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【HRog決算解説】株式会社TWOSTONE&Sonsの2025年8月期通期決算から見える人材業界の最新トレンドは?

株式会社TWOSTONE&Sonsの2025年8月期通期決算が発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて分析・解説し、人材業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!

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一目でわかる! 決算情報のグラフィックまとめ

TWOSTONE&Sonsの今期決算について、売上高や純利益の増減率とその要因をグラフィックで一目でわかるようまとめました。

TWOSTONE&Sonsの今期決算では、主力のエンジニアマッチング事業が堅調に推移し、売上高は前期比26.5%増の180億円を達成。営業利益は前期比72.7%増の8.1億円となり、創業以来12期連続増収を記録しました。将来の成長を見据えた正社員エンジニアやコンサル人材の採用投資を積極的に実施し、中長期的な事業拡大に向けた基盤を構築。4件のM&Aも実行し、事業領域の拡大を推進しました。

もう少し詳しく! 今期セグメント別の業績は?

TWOSTONE&Sonsの今期決算について、主に決算短信をもとにセグメント別の業績や業績予想について詳しくまとめました。

出典元:決算説明資料(p.27)

エンジニアプラットフォームサービス

企業とフリーランスエンジニアをマッチングするMidworks事業を中心に、システムの受託開発やエンジニア組織のコンサルティングを行うFCS事業、ITエンジニア特化型転職支援サービスのStars Agent事業、プログラミング教育やコーチングサービスを提供するSchool事業などで構成されるセグメントです。

今期は主にMidworks事業において、前期に引き続き新規取引先の獲得に注力するとともに、稼働エンジニア数を増加させるための施策として、エンジニア獲得・顧客獲得のための広告投資のほか、内勤の営業人材の採用および教育に関する投資を積極的に行いました。

また、Midworks事業の拡大に向けた取り組みとしてエンジニア派遣事業を本格的に始動し、正社員エンジニアの採用投資も積極的に実行。第4四半期だけで正社員エンジニア53名、コンサル14名を採用し、前年同期比796.2%増となる大規模な採用を実施しました(決算説明資料,p.7)。

その結果、本報告セグメントの売上高は157億円(前年同期比23.5%増)、セグメント利益は11.4億円(前年同期比4.3%増)となりました。売上高は順調に成長した一方、セグメント利益の伸びが抑制されたのは、採用投資を中心とした戦略的投資を積極的に実施したためです。採用コストは通期で4.9億円と前年比155.4%増となりましたが、これらの投資は来期以降の収益拡大に寄与すると見込まれています(決算説明資料,p.4)。

マーケティングプラットフォームサービス

WEBマーケティングコンサルティングサービスを提供するDigital Arrow Partners事業、クローズドASPサービスであるASP事業、フリーランスマーケターをマッチングするExpert Partners Marketing事業、BtoCプラットフォーム事業で構成されるセグメントです。

今期は、WEBマーケティング全般のコンサルティングへとサービスの拡充を行った結果、受注が堅調に伸びました。本報告セグメントの売上高は4.5億円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益は0.4億円(前年同期比20.9%増)となりました。

コンサル・アドバイザリーサービス

株式会社enableX、SAICOOL株式会社、株式会社アスピレテックコンサルティング、株式会社Nofty Consulting、株式会社Minatoが行う戦略コンサルティング事業、株式会社M&A承継機構によって運営されるM&Aアドバイザリー事業で構成されるセグメントです。

今期は、それぞれの領域において業界経験が豊富な人材を中心に採用を行い、事業拡大を推進しました。また、戦略コンサルティング領域においては当連結会計年度中に4件のM&Aを実施し、株式会社enableXを中心とした提供サービス内容と体制の強化を図っています。

その結果、本報告セグメントの売上高は18.6億円(前年同期比80.3%増)、セグメント利益は4.8億円(前年同期比72.2%増)となり、売上・利益ともに大幅な成長を記録しました。

来期の業績予想について

TWOSTONE&Sonsは2026年8月期の連結業績予想として、売上高241億円(前期比33.8%増)、営業利益13.2億円(前期比61.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6.6億円(前期比33.6%増)を見込んでいます。

売上・営業利益とも大幅な成長を計画しており、既存事業の成長を加速させるとともに、M&Aによる非連続的な成長を加えることでさらなる飛躍的な成長を目指すとしています(決算説明資料,p.33)。

IR担当者に聞いた! 今期決算資料の注目トピックは?

今回は、TWOSTONE&SonsのIR担当者に今期決算資料の注目トピックについて伺いました。

出典元:決算説明資料(p.4)
TWOSTONE&Sons
IR担当者
TWOSTONE&Sons IR担当者

通期業績は、前年比26.5%増の18,077百万円、売上・売上総利益ともに創業以来の最高値更新を継続しています。
採用投資を中心に積極投資を行い販管費が大幅に増加しましたが、営業利益は前年大幅に上回る着地です。

出典元:決算説明資料(p.7)
TWOSTONE&Sons
IR担当者
TWOSTONE&Sons IR担当者

下半期以降は正社員エンジニアとコンサル人材の採用を強化しました。この採用により、上流のコンサル強化を行うとともに、採用した正社員エンジニアとフリーランスエンジニアを組み合わせたチーム型提案を進めていきます。

出典元:決算説明資料(p.34)
TWOSTONE&Sons
IR担当者
TWOSTONE&Sons IR担当者

2026年8月期も前年比6,104百万円増(前年比33.8%増)、営業利益も前年比60%超と大幅な成長を計画しています。
主力のエンジニアマッチング事業に加え、コンサル・アドバイザリーの業績貢献も見込んでいます。

HRog編集部の今期決算注目ポイント

出典元:決算説明資料(p.58)

2023年6月1日よりホールディングス体制に移行し、Branding Engineerから社名変更したTWOSTONE&Sonsは、自社成長による上流工程への領域拡大と、M&Aによる技術分野および提供手法の拡大を目指しています。

第4四半期においては、M&Aの案件検討数は224件となり、前年同期より22件増加しました(決算説明資料,p.35)。

出典元:決算説明資料(p.36)

主力のエンジニアプラットフォームでは、正社員エンジニアの採用を強化し、新たに派遣事業も立ち上げました。来期は構築した組織基盤を活かし、フリーランスと正社員エンジニアのハイブリッドチームによる提案で顧客への提供価値を高めていきます。

まとめ~人材業界の最新トレンドは?~

今期のTWOSTONE&Sonsは、売上高180億円(前期比26.5%増)、営業利益8.1億円(同72.7%増)と好調な決算を記録し、12期連続の増収を達成しました。その一方で、正社員エンジニアやコンサル人材の採用を強化し、来期以降を見据えた投資を積極的に進めています。

フリーランスと正社員を組み合わせたハイブリッドチーム体制を築き、大手企業のDX案件にも対応できる体制を整備。さらに、コンサルティングやAI領域のM&Aを通じて、戦略立案から実装までをカバーする総合的な支援体制へと進化しています。

フリーランス市場の拡大が続く中で、「エンジニアマッチング」から「専門人材による総合支援」へと事業の幅を着実に広げるTWOSTONE&Sons。HRog編集部では引き続きその動向を追っていきます!

【参考URL】

TWOSTONE&Sons2025年8月期通期 決算短信
TWOSTONE&Sons2025年8月期通期 決算説明資料