
株式会社ワンキャリアの2025年12月期第2四半期決算が発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて分析・解説し、人材業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!
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ワンキャリアの今期決算について、売上高や純利益の増減率とその要因をグラフィックで一目でわかるようまとめました。

ワンキャリアは、キャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントで事業を展開しており、セグメント別の業績開示は行っていません。

キャリアデータプラットフォームとは、仕事選びに関する多様なデータを収集・可視化し、個人と企業が自由に活用できるプラットフォームです。ワンキャリアは企業情報や口コミ、求職者の経歴・職歴などを同プラットフォームで一元管理しています。

そのキャリアデータを中心にしたキャリア選択や採用活動を推進することで、同社はミッションの「人の数だけ、キャリアをつくる。」ことの実現を目指しています。
同事業では、企業向けの採用支援や求職者向けのキャリア情報提供サービスを展開しています。
就活求人情報サイト「ワンキャリア」
転職求人情報サイト「ワンキャリア転職」
新規取引先との接点拡大により、法人取引累計社数は5,204社(前年同期比43.3%増)まで増加しました。また求人掲載サービスやスカウトサービスの販売強化により、累計会員数は2,171千人(前年同期比18.1%増)と顧客基盤も着実に拡大しています。
その結果、売上高は40.12億円(前年同期比44.8%)となりました。利益面では、売上高の増加に対して費用の増加が抑えられており、営業利益13.6億円(前年同期比49.3%)、純利益は9.6億円(前年同期比 +50.3%)と過去最高の四半期営業利益となっています。
業績予想に変更はありません。
同社は商品ポートフォリオの拡充や顧客満足度の向上による継続的なプロダクトの改善を行っていき、2025年12月期の業績予想は売上高74億円(前期比 +37.5%)、営業利益18億円(前期比 +43.3%)、純利益13億円(前期比 +41.7%)での着地を見込んでいます。
今回は、ワンキャリアのIR担当者に今期決算資料の注目トピックについて伺いました。

第2四半期は売上高・営業利益ともに、前年同期比から大きく成長し、通期業績予想に対しても順調に進捗しております。営業利益については通期業績予想の73.4%にまで達しました。また、事業方針に沿った施策を着実に実行し、KPIも順調に進捗しております。

第2四半期の売上高・営業利益は、ともに四半期業績としては過去最高となりました。求人掲載・スカウトが成長を牽引したほか、採用した営業人員の立ち上げが順調に進み、営業力が強化できたことで、順調に進捗しました。下期は、人員の拡大および営業・マーケティング活動を中心に投資を継続してまいります。

法人取引累計社数の5,000社突破、アドビとの取り組みのさらなる拡大、省庁・地方自治体といった行政案件の受注、国内3カ所目の営業拠点・名古屋営業所の開設等、多くのトピックスがありました。

HR総研による「26卒の理系学生が最も活用した就職サイト」の調査で、ワンキャリアが初めて1位となりました(文系は2位)。また、有名大学を中心に就活生のシェアも拡大しており、約3人に2人の就活生がワンキャリアを利用しています。

同社は2025年8月18日で10周年の節目を迎えました。代表の宮下氏は、プレスリリースの中で次のようにコメントしています。
この10年で、働き方やキャリアに対する価値観は大きく変化し、かつて痛感した「地域や学校による情報格差」は、インターネットやSNSの普及により徐々に縮まりつつあります。一方で、日本が直面する深刻な人材不足や、人生100年時代における「自分にとっての最適なキャリア」など国・企業・個人の新たな課題が生まれています。今後も、一人ひとりが心から納得してキャリアに関する意思決定ができる社会を実現し、その意思決定をキャリアデータで後押しする存在でありたいと考えています。

また10周年を迎え、より親しみやすいカタカナの「ワンキャリア」としてブランドを統一。新卒向けサービス名は「ワンキャリア」、中途向けサービスは「ワンキャリア転職」となります。

そして2025年8月21日には、大学生活支援アプリ「CAMPUS REACH」を運営する株式会社ライトローズの株式82.2%を追加取得し、完全子会社化することを決議しました。 この取得により、ワンキャリアは学生の大学生活から就職活動まで一貫したサポートが可能となり、クライアント企業と学生ユーザーの最適なマッチングを加速させることを目指します。
ワンキャリアは第2四半期に過去最高の四半期営業利益を達成し、法人取引社数や会員数の拡大などで事業基盤をさらに強化しました。有効求人倍率が1.24倍(2025年5月時点)と人材需要が堅調に推移する中、企業の採用DXニーズを的確に捉えたキャリアデータプラットフォームが成長を牽引しています。
また、政府機関や自治体へのデータ提供や事業採択を通じ、キャリアデータの価値提供を公的領域にも広げています。学生生活支援サービスの買収など、事業領域を広げる動きも加速。10周年を機にブランドを刷新し、キャリアデータを通じた社会的インパクトの拡大を目指しています。
HRog編集部では、引き続き「人の数だけ、キャリアをつくる。」を掲げるワンキャリアの取り組みに注目していきます!
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