
ギークス株式会社の2026年3月期第2四半期決算が発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて分析・解説し、人材業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!
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ギークスの今期決算について、売上高や純利益の増減率とその要因をグラフィックで一目でわかるようまとめました。

会社の業績として売上高は128.9億円(前年同期比5.8%増)、営業利益は4.3億円(同126.2%増)と大幅に伸長しました。第2四半期単体でも売上高65.1億円、営業利益2.5億円と好調に推移しています。営業利益率は前年同期の1.8%から3.9%へと2.1ポイント上昇し、生産性向上と費用コントロールの成果が表れる結果となりました。
全てのセグメントで業績が好調だったことを受け、10月27日に連結業績予想の上方修正を開示しました。通期売上高は266億円(据え置き)、営業利益は8億円(プラス1億円)を計画しています。
ギークスの今期決算について、主に決算短信をもとにセグメント別の業績や業績予想について詳しくまとめました。
国内IT人材事業は、主にITフリーランスおよび正社員エンジニアと企業とのマッチングサービスを提供しているセグメントです。
今期の事業は堅調に推移しました。ITフリーランス領域において新規取引企業数が伸長したことや、企業とフリーランスを直接マッチングする「ギークスダイレクト」が好調に推移したことが業績に寄与しています(決算短信,p.2)。
生成AIを活用した業務効率化にも重点的に取り組んでおり、情報入力工数の削減やデータ活用の自動化など、生産性向上に繋がる各種施策を進めています。さらにAI活用とAI教育を推進し、「知識集約型」のビジネスモデルを構築すべく先を見据えた事業体制作りを進めています(決算短信,p.2)。
この結果、第2四半期累計売上高は82.4億円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は6.7億円(同13.3%増)となりました。
海外IT人材事業は、主にオーストラリアでIT人材に特化した人材派遣・人材紹介サービス、顧客の人材調達から契約に至る一連のプロセスを包括的に行うMSPサービス等を展開しています。
今期は経営体制の見直し、各固定費の圧縮、営業注力するセグメントの見直し等を行い、利益率の改善を進めています。
この結果、第2四半期累計売上高は44.2億円(前年同期比2.8%減)となりましたが、セグメント利益は2,100万円(前年同期はセグメント損失9,400万円)と大きく黒字転換しました。
Seed Tech事業は、日本とフィリピンに拠点を構え、IT人材の育成を軸としたオフショア開発受託、IT留学、SaaS型DX/IT人材育成サービス「ソダテク」などを提供しています。
今期より中小企業向けデジタル人材提供サービス「DX職-デジショク-」の提供を開始しました。デジタル人材不足により、DXやAIの活用が思うように進んでいない中小企業をサポートすることで、「IT人材不足」という社会課題を解決していくとしています。
オフショア開発における受注や、デジタル留学が好調に推移したことで会社計画を上回り着地しました。この結果、第2四半期累計売上高は2.4億円(前年同期比50.4%増)、セグメント利益は3,700万円(同1,065.0%増)となりました。
全てのセグメントが好調なことから、ギークスは2025年10月27日に2026年3月期の連結業績予想を上方修正しました。修正後は売上高266億円(前期比5.7%増)、営業利益8億円(同61.4%増)、経常利益7.7億円(同55.7%増)、純利益5.5億円を計画しています。
今回は、ギークスのIR担当者に今期決算資料の注目トピックについて伺いました。

主力事業の国内IT人材は引き続き堅調に推移しています。また、2Qでは海外IT人材の業績が改善し、通期の営業利益計画を期初比プラス60百万円に上方修正しました。また、Seed Techもデジタル留学やオフショア開発が好調に伸びており、全体として良い流れとなりました。

これまでも国内IT人材でAI活用を積極的に推進してきましたが、現在、統合型AIエージェント「ギークスAI」を開発しています。AIで業務を効率化し、さらにトッププレーヤーの行動学習を解析することで、営業スキルを個人のノウハウに留めず、組織の仕組みへと進化させていきます。

当社が「ギークスAI」の開発やAI活用を通して目指しているのは、人材業界のビジネスモデルそのものを中長期的に変革することです。生産性や利益率の向上のため、様々な取り組みを実施していますので、今後の展開も引き続きご期待ください。

「AIとはたらく、AIでつなぐ」をコンセプトとした「ギークスAIステートメント」を策定しました。従業員との対話を通じ、AIと共創する組織マインドセットの醸成に取り組んでいます。
策定の背景には、AIの急速な進化により人が介在する本質的な価値が改めて問われる状況があります。ギークスはAIを人材エージェントの使命をより深く果たすための戦略的共創パートナーと位置づけ、全ての業務を「AIと人が掛け合う設計」に組み換えています。
目指す姿は、人材ビジネスのスタンダードそのものをアップデートし、業界変革を牽引することです。「AIと人との共創」によって、より効率的かつ高付加価値なサービスの提供を目指しています。

その中長期構想の実現に向け、統合型AIエージェント「ギークスAI」の開発や、AI活用度合いを人事評価項目に設定し、業務プロセスにAI活用を組み込むことで、成果を上げるにはAI活用が必須となる構造を構築しています。
ギークスは2024年3月期末にゲーム事業の株式譲渡を実行し、IT人材領域に特化したことで着実な利益回復を達成しました。今期はその成果が明確に現れ、営業利益が前年同期比126.2%増と2倍超の伸長を記録しています。
また「ギークスAIステートメント」の策定と統合型AIエージェント「GEECHS AI」の開発により、人材ビジネスの労働集約型から知識集約型への転換を推進。AI活用を人事評価に組み込むなど、組織文化の変革にも着手しています。
従業員数は2023年3月期の444人をピークに294人まで減少しましたが、AI活用等により生産性を意識した組織作りを継続する方針です。人材業界において、テクノロジーを活用した効率化と高付加価値サービスの提供が今後の成長の鍵となるかもしれません。
AIステートメントを策定し、さらなる成長に向け加速しつづけるギークス。HRog編集部では引き続きその動向に注目していきます!
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【参考URL】
ギークス26年3月期第2四半期 決算短信
ギークス26年3月期第2四半期 決算説明資料
業績予想の修正について
