中小企業の57.3%は障がい者採用を一般採用枠で対応、レバレジーズ株式会社調査

2021年3月より、従業員数に対して雇用するべき障がい者の割合である「法定雇用率」が、従業員数43.5名以上の企業を対象に2.3%へ引き上げられた。そうした流れもあり、障がい者雇用率は順調に伸びてきている。しかし、障がい者雇用においてはノウハウが足りていないなどの課題がある。

レバレジーズ株式会社は、同社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」において、中小企業における障がい者雇用の実態調査を行った。

調査結果は以下の通り。

障がい者雇用に関する情報収集先の84.3%は「ハローワーク」

障がい者雇用に関わる中小企業の採用担当者に、情報を収集する際に利用するものを尋ねたところ、84.3%の人が「ハローワーク」と回答し最多となった。次に「その他行政サービス」が63.0%、「ネット検索」が56.5%と続いた。

57.0%の企業が障がい者雇用の情報収集に苦戦

障がい者雇用に関する情報を探す中でわかりにくい・難しいと感じたか尋ねたところ、57.0%の企業が「感じたことがある」と回答した。

また、情報収集がわかりにくい・難しいと「感じたことがある」企業にどの部分が難しかったか尋ねたところ、「障がい区分と接し方」との回答が73.7%となった。次に「雇用(管理)と一般雇用の違い」が68.4%、「法定雇用率の計算、6/1報告」が57.9%と続いた。

57.3%の企業が障がい者採用枠を一般採用枠と分けていない

障がい者採用枠について一般採用枠と別に設けているか尋ねたところ、57.3%の企業が「設けていない」と回答した。また、障がい者雇用専任の担当がいるか尋ねたところ、70.9%の企業が「いない」と回答した。総務や人事といった部署が兼務するケースが多いことが分かった。

今回の調査では、障がい者雇用が活性化していく一方で、一般採用枠と分けていない企業も多いことが分かった。障がい者の採用枠を設定しないことにより入社後もフォローしづらくなり、早期離職に繋がるなどの課題もある。今後障がい者雇用を行う際には、自社にあった採用方法やフォロー体制を考慮していく必要がある。

調査概要

調査対象:障がい者雇用に関わる中小企業の採用担当者196名
集計期間:2022年3月23日~2022年3月30日
調査方法:Webアンケート調査
有効回答数:196名

【参考記事】中小企業における障がい者採用、約6割の企業は一般採用枠で対応