとして社員採用されたタイミー社員やタイミーアプリを通じてマッチングしたスポットワーカー(雇用主はタイミー社)によって構成する「フルタイミー」モデルで「サブウェイ」店舗の運営を行っていくと発表しました。
店長・社員と従業員の全員を、現場リーダーとして社員採用されたタイミー社員やタイミーアプリを通じてマッチングしたスポットワーカー(雇用主はタイミー社)によって構成する店舗運営モデル

最初の取り組みとして、同日オープンした「サブウェイ ヨコハマベイサイド本店」では従業員全員スポットワーカーのパターンBが、2025年4月24日にオープンした「サブウェイ 新宿小田急ハルク店」ではフルタイミーのパターンAでの営業が開始しています(出典:株式会社タイミー)。
タイミーは飲食業界のYoY成長率が初めてマイナスに転じたものの、物流・小売業界を中心にアクティブアカウント数や流通総額は引き続き大きく拡大。全体では売上高が前年同期比+32.2%、営業利益が同+89.9%と非常に高い伸びを示しており、業績は依然として好調です。
また、人手不足解消に向けた新しい取り組みも次々と始まっています。居酒屋「THE 赤提灯」のノウハウを活かし、ワタミとの業務提携による「フルタイミー」モデルを導入するなど、新たな店舗運営モデルを通じて飲食業界における課題解決にも積極的に挑戦しています。
物流・食品製造業界では、受け入れ負荷軽減プロジェクトが現場でのスポットワーカーの受け入れ環境を改善し、募集人数が前年同期比3.8倍に伸びる成果を出しました。年度末の繁忙期を控える下期には、この取り組みをさらに加速させていく予定です。
こうした取り組みが進展すれば、物流・製造・飲食業界だけでなく、あらゆる分野で柔軟な働き方が拡大し、現場の運営体制の多様化も期待されます。タイミーが提示する新たなスポットワークの可能性に、HRog編集部では引き続き注目していきます!
2025年10月期第1四半期
2025年10月期第2四半期(当記事)
2025年10月期第3四半期(9月頃発表予定)
2025年10月期第4四半期(12月頃発表予定)