2015年9月に「SDGs(持続可能な開発目標)」が国連サミットで採択された。17の目標を達成するために、女性の活躍推進や、子どもの貧困対策など、日本でも様々な取り組みが行われている。Indeed Japan株式会社の調査によると、「SDGs」を含む仕事掲載数は直近5年間で717倍に増加しており、ビジネスにおいてもSDGsへの注目度は高まっている。
株式会社ライボは、同社が運営する「Job総研」において、「2021年 SDGs実態調査」を実施した。
調査結果は以下の通り。
SDGsの認知度について尋ねたところ、92.1%の人がSDGsを知っていると回答し、認知度が非常に高いことが分かった。
SDGsを知った時期については、合わせて63.1%が2019年1月以降に知ったという結果になった。2019年には日本におけるSDGsのアクションプランが見直されたことから、認知度向上に繋がったことが考えられる。また、SDGsを知るきっかけについては「インターネット」が26.4%と最多で、次いで「職場」が25.0%、「テレビ」が15.0%という結果になった。メディアからの情報だけでなく、職場での業務や会話からSDGsを知るケースも少なくない。
現在転職活動中や今後転職をするとなった際に、企業のSDGsへの取り組みが企業選びに影響するか尋ねたところ、「大きく影響する」が11.7%、「やや影響する」が40.2%で、回答者全体の半数を超える51.9%の人が企業選びにSDGsの取り組みが影響すると回答した。SDGsの認知度の高まりとともに、仕事選びにおいても企業の社会貢献度を重視する人が増えているようだ。
企業の社会貢献をどこで判断しているか尋ねたところ、「従業員に対する姿勢」が60.9%と最多で、「ビジネスモデル」が58.8%、「企業理念」が46.1%と続いた。また、企業の社会貢献活動を調べる方法としては、「企業ホームページ」が66.7%と最多で、次いで「企業採用ページ」が53.2%という結果となった。
一方で、SDGsを取り組む企業でどんなことが起きたら残念に思うかという設問では、「取り組みを掲げているものの行動を起こしていない」という声や、「目標や達成度の報告をしていない」などの声が挙げられた。SDGsの取り組み事例をホームページなどに掲載している企業も増えてきたが、「マーケティング手法として『SDGs』というワードを使っているだけではないか」という回答もあった。
求職者にはSDGsを重要視している人が多いことから、SDGsへの取り組みは、企業選びの際に求職者の志望度向上に繋がる可能性がある。また、求職者はSDGsの実施に加えて、企業の目標と行動が一致しているかということにも注目している。実効性の伴った取り組みと情報発信が重要になりそうだ。
調査期間:2021年10月27日~2021年10月31日
調査方法:インターネット調査
調査対象:20人~1000人以上規模の会社に所属しており、1年以内〜10年以上勤務している全国の社会人男女
有効回答数:469人
【参考記事】Job総研による『2021年 SDGs実態調査』を実施 SDGsの認知度9割 半数以上が転職の企業選択に影響