採用市場を徹底攻略!求人ビッグデータを活用した営業・採用支援の方法とは

求人広告ビッグデータとは、人材系企業の皆さんが普段制作し、クライアントに納品している求人原稿を大量に収集、整形・加工し、分析可能な形に整理したデータセットのこと。

採用市場での競争が激化する中、データを活用した意思決定がますます重要になっています。そこで本記事では求人ビックデータを活用する方法とそのメリットについて解説。さらに、弊社が展開するHRogチャートを使って得られる具体的な成果を事例を交えてご紹介します。データを味方につけた営業で、一歩先を行く採用支援を実現しましょう!

求人データを活用した採用戦略の重要性

世の中に掲載されている求人広告をデータ化し活用することで、例えば以下のようなことができます。

  • エリア・職種ごとの求人数を分析し、人材不足や過剰供給の状況を把握。採用活動の優先順位を決定する。
  • 給与水準や福利厚生のトレンドを把握、求職者にとって魅力的な条件を提示し、応募率を向上させる

このように、求人広告データを活用することで、単なる募集活動にとどまらず、より戦略的かつデータドリブンな人材採用が可能になります。

ここでは求人データ活用のノウハウについてお伝えする前に、なぜ今「求人データに基づいた採用戦略」が求められているかを解説します。

「営業として提案力を向上させたい」「データドリブンな採用がどんなものか知りたい」という方はぜひご覧ください。

人口減少による「出口の見えない採用難時代」に突入

2024年10月の帝国データバンクの調査によると、正社員が「不足」と感じる企業は全業種の51.7%にのぼるなど、日本の採用市場は深刻かつ慢性的な人手不足に直面しています。

出典:帝国データバンク

さらに、2022年時点で6,902万人だった労働人口は、2030年には6,556万人、2040年には6,002万人にまで減少すると予測されています。こうした人口動態の変化は企業の採用活動に大きな影響を与えています。

人材業界の営業部門のDXが進まない

「未曾有の採用難」という課題を前に、採用部門では業務のオンライン化やデータ活用などDX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化を進めています。

さらに、自分の都合やスケジュールに合わせて仕事ができる「スポットワーク」が浸透したり、「Indeed PLUS」など新たな採用プラットフォームが誕生したりと、日本の採用のあり方は今まさに大きな変化を迎えつつある状況です。

しかし企業の採用を支援する人材業界の営業部門では、依然としてDXが進まず、これまでの経験や直感に頼る提案が少なくありません。その結果、企業としての信頼性や競争力が損なわれるケースが増えているのです。

なぜ今、人材営業に「求人データの活用」が必要なのか?

クライアントからの信頼を獲得するには、営業担当の提案力向上が重要。しかし急速に人口減少が進む今、過去の経験に基づいた提案は「今の採用市場」で通用しないことも多く、説得力に欠けるものになりがちです。

そこで求人データを活用し、最新の市場動向を根拠に提案を行うことで、クライアントからの信頼を勝ち取りやすくなります。

さらにデータを基盤とした営業スタイルは再現性も高く、「人柄」「経験」といった属人的な要素に頼らない営業組織づくりにも活かしやすいです。

さまざまな採用サービスが誕生し競争が激化する人材業界において、「営業部門の求人データの活用」はますます重要性を増していると言えるでしょう。

求人データを活用した採用支援の例

ここまで求人データ活用の重要性を説明しましたが、データ活用によってどう提案の質が上がるのか、イメージが掴めないという人も多いのではないでしょうか。

ここでは、採用支援において求人広告データをどのように活用できるのか紹介します。

既存クライアントのフォローに繋がる市場データの提供

既存クライアントのフォローでは、採用担当者の助けになる情報提供が求められます。データを活用することで、どんな情報を伝えられるのでしょうか。

①競合企業の出稿頻度や掲載ボリュームの推移

まず、週次・月次など一定の頻度で求人メディアのデータを取得することで「各企業が」「どの媒体・出稿プラン」「どのくらいの頻度」で出稿を行っているかを可視化できます。

特にクライアントがベンチマークしている採用競合の出稿状況の変化は、自社の露出先や媒体戦略を見直すきっかけにもなります。

こうした競合企業のリアルタイムな動きを伝えることで、その後行う広告出稿計画の提案にも説得力が増すでしょう。

②競合企業の求人内容や企業情報の書き方

同じエリア/同じ職種で募集している他の求人データを示し、競合企業がどんな内容で出稿しているか伝えるのもよいでしょう。

「フルリモート可」「社割あり」「未経験歓迎」など特徴的なキーワードを紐解きながら、競合がどのような条件や特徴をアピールしているかを知ることで、原稿改善に活かすことができます。

③時給や待遇の相場

時給や待遇の面で採用競合に見劣りしている場合は、給与レンジの改訂や福利厚生の見直しの提案が必要になるかもしれません。

こうした場面で役立つのが、職種別の平均賃金やエリアごとの給与相場といった客観的な求人データ。それらを提示することで、待遇改善を提案する際にも納得感を持ってもらいやすくなります。

新規営業のためのリサーチ

求人データは既存顧客のフォローだけではなく、新規顧客を獲得するための提案にも活用できます。

①商談先企業の分析

商談前に、商談先が出稿している媒体や件数・金額・職種といった求人データをあらかじめ把握しましょう。

商談前に企業のリサーチを行うことで、いざ担当者と話したときに会話が噛み合わないという事態を防ぐことができます。

自社サービスとの相性を見極めるうえでも、こうしたリサーチは欠かせません。

②商談先の競合分析

提案時には商談先の求人と同職種・同エリアで募集している採用競合をリサーチし、バイネームで把握しておくと便利です。

そこから給与や特徴を比較し、優位性や差別化要素を見つけることで、採用ターゲットや訴求ポイントなど提案の方向性をスピーディーに固められます。

③適正給与の調査

求人データの有用な活用方法として、クライアントとの期待値調整があります。

どんなに媒体力が強く、魅力的な文章が並ぶ原稿であっても、待遇が見劣りする求人はなかなか応募が集まりにくいもの。

そこで採用競合の平均給与を確認し、商談先の待遇が採用競合に劣っていないか検証しておくと「どのくらい応募が集まりそうか」という期待値をおおまかに把握できます。

応募数の期待値を調整する際には、商談時に競合の給与や待遇を合わせて示すことで、クライアントからの納得感も得やすくなります。

求人データ取得の具体的な方法

新規営業の提案から既存顧客のフォローまで、幅広いシーンで使える求人データ。これらのデータはどのようにして集めればよいのでしょうか。

クローリングシステムを自社で構築する

クローリングシステムとは、インターネット上のWebサイトを巡回して情報を自動で収集するクローリング技術を用いた仕組みのこと。

大量の情報を効率よく収集でき、打ち間違いなどヒューマンエラーの削減できるのがメリットです。

ただし、大量のデータを取得するには複雑なシステムが必要で、システム構築だけではなく、エラー発生やメンテナンス対応に一定のコストがかかります。

求人サイトを見てエクセルに手打ちしていく

求人サイトを訪問し、特定の条件の検索結果から求人情報をコピー&ペーストしてまとめる方法です。

小規模の調査であれば工数も大きくかからず、誰でもできる単純作業なのでアウトソースしやすいのがメリットです。

ただし一つの求人案件に対して「職種」「エリア」「給与」「条件」とさまざまな情報が紐づいているため、取得する情報をリッチにすればするほど集めるのに時間がかかり、担当者の負荷が上がります。

バイトルを見て平均時給を調査する

出典元:ディップ株式会社

バイトル」の求人検索結果一覧の画面では、選択した条件の平均時給を簡単に確認できます。「時給相場のみがわかればよい」という場合は非常に便利です。

ただし、あくまでバイトルに掲載されている求人の平均であり、ほかの求人メディアの情報は含まれていない点に注意しましょう。

求人データ活用の肝「取得」「整形・加工」のハードルを越えるには

求人データを分析し、効果的なインサイトを得るためには「データの取得→整形・加工→分析→インサイトの導出」という一連の流れを踏む必要があります。

しかし「データ量が多い」「媒体ごとにフォーマットがバラバラ」「いつでも掲載や削除、更新がされる可能性がある」といった求人データの性質上、分析の手前となる「取得」と「整形・加工」の段階で大きな壁が立ちはだかります。

この分析前の準備にまつわる課題を解決するには、これらの業務をアウトソースできる外部サービスを活用するのがおすすめです。

HRogチャート」は、時間を取られがちなデータの「取得」「整形・加工」のステップを省き、本来の業務である「データ分析」「求人戦略の検討」に集中できるツールです。約150の求人媒体から蓄積された求人情報ビッグデータを、エクセルのピボットテーブル形式で簡単に分析できます。

例えばバイトルで東京都23区の平均賃金を調査しようとすると、新宿区、千代田区、中央区と1つずつ平均賃金を調べ、スプレッドシート等に入力する工数が掛かります。

HRogチャートを使えば、23区外も含めて最短2クリックでデータを集計・そのままスプレッドシートに結果を貼り付けることが可能です。求人データを自由自在に集計・分析し、採用の意思決定をスピーディーに進められるクラウドサービスとして、多くの求人広告代理店や人材派遣会社で導入されています。

HRogサービスの活用事例をより詳しく知りたい方はコチラ

まとめ

変化の激しい採用市場では、データに基づいた提案がクライアントの信頼につながります。求人ビッグデータを活用すれば、競合の採用状況を把握し、説得力のある提案が可能に。

データを味方につけて、営業・採用支援の質をワンランクアップさせましょう!