コロナワクチン接種関連の案件応募割合は7月がピーク、レバレジーズメディカルケア株式会社調査

新型コロナウイルスの流行によって、看護・医療業界の人々の労働環境が大きく変化した。ワクチン接種の加速に伴いワクチン接種関連業務の求人が出るなど、求人動向にも動きがあった。

レバレジーズメディカルケア株式会社は、同社が運営する「看護のお仕事」において、新型コロナウイルス感染症拡大前後の求人や給与の推移、看護師の労働環境やストレスなどについて調査した。

調査結果は以下の通り。

コロナワクチン接種関連の案件応募割合は7月がピーク

新型コロナウイルス感染症ワクチン接種関連の案件応募割合について調査したところ、7月がピークとなり、ワクチン接種が開始された5月に比べ4倍以上の案件数となっていることが分かった。

ワクチン接種関連の求人に興味を持った理由について尋ねたところ、「単発可能であったため」が76.0%と最多であった。その他には「高時給のため」「扶養の収入に算定されないため」という意見もあった。ワクチン接種業務の派遣時給の単価は通常業務の求人よりも1000円程度高い傾向があり、収入面を重視して応募する人が多いと考えられる。

コロナ患者に直接関わる業務に従事する看護師の93.7%がストレスを感じている

コロナ患者に直接関わる業務に従事する看護師に、業務でストレスを感じているか尋ねたところ、「強く感じる」が56.9%と最多であった。次いで「やや感じる」が36.8%で、合わせて93.7%がストレスを感じていると回答した。患者に直接関わるため、感染の恐れがあることや、感染拡大が起こり業務量が増大したことが理由として挙げられる。

また、勤務先・施設形態別に見ると、病院は「ストレスを強く感じる」「やや感じる」と回答した看護師の割合が最も高かった。

コロナ患者に直接関わる看護師の53.5%が給与減

新型コロナウイルス感染拡大前と感染拡大後を比べ、給与(賞与を含む)に変化があったか尋ねたところ、「変化なし」が34.5%と最多だった。次いで「10~20%の減額」が24.0%、「10%未満の減額」が16.4%と続いた。給与が減った看護師の割合は全体で53.5%と、回答者の半数以上を占めた。

69.5%の看護師が新型コロナウイルスで業務が多忙になったと回答

新型コロナウイルス感染拡大前と拡大後を比べ、業務が多忙になったと感じるか尋ねたところ、「強く感じる」が35.0%、「やや感じる」が34.5%で、合わせて69.5%の看護師が多忙になったと回答した。感染が拡大し医療がひっ迫したことや、ワクチン接種業務や療養ホテルでの業務などが増えたことが理由として挙げられる。

ワクチン接種関連の求人は単発可能や高時給なものが多いため、他職種から看護師やワクチン接種業務に転職する人が増えていることが考えられる。その一方で本職看護師の給料は上がっておらず、業務量も増加している。回答には「業務は格段に増えたのに人員・コスト削減のため一人で色々な業務をこなさなければならず、かなりのストレス」という意見もあり、感染リスクへの不安のみならず、待遇面でも不満を抱えていることが伺える。ワクチンの3回目接種が予想される中で、短期的な人手確保だけでなく看護師の待遇改善・定着にも力を入れる必要がありそうだ。

調査概要

調査期間:2021年1月26日~2021年2月15日
調査方法:インターネット調査
調査対象:「看護のお仕事」に登録する全国の看護師
有効回答数:1,722名

【参考記事】コロナ禍における看護師の実態をレポート、求人や給与の推移、看護師の労働条件やストレスなどを調査