【HRog決算解説】株式会社タイミーの2025年10月期第1四半期決算から見える人材業界の最新トレンドは?

株式会社タイミーの2025年10月期第1四半期決算が発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすく解説し、業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!

2025年10月期のタイミー決算一覧はコチラ

2025年10月期第1四半期(当記事)
2025年10月期第2四半期(6月頃発表予定)
2025年10月期第3四半期(9月頃発表予定)
2025年10月期第4四半期(12月頃発表予定)

一目でわかる! 決算情報のグラフィックまとめ

タイミーの2025年10月期第1四半期の決算における売上高や純利益の増減率とその要因について、グラフィックで分かりやすくまとめました。

もう少し詳しく! タイミーの今期業績は?

タイミーはスキマバイトサービス「タイミー」の単一セグメントで事業を展開しており、セグメント別の業績開示は行っていません。

出典元:決算説明資料(p.10)

深刻な人手不足を背景に物流・小売業界を中心にアクティブアカウント数が増加し、流通総額が前年同期比+39.6%の299億円に拡大しました。

アクティブアカウント数:月に少なくとも1つの求人を掲載したクライアント事業所数
流通総額:クライアントからワーカーに支払われる給与+交通費

また、ワーカー向けのデジタル広告施策も奏功し、登録ワーカー数は1,044万人を突破。不正利用対策に係るコストを計上しつつも、適切なコストマネジメントを実施し、利益も大幅に増加しました。

結果、売上高は86億円(前年同期比+36.2%)、営業利益は14億円(+148.7%)、純利益は13億円(+309.5%)となりました。

今期の業績予想について

通期の連結業績予想に変更はなく、売上高343~357億円(前期比+28.0~32.8%)、営業利益は60~67億円(+41.3~58.0%)、純利益は43~49億円(+56.7~76.3%)での着地を見込んでいます。

IR担当者に聞いた! 今期決算資料の注目トピックは?

今回は、タイミーのIR担当者にも今期決算資料の注目トピックについて話を聞きました。

出典元:決算説明資料(p.4)
タイミーIR担当者
タイミーIR担当者

2025年10月期第1四半期は、売上高は86.4億円 (+36.2% YoY)、営業利益は14.1億円(+148.7% YoY、営業利益率 16.4%)と増収増益。売上高・営業利益ともに業績予想レンジの上限を超過して着地しました。

出典元:決算説明資料(p.22)
タイミーIR担当者
タイミーIR担当者

物流・飲食・小売の主要3業界以外でも順調にタイミーの利用が拡大しています。人手不足が深刻化する介護業界では、政策面も追い風に。2025年2月に新機能をリリースし、有資格者の募集も容易になりました。

出典元:決算説明資料(p.24)
タイミーIR担当者
タイミーIR担当者

多くの人手を必要とする物流・食品製造業界では、タイミーワーカーの数が増えることにより、当日の受け入れ業務が現場の負担に。リーダー社員の配置、受け入れワーカーの育成、マニュアルや受け入れ動画の作成等、様々なソリューションを通じて現場の受け入れ負担を軽減することで、1拠点当たりの募集人数を増加させていきます。

HRog編集部の今期決算注目ポイント

出典元:2024年10月期通期決算資料(p.19)

タイミーはいわゆる「闇バイト」への対策を強化するため、既存・新規事業者の実態確認や、24時間365日体制で求人原稿を掲載前に全件チェックするといった防止の取り組みを行うと2024年12月6日に発表しました。

前期通期決算資料では、それに伴って小規模クライアントのコンバージョン悪化が見込まれることが売上面に、不正利用防止に掛かるコストが利益面に影響すると予想されています。

しかし、それを受けた今期決算では売上高・営業利益ともに業績予想レンジの上限を超えて着地したため、同社が適切な営業・マーケ活動およびコストコントロールを行っていることが分かります。

出典元:決算説明資料(p.23)

タイミーは地方自治体との連携も強化しており、2025年3月13日時点で14道府県23自治体まで拡大しています。

また、厚労省は2025年度から介護施設でのスキマバイトアプリ活用の支援を行うと発表しました。これは自治体が主体となって事業者を募り、その際のアプリ利用費を補助することを想定したものです。

自治体との連携を強めるタイミーはこうした政策の追い風を受けて、今後さらに介護業界での活用を広げていくと見込まれます。

まとめ~人材業界の最新トレンドは?~

タイミーは、スキマバイトを提供するだけでなく、人手不足の課題を解決するためのさまざまな取り組みを進めています。これまで物流・飲食・小売業界での利用が中心でしたが、介護業界にもその輪が広がっており、2025年2月には有資格者を募集しやすくする新機能を導入。政策の支援も追い風となり、今後さらに活用が進むことが期待されます。

また、働く人が安心して現場に入れるよう、企業の受け入れ態勢の整備にも力を入れています。スポットワーク業界の競争が激しくなる中、こうしたサポート体制の充実はますます重要なものとなっていきそうです。

さらに、タイミーは自治体との連携を強め、地域の人手不足や介護業界の課題にも貢献しています。スキマバイトを単なる短期労働のツールではなく、社会の課題を解決する仕組みとして発展させているタイミー。HRog編集部では今後もその動向に注目していきます!

2025年10月期のタイミー決算一覧はコチラ

2025年10月期第1四半期(当記事)
2025年10月期第2四半期(6月頃発表予定)
2025年10月期第3四半期(9月頃発表予定)
2025年10月期第4四半期(12月頃発表予定)

【参考URL】
タイミー25年10月期第1四半期 決算短信
タイミー25年10月期第1四半期 決算説明資料