経済産業省が2016年に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると推計されている。今後も国内IT人材の需給ギャップは拡大し、中途採用のみならず新卒採用に注力することも重要となる。
株式会社ギブリーは、同社が運営するエンジニア求人サービス「Track Job」において、23卒のエンジニア職志望学生を対象に就職活動に関する調査を実施した。
調査結果は以下の通り。
「職種別採用」にエントリーしたことがあるか尋ねたところ、スキル上級者の71.6%が「したことがある」と回答した。またその割合は、初級者や中級者よりも高いと分かった。
入社後の職種が確約されているかどうか尋ねたところ、スキル上級者の56.9%が「(フロントエンドやバックエンドなどの)開発ポジションまで決まっている」と回答した。残りの43.1%の人も「エンジニア職に配属されることは決まっている」と回答している。
初級者・中級者と比べるとその割合は2倍以上となり、新卒採用時点でスキルが高い学生の就職活動の特徴といえる。
内定を承諾した理由に影響を与えた要因を尋ねたところ、スキル上級者の51.0%が「若い時から挑戦できる環境があること」と回答した。次に「自分の能力や専門分野を活かせること」が49.0%と続いた。
新卒入社で提示された初任給の金額を尋ねたところ、スキル上級者の68.7%が「400万円以上」と回答した。さらにスキル上級者のうち9.8%の人は「700万円以上」の初任給を提示されている。
厚生労働省が「令和2年賃金構造基本統計調査」で発表した新卒入社の平均初任給は226万円であり、かなり差があると分かる。
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今回の調査では、新卒エンジニアのうちスキル上級者ほど職種別採用を受ける傾向にあると分かった。また人事担当者の一部は、新卒のエンジニア採用においてもスキル上級者であれば開発ポジションを確約したオファーや初任給で400万円以上を提示していると分かった。
ITエンジニアの人手不足が深刻となる中、新卒のスキル上級者に内定を承諾してもらうため、オファー内容などを工夫した差別化が必要となる。
調査期間:2022年6月17日〜2022年7月16日
調査対象:2023年度卒業予定のエンジニア就職活動生350名
調査手法:Trackが運営するエンジニア求人サービス「Track Job」の登録学生に回答を依頼
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