約100の求人媒体から蓄積された求人ビッグデータを最短2クリックで簡単分析できる人材業界・採用担当者向け求人データ分析ツール『HRogチャート』を活用した、アルバイト採用市場の分析レポートをお届けします。今回は、大手回転寿司チェーン4社「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」「かっぱ寿司」の求人・時給動向を徹底分析しました!最新の求人動向や傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください。
また記事を最後までお読みいただいた方には、記事内で使用したデータと求人リストのサンプルをプレゼントしております!
目次
求人件数動向
各社の国内店舗数を見てみると、スシローが639店で最多となりました。次いではま寿司が602店、くら寿司が546店、かっぱ寿司が293店と続いています。
回転寿司チェーン4社の求人件数を見てみると、店舗数と比例するようにスシローの件数が多くなっています。2024年3月時点では、スシローが14,057件で最多。はま寿司が12,769件、くら寿司が7,193件、かっぱ寿司が1,528件と続きました。
4社それぞれが運営するアルバイト求人のオウンドメディアでは、スシローとくら寿司が5,000件前後出稿しているのに対し、はま寿司とかっぱ寿司では600件程度となっていました。
続いて、2019年4月の求人件数を100とした場合の指数で比較してみます。くら寿司を除く3社では、緊急事態宣言のあった2020年5月頃から求人件数が減少しています。特にかっぱ寿司では、2020年5月の出稿件数が0件となりました。くら寿司では、多少の変化はあるものの安定して出稿し続けている様子が伺えました。
また、2023年1月前後を見てみると、4社それぞれで求人件数が2019年4月の2倍以上になっている月があります。昨今の人手不足の深刻化が反映されているのではないでしょうか。
2023年3月と2024年3月の求人件数を4社それぞれ都道府県別に比較し、増加件数の多かった上位3都道府県を調査しました。
スシローでは、兵庫県が+128件で最多となりました。次いで愛媛県が+118件、神奈川県が+113件と続いています。
続いてくら寿司では、大阪府が+171件で最多となっています。次に東京都が+153件、神奈川県が+90件と続きました。
さらにはま寿司では、東京都が+198件で最多となりました。続いて神奈川県が+99件、兵庫県が+86件となっています。
最後にかっぱ寿司では、福島県が+45件で最多となりました。続いて山形県が+31件、千葉県が+26件となっています。
平均時給動向
4社の時給下限平均額を2019年4月から2024年3月までの推移で見てみると、4社ともに右肩上がりで増加していました。特に最低賃金の引き上げ幅が過去最高となった2023年10月以降は、各社において大幅な賃上げをしている様子が伺えました。
また2024年3月時点では、はま寿司が1,086円で最高額となりました。次いでくら寿司が1,056円、かっぱ寿司が1,052円、スシローが1,048円と続き、はま寿司が頭一つ抜ける形となっています。
2023年3月と2024年3月の時給下限平均額を4社それぞれ都道府県別に比較し、増加額の多かった上位3都道府県を調査しました。4社ともに一都三県のランクインが少なく、地方での賃上げも進めている様子が伺えました。
スシローでは、三重県が+91円で1位にランクイン。次いで山形県が+78円、徳島県が+77円と続きました。
続いてくら寿司では、徳島県が+76円で1位となりました。次に秋田県と東京都が+59円で同率となっています。
さらにはま寿司では、高知県が+102円で1位となっています。続いて埼玉県が+84円、北海道が+72円となりました。
最後にかっぱ寿司では、山口県が+71円で1位となりました。続いて三重県と奈良県が+64円で同率となっています。
都道府県別に2024年3月の時給を最低賃金と比較し、その差額が大きい上位3都道府県をそれぞれ調査しました。同比較においては首都圏のランクインが1つもなく、地方においても最低賃金同等の時給では採用が難しくなっている様子が伺えます。また、各社ともに最低賃金より100円以上高い時給で募集している地域が複数見受けられました。
スシローでは、山梨県が+122円で1位となりました。続いて徳島県が+100円、長野県が+99円となっています。
続いてくら寿司では、山梨県が+143円で1位にランクイン。次に福島県が+119円、沖縄県が+108円と続いています。
さらにはま寿司では、高知県が+170円で1位となっています。次いで福井県が+164円、石川県が+162円と続きました。
最後にかっぱ寿司では、三重県が+131円で1位となりました。次いで大分県が+127円、山梨県が+117円と続いています。
神奈川県横浜市の時給動向
ここでは、4社の求人件数が多かった神奈川県横浜市に絞り、周辺時給を調査しました。
まずは、エリア×時給分析で採用効率をあげる求人データ分析ツール「HRogマップ」で、横浜駅の周辺時給を分析してみます。最低時給が1,013円、最高時給は3,000円まで求人が出ていました。また、ボリュームゾーンは1,200〜1,249円、平均時給は1,276円となっています。
各社の横浜市での求人件数を見てみると、スシローが383件で最多となりました。次いではま寿司が363件、くら寿司が233件、かっぱ寿司が49件と続いています。
続いて2024年3月のデータを使用し、横浜市の全体・飲食/フード職種と各4社の時給下限平均額、最低賃金を比較してみます。
職種の近い飲食/フード職種の平均時給と比べると、スシローとくら寿司の2社では24~40円低いことが分かります。一方でかっぱ寿司とはま寿司の2社では、18~22円高い水準となっています。
横浜市の飲食/フード職種と、4社で平均時給の最も高かったはま寿司、反対に低かったスシローの時給レンジを比較します。また、それぞれの全体求人件数に対する割合で分析しています。
飲食/フード職種では、「1,100~1,149円」に次いで「1,200〜1,249円」の割合が高くなっています。一方スシローでは、「1,100~1,149円」と「1,150~1,199円」に割合が寄っていることが分かりました。また、はま寿司では「1,200~1,249円」の割合が最も多く、次いで「1,150~1,199円」の割合も同等となっており、周辺の相場より高い水準で時給を設定している様子が伺えます。
求人内容比較
最後に、神奈川県横浜市における求人の詳細を比較してみます。また、横浜市の求人を各社最大200件まで抽出し、「ユーザーローカルAIテキストマイニング」を用いて福利厚生での頻出ワードを調査しました。
スシローでは、未経験者に向けたアピールを強化している様子が伺えます。また「履歴書不要」や「応募者全員と面接を行う」など、応募のハードルを下げるような文言がありました。
福利厚生では、「食事補助/割引券」など食事に関する文言が多く見られました。また、髪型やピアスなど見た目に関する自由度もアピールされています。さらに、大学生を対象とする独自の「奨学金制度」を持っているなど、特徴的なキーワードも含まれていました。
続いてくら寿司では、シンプルで分かりやすい内容となっています。土日祝や遅い時間の勤務を募集するなど、多忙かつ人手の足りなくなる曜日・時間帯での募集を強化していました。
福利厚生では、「前給制度」や「昇給」など給与に関するキーワードが多く見られました。また、くら寿司でもスシローと同じく、「身だしなみ自由」に関連する文言を記載しています。
さらにはま寿司では、「はま寿司のフロアで人見知りを克服できたスタッフもいる」「シャリにネタをのせて成形するだけ」など、飲食店未経験の方に安心してもらえるようなメッセージが多く見られました。
福利厚生では、「食事補助」や「前払い」など前述の2社と同じく食事や給与に関するキーワードが多くありました。
最後にかっぱ寿司では、ホールとキッチン業務を分担せず、それぞれの従業員が両方を担当しているようです。同社でも同じく未経験者に向けたアピールも見られました。
福利厚生では、同じく「食事補助」や「前給制度」の記載があったほか、「テーマパーク割引券申請制度」はかっぱ寿司独自のキーワードとなりました。
対象期間:2019年4月1日~2024年3月4日(第一月曜日を抽出)
対象媒体:タウンワーク、マイナビバイト、バイトル、フロムエー、イーアイデム
対象雇用形態:アルバイト、パート
※平均時給:求⼈情報の給与項⽬内にある給与情報を数値に変換し、下限の⾦額を合算・平均して算出
※都道府県:求⼈情報の勤務地情報を取得し集計。1求⼈に対して2つ以上の勤務地都道府県が紐づいている場合、最初に記載されている都道府県を採⽤
まとめ
今回は大手回転寿司チェーン4社に絞り、それぞれの求人・時給動向を調査しました。
特に時給などの求人条件によって応募数に変動が出やすいアルバイト採用では、周辺の採用状況を知っておくことが重要です。今回のように同業他社やエリア・職種ごとに求人動向を分析することで、採用市場の今を簡単に把握することができます。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。
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