復職後に「両立の困難さから辞めようと考えたことがある」約6割、株式会社fruor調査

日本政府の「2020年女性管理職30%」の目標が先送りされるなど、企業のダイバーシティ経営が進まないことが現在課題となっている。

これを受け、 株式会社fruor運営のキャリアカウンセリングサービス「ミートキャリア(meetcareer)」は、企業などで育休を取得し復職した人を対象に「復職後の働き方やキャリアの悩みと、会社に求めるサポート」についての意識調査を実施した。結果は以下の通り。

復職後の働き方・キャリアの悩みなどを「上司や会社に全く伝えなかった」約4割

復職後の働き方やキャリアについての悩みや不満について、「時間内で成果が出せるか」53.9%、「時短で給料や評価 が下がる」で51.2%など、悩みは多岐にわたった。「時短が取れない」という悩みは 11.3%と相対的に低く、勤務時間の希望は叶っている一方で「時短なのに業務量が減らない」と回答した人は30.3%と、業務量オーバーの悩みや評価に関する悩みが上位に挙がった。
しかし、これらの悩みや不満を上司や会社に伝えたか尋ねたところ「伝えなかった」が過半数を占め、約4割は「全く伝えていない」と回答した。

「両立の困難さから会社を辞めることを考えたことがある」58.7%

復職後、「仕事と家庭の両立の困難さから会社を辞めることを考えたことがある」と回答した人は「何度もある」「1,2度ある」を合わせ58.7%であった。復職者の悩みは仕事だけでなく、家事や育児の悩みも複雑に絡み合っているようだ。

会社に求める復職のサポート「個別の支援」が上位に

復職後も意欲的に働くためにしてほしいサポートや環境について、「柔軟な働き方ができる制度」が83.3%、「勤務時間ではなく成果で評価する制度や風土」が58.3%に次いで「個々の家庭状況や希望に合わせた働き方やキャリア設計のための定期的なフォロー面談」56.6%、「自分の悩みや課題についてキャリアの専門家に相談できる場」47.0%が続いた。制度による一律の支援だけでなく、個々の状況や希望に合わせた定期的なフォローや相談の場を求めていることが伺える。

結果詳細はコチラ

両立のしやすさの指標として育休復職率100%を掲げる企業が現れる一方で、復職後の働き方やキャリアについての課題は「個々の家庭の事情」としてあまり表に出てこない。多様なロールモデルを提示し、個別のフォローにより前向きに働けるよう支援することが企業には必要となりそうだ。

調査概要

・調査対象:企業などに勤め、2010年以降に育休から復職した人
・回答者数:564名
【性別】女性95.7%、男性4.1%、無回答0.2%
【雇用形態】正社員93.4 %、契約社員 3.5%、派遣社員1.2%、パート・アルバイト1.8% 
【企業規模(従業員数)】1,001名以上50.0%、301~1,000名 21.1%、101~300名12.4%、100名以下16.5%
【復職後の働き方】フルタイム34.6% 、時短勤務64.0% 、その他1.4%
【育休取得対象となった子の現在の年齢】0~2歳55.9%、3~5歳33.2%、6~10歳11.0%
・調査期間:2020年8月27日~31日
・調査方法:インターネットアンケート