近年、従業員が持つスキル、知識、経験などを資本と捉える「人的資本」の重要性が高まっている。jinjer株式会社によれば、投資家やステークホルダーは、財務情報だけでなく人的資本の管理と開示にも注目しているという。
この背景から同社は、企業の人事・総務担当者の計363名を対象に「人的資本情報の開示状況に関する実態」についての調査を実施した。
調査結果は以下の通り。
人的資本の測定・開示に取り組んでいるか尋ねたところ、36.9%の企業が「取り組んでいる」と回答した。「取り組むために準備をしている」と回答した企業は14.6%、「取り組むことを検討している」企業は11.8%であり、「取り組んでいる」と合わせて6割以上の企業が人的資本情報の測定・開示に前向きなことが伺える結果となった。
人的資本の情報開示状況の詳細について、「指標の目標設定はなく、一般的指標の開示のみ実施している」と回答した企業が26.1%で最多だった。「指標の目標設定はなく、一般的指標の開示に加えて独自指標の開示を実施している」と回答した20.4%と合わせて、半数弱の企業が指標の目標設定を行っていないことがあきらかになった。
人的資本の測定・開示の目的について尋ねたところ、1位が「従業員の離職防止・定着の観点から」で66.5%、2位が「新規人材の採用のため」で51.3%、3位が「開示が義務化されているから」で36.5%であった。
また、ベンチマークしている標準規格について、「人的資本可視化指針」が48.3%で最多であった。次いで「ISO30414」が46.1%、「SASBスタンダード」が32.6%と続く。
詳細結果はコチラ
人的資本の重要性が高まっていくことで、その情報を管理する担当者の負担も増えていきそうです。管理コストを無駄にしないためにも、しっかりとした目標・目的設定を行っていく必要があるかもしれませんね。担当者は今後の動向もチェックしながら、自社に合ったデータ管理・活用方法を検討してみてはいかがでしょうか!
・調査概要:人的資本情報の開示状況に関する実態調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2024年4月23日~2024年4月24日
・調査対象:企業の人事・総務担当者 計364名
【参考URL】人的資本情報の測定・開示に取り組む企業は36.9%。最もデータ化が進む指標は、「勤怠」や「人」にまつわる情報。