
株式会社うるるは、日本に存在する未活用の「埋もれている労働力」と、IT・AIの進展による労働代替によって生じる「埋もれゆく労働力」という2つの視点から経済的価値を独自試算した調査結果を発表した。
調査結果は以下の通り。
同社は「埋もれている労働力」と「埋もれゆく労働力」を総称して「埋蔵労働力資産」と定義している。
- 「埋もれている労働力」
労働意向がありながらも、さまざまな理由から働きたくても働けていない労働力のこと - 「埋もれゆく労働力」
ITやAIなどの最先端技術の導入により、将来的に既存の業務が代替されることで生まれる労働力のこと
同社は「埋もれている労働力」が日本全体で何時間分あるかアンケート調査等から推測し、それに1時間あたりの経済的価値「2573.3円」を掛け合わせることで、「埋もれている労働力」の総額を試算した。
時短・パート・フリーランス勤務者の「埋もれている労働力」:約15億時間
現在休職・未就業者で働く意向のある人の「埋もれている労働力」:約25億時間
日本に在留しているが働いていない外国人の「埋もれている労働力」:約16億時間
「計57億時間」×「1時間当たりの推定経済的価値2573.3円」=約15兆円
結果、「埋もれている労働力」の総額はGDP換算で約15兆円だと明らかになった。
同社は日本全体の労働時間を職種ごとに分類し、事務や製造であれば80%、営業や介護であれば30%など、それぞれが「どの程度AIやロボットに置き換わる可能性があるか」を加味したうえで全体の「埋もれゆく労働力」時間を算出した。
フルタイム勤務者の「埋もれゆく労働力」:約384億時間
時短・パート・フリーランス勤務者の「埋もれゆく労働力」:約81時間
「計465億時間」×「1時間当たりの推定経済的価値2573.3円」=約120兆円
結果、「埋もれゆく労働力」の総額はGDP換算で約120兆円だと明らかになった。
同社は「今回、新たに『埋蔵労働力資産』という概念を提唱することで、これまで可視化されてこなかった潜在的な労働力の存在とその活用可能性を社会に訴求し、人口減少下における持続的な経済成長の一助とすることを目指します」とコメントしている。
詳細結果はコチラ

人手不足が深刻化していますが、日本には多くの労働力が眠っていると明らかになりました。今後はいかに「働きたいのに働けていない人」と企業の接点を生み出していけるかが重要なカギとなっていきそうですね。
調査名 :「埋蔵労働力資産」の算出調査(2025年)
調査手法:インターネット調査
調査規模:スクリーニング調査10,000人、本調査1,000人
調査対象:全国の20歳~69歳の男女
調査時期:2024年12月
調査会社:クロス・マーケティング
1時間当たりの経済価値:内閣府が発表した「国民経済計算の年次推計」の1人あたりの名目GDP33,849 ドルを、52週/年×40時間/週=2,080時間で割った、16.27ドル/時間(158.13円/ドル換算)を用いて推計