HRogでは「人材業界の一歩先を照らすメディア」をコンセプトに、人材業界に携わる人へ向けて役立つ情報発信を続けてきました。2023年は、人材業界にとってどのような変化があったのでしょうか。今年注目を集めたワードを振り返ってみましょう。
リクルートホールディングスは2023年3月、米国子会社の「Indeed」について、従業員の15%にあたる2,200人を削減すると発表。2012年に買収して以降初めて、大規模な人員削減を実施しました。これは、主力の米国において、景気減速の懸念拡大により求人数が落ち込んだこと、また、雇用市場の冷え込みが続くという判断からのリストラ策でした。
人員削減費用などが要因となり、23年3月期決算は最終減益で着地したリクルートホールディングス。しかし人員削減に加え、広告費の圧縮等の施策を行った結果、2023年4月からの純利益は、第一、第二期四半期ともに前年同期比を上回る回復を見せています。また24年3月期通期の業績予想については、現在の環境が大きく悪化しない限り、純利益は増益を見込んでいるということです。
HRogでは、HRのトレンドニュースとして「リクルートHD、Indeed社で2,200人の人員削減」の記事を公開しています。あわせてお読みください。
リクルートHD、Indeed社で2,200人の人員削減生成AIとは、学習データから映像や文章、音楽などのさまざまな新しいコンテンツを生み出す人工知能です。2022年11月に、米OpenAI社が開発した無料版テキスト生成AI「ChatGPT」が登場。無料で誰でも手軽に活用できることから、公開からわずか2カ月で1億人が利用するほど、爆発的に普及しました。
人材業界においても、生成AIを活用したマッチングシステムの提供や、文章の自動生成機能を搭載したサービス提供など、新たなサービスや機能がリリースされています。DX推進が求められる中、今後は業務効率化の実現や企業のニーズにあわせたマッチング精度の向上などが、生成AIの活用によって実現できそうです。
HRogでは、「ChatGPTを搭載している人材サービスまとめ」のほか、生成AIの活用で今後どのように新卒採用が変化していくのか、「ChatGPTで新卒採用はどう変わる?ワンキャリアが考えるAI時代の採用」と題してインタビュー記事を掲載しています。
ChatGPTを搭載している人材サービスまとめ ChatGPTで新卒採用はどう変わる?ワンキャリアが考えるAI時代の採用2022年6月、政府は「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を改正しました。2025年卒業以降の就活生に対しては、新しいインターンシップのルールが適用されます。
これまでのインターンシップでは、「企業により実施目的やプログラムにバラつきがある」「グローバルで実施されているインターンシップと大きく乖離している」ことなどの課題がありました。これらの課題を解消し、学生の自律的なキャリア形成を支援するために、今回の改正が行われました。
新しいルールでは、企業や大学が主催していたプログラムが「4つのタイプ」に分類され、特定の条件を満たすもののみが「インターンシップ」という名称を使用できます。また、従来の「インターンシップで得た学生情報を採用選考活動に使用してはならない」とする規制が緩和され、条件を満たしたインターンシップについては学生情報を採用選考活動に使用してもよいと定められました。これにより学生の選択肢が広がるとともに、企業にとっても、よりよい採用活動を検討する機会となりそうです。
詳細については、「25卒からのインターンシップ、三省合意で何が変わる?早期化に拍車・人材サービスに求められる併走支援」をご覧ください。
25卒からのインターンシップ、三省合意で何が変わる?早期化に拍車・人材サービスに求められる併走支援特定技能制度とは、政府が導入した外国人労働者を受け入れるための制度です。人手不足が深刻化する業種において、一定の専門性や技能を有する外国人の受け入れを促進するため、2019年4月から導入されています。
特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。「特定技能2号」は、熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。これまで「建設」と「造船・舶用工業」のみが対象分野でしたが、2023年6月に9つの分野が追加されました。
- ビルクリーニング
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
2023年秋には資格試験もスタート。今後、さらなる外国人材の活躍が期待できそうです。
HRogでは、労働人口減少が深刻化する中、技能実習や特定技能制度の見直しがもたらす影響について「技能実習・特定技能はどう変わる?現状の問題点と変更案を解説」でまとめています。
技能実習・特定技能はどう変わる?現状の問題点と変更案を解説タイパとは「タイムパフォーマンス」の略語で、「費やした時間に対して得られた効果」を意味する言葉です。「時間を効率的に、有効に使いたい」という考え方が、Z世代を中心に広まったことで生まれた言葉だと言われています。
近年では、就職活動においても「タイパ」を意識する人が増加しています。オンラインツールなどを活用してさまざまな企業の情報を効率的に収集し、就活以外の時間も充実させたいと考えているようです。企業もタイパを重視する求職者のニーズに対して、採用プロセスを見直すことで、よりよいマッチングの実現につながるのではないでしょうか。
HRogでは、「53%の学生が就活準備で『タイパ』を意識、株式会社学情調査」「転職希望者の79.7%が『タイパ』を重視、株式会社ワークポート調査」の2本を掲載。タイパを意識した採用アプローチの参考にしてみてください。
53%の学生が就活準備で「タイパ」を意識、株式会社学情調査 転職希望者の79.7%が「タイパ」を重視、株式会社ワークポート調査2024年問題とは、長時間労働是正によって運輸・物流業界や建設業界に混乱が生じるとされる問題のことです。
運輸・物流業界においては、年間時間外労働時間の上限が960時間に規制されることで、ドライバーの賃金が減少し、物流業界の人手不足が加速すると言われています。また、ドライバー1人あたりの走行距離が短くなり、運べる荷物の量も減少することから、物流コストの上昇も懸念されています。
この課題解決に向けた取り組みとして、政府は2023年3月に「我が国の物流の⾰新に関する関係閣僚会議」を設置。物流DX・GXの推進をはじめとする物流の効率化に加え、中継輸送の拠点を整備するなど、ドライバーの労務負荷軽減を目指す取り組みを推進しています。また、荷主や消費者に対しても、再配達の削減に向けた取り組みなど、行動変容を促す施策を行っていくとしています。
建設業界では、時間外労働時間の上限が月45時間、年間360時間に規制されます。臨時的な特別の事情がない限り、これを超える労働は認められません。これまで長時間労働が状態化していた建設業界も、労働環境の改善を迫られることになるでしょう。この問題に対し、適正な工期の確保を徹底することや、ICTツールを導入して従業員の業務量を平準化するなど、長時間労働是正のための施策を行う企業が増えています。
HRogでは現在、2024年問題をテーマにした特集を企画していますのでご期待ください!
スキマバイトとは、企業と求職者の双方が都合のよい時間だけ短期でマッチングするアルバイトのことです。企業は人手が必要なときだけ人材を確保しやすく、求職者は働きたい時間だけアルバイトができるため、双方のニーズを満たす働き方として注目されています。
スキマバイトの求人が多い職種は、主に「飲食」「販売・接客」「物流」です。未経験でも募集しやすく、アルバイト雇用の割合が高い職種は、スキマバイトの求職ニーズも高いと言えるでしょう。
代表的なスキマバイトサービスには、以下のようなものが挙げられます。
- おてつだいnetworks
- シェアジョブ
- スキマワークス など
- タイミー
- エリクラ
- シェアフル など
人手不足が深刻化する中で働き方も多様化しており、今後も柔軟に働ける「スキマバイト」の需要は高まることが予想されます。
HRogでは、求人マーケットの動向をいち早くチェックできる「求人レポート」を掲載しています。「【2023年4月度 HRog市場分析レポート】正社員・アルバイト・派遣の求人マーケット動向をチェック!」では、スキマバイトに関する調査を掲載しています。最新の求人動向や傾向を示す参考資料として、ご活用ください。
また、「株式会社メルカリ、スポットワーク事業に参入」では、スポットワーク事業に参入した株式会社メルカリの記事を掲載しています。こちらもぜひ、参考にしてくださいね。
【2023年4月度 HRog市場分析レポート】正社員・アルバイト・派遣の求人マーケット動向をチェック! 株式会社メルカリ、スポットワーク事業に参入今回は、2023年に注目を集めたワードをHRogの記事とともに振り返りました。2023年は働き方改革が進み、さまざまな業界・職種で人材を確保するための取り組みの重要性を感じた1年だったのではないでしょうか。
HRogは、2024年も「人材業界の一歩先を照らすメディア」を掲げ、人材業界の動向を発信していきます。