定期的なキャリアの棚卸しを実施している転職経験者は17.1%、Sansan株式会社調査

近年、終身雇用という考え方が徐々に薄らぎ、「キャリア自律」という言葉に注目が集まっている。社会人には自身のキャリアを主体的に考え、自身の価値を高めていくことが求められている。

Sansan株式会社は、同社が運営するキャリアプロフィール「Eight」において、「転職経験者のキャリア形成に関する意識調査」を行った。

調査結果は以下の通り。

「定期的なキャリアの棚卸し」を実施している人は17.1%

転職経験者を対象に、自身の経歴やスキルを明文化する「キャリアの棚卸し」をしているか尋ねたところ、「定期的にしている」と回答した人は全体の17.1%であった。世代別にみると若い世代ほど実施している人が多く、20代では32.8%の人が「定期的にキャリアの棚卸しをしている」と回答した。

転職経験者の48%がコロナ禍で「転職を考えるようになった」

キャリア形成の手段として転職という選択肢があるが、コロナ禍で以前より転職を考えるようになったか尋ねたところ、21.4%の人が「転職を考えるようになった」と回答した。「どちらかというと転職を考えるようになった」という回答も26.6%あり、合計すると48%の人が転職を考えるようになったことがわかる。

中でも、20代は転職を考えている傾向がより強く、「転職を考えるようになった」と「どちらかというと転職を考えるようになった」の回答を合計すると72.8%となった。

転職を考えるようになった理由を尋ねたところ、全体の48.5%が「勤務先への不安・不満があったため」と回答し最多となった。一方で、世代別にみると20代と30代での回答ではいずれも「多様な働き方が広がってきたため」が最多となり、若い世代は柔軟な働き方を求めて転職を検討していることがわかった。

キャリア形成のためにスキルを身につける機会を定期的に作っている人は15.5%

キャリア形成を目的とし、能動的にスキルを身につける機会を作っているか尋ねたところ、「定期的に作っている」と回答した人は全体の15.5%であった。

世代別でみると「スキルを身につける機会を定期的に作っている」と回答した人が50代では6.4%であったのに対し、20代では28.0%となった。20代では他世代に比べ、キャリア形成に意欲的な姿勢を持っていることがわかった。

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今回の調査では「キャリアの棚卸し」を定期的にしている社会人が少ないことがわかった。また、自分の持つスキルや経験に自信がない人が多い一方で、キャリア形成のために学習する機会を定期的に作っている社会人は全体として少ない。人材業界からも社会人が能動的にスキルを身につけられる機会を創出し、後押ししていくことが重要だ。

調査概要

調査名:転職経験者のキャリア形成に関する意識調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:これまでに転職経験のある20~50代のビジネスパーソン1000名(各250名)
調査期間:2022年5月16日~2022年5月18日
調査企画:Sansan株式会社

【参考記事】Eight「転職経験者のキャリア形成に関する意識調査」~定期的にキャリアの棚卸しをしているのは転職経験者の2割未満、20代転職経験者の7割がコロナ禍で転職を考えるように~