
企業向けの教育研修事業と採用支援事業を展開する株式会社ジェイックは、20代の正社員を対象に実施した、「“働きすぎ”の境界線」に関するアンケート調査の結果を発表します。(回答者:142名、調査期間:2026年2月9日~2月14日)
「自身の働き方について、“働きすぎ”でワークライフバランスが保てていないと感じることはありますか?」と質問したところ、「あまりない」が36.6%、「全くない」が28.2%、「時々ある」が26.1%、「頻繁にある」が9.1%となりました。「時々ある」と「頻繁にある」を合わせると、3割以上の若手社員が、“働きすぎ”によりワークライフバランスが保てていないと感じていることがわかりました。

「“働きすぎ(ワークライフバランスが保てていない)”と感じる、1か月あたりの残業時間を教えてください」と質問したところ、「20〜30時間未満」が24.6%、「30~45時間未満」が23.2%、「45時間以上」が19.7%、「10~20時間未満」が18.3%、「10時間未満」が14.1%となりました。
約7割(67.5%)が「20時間以上」の残業で働きすぎと感じることがわかりました。これは、月20日勤務とすると1日あたり約1時間の残業を超える水準にあたります。
また、約8割が法定の残業上限(原則月45時間)を下回る水準で“働きすぎ”と感じており、若手社員の心理的な許容ラインは、従来想定される「長時間労働」の基準よりも低い傾向が見受けられました。

「残業時間の長さ以外で、精神的・肉体的に“働きすぎ”だと感じる要因は何ですか?あてはまるものをすべて選択してください」と質問したところ、「過度なマルチタスク(同時並行する案件が多すぎる)」「休み(休日)が少ない」がそれぞれ51.4%、「適切な教育やサポートがない状態で責任が重い仕事を行う」が47.2%、「上司の顔色伺いや社内調整による気疲れ」が33.8%、「目的不明の会議や、過剰に丁寧な資料作り」が20.4%、「素早いレスポンスへのプレッシャー(チャット通知への即レス対応など)」が19.7%、「オンオフの曖昧さ(社内イベントや飲み会への参加)」が14.1%、「その他」が12.7%となりました。

「今の職場で『これは本当に無駄だ』『これを改善すればもっと楽に働けるのに』と日々感じている具体的な不満や改善案を教えてください」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。
- 全体朝礼とグループ朝礼で重複した内容や関係のない内容で時間を取られる
- 改善しなければならないのに、結局は何もせずに問題を先送りにするような「会議」という名の「愚痴大会」
- 上司も迷走しているよく分からない会議
- 毎週月曜日の社長話がいらない
- 朝礼での企業理念の唱和
- 紙ベースの書類の回覧や、対面での会議
- 調整不足で、複数の人が同じ業務をしてしまっている
- DX化が不十分のため、資料作成に手間がかかる
- 上司に挨拶をしてから帰宅しなければならず、挨拶待ちの時間による残業が発生している
- お局のご機嫌取りして顔色を伺いながら働くこと
- 年齢差別を感じる、シニア世代の意識改革をしてほしい
- 新人社員の教育体制が整っていないまま、新人に業務に従事させる
- マニュアルが、初心者が理解できるように作られていない
「忙しくても、『これなら前向きに頑張れる』と思えるのはどのような状況ですか?もっともあてはまるものをひとつ選択してください」と質問したところ、「対価:仕事量や成果に見合った昇格・給与が期待できる」が43.0%、「成長:将来のキャリアに役に立つスキルが磨けている」が18.3%、「感謝:上司や顧客から直接お礼を言われる」が16.2%、「どのような状況でも、過度な忙しさは避けたい」が9.9%、「仲間:チームで助け合い、一丸となって目標に向かっている」が9.2%、「裁量:仕事の進め方を決められる」が3.5%となりました。
ただ負荷を減らすだけでなく、適切な対価や成長実感、周囲からの感謝があれば、モチベーションを維持できる若手社員が多いことがうかがえました。

「会社に求める、業務負荷を減らすためにもっとも有効な取り組みは何だと思いますか?」と質問したところ、「人員補充による一人あたりの業務量分散」が40.1%、「ITツールやAIの積極導入による単純作業の削減」が26.8%、「上司のマネジメント能力向上」が12.7%、「無駄な会議や定例報告の廃止」が12.0%、「その他」が8.5%となりました。人員補充という根本的な解決に次いで、AI等のツール活用による業務効率化への期待が高いことがわかりました。

今回の調査結果について、当社取締役の近藤は、次のように述べています。
「今回の調査では、20代正社員の約7割が『月20時間以上』の残業で負担を感じており、“働きすぎ”の基準は『労働時間の長さ』だけでは測れない実態が浮き彫りになりました。“働きすぎ”の要因として、過度なマルチタスク、休日数の少なさ、形骸化した会議、複雑な人間関係などが挙げられ、DX化の遅れや非効率な慣習によるタイムロスも、デジタルネイティブ世代にとっては大きなストレスとなっています。一方で、適切な対価や成長実感、周囲からの感謝があれば前向きに取り組めるという結果からは、若手社員が労働そのものを忌避しているのではなく、自らの努力が正当に評価され、成長を実感できる環境を求めていることが読み取れます。
今後、企業や管理職に求められるのは、単に労働時間を減らすことではありません。重要なのは、若手社員が“成長している実感”を持てる環境をつくることです。AIやITツールの活用による業務効率化は前提ですが、そこで生まれた時間を、若手社員の成長支援に充てることが不可欠です。具体的には、日々の業務の目的や期待役割を丁寧に共有し、小さな進歩も見逃さずに称賛すること。自分の成長を認識できる関わりが、自己肯定感や自尊感情を高め、エンゲージメントの向上につながります。
さらに、やりがいと責任感を持てるチャレンジングな仕事を適切にアサインすることも重要です。成長実感と承認、そして挑戦機会が循環することで、次の成長へのモチベーションが生まれます。こうした“成長を起点としたマネジメント”へと転換できるかどうかが、これからの管理職に求められる本質的な役割であり、若手社員のエンゲージメント向上、ひいては組織全体の生産性と定着率の向上を左右する鍵になるでしょう」
調査名称:「“働きすぎ”の境界線」に関するアンケート調査
調査対象:当社の就職支援サービスを利用して就職・入社した20代の正社員
調査機関:自社調査
調査方法:Webアンケート
調査期間:2026年2月9日~2月14日
回答者数:142名
株式会社ジェイック・2026年3月10日のプレスリリースより転載
