
株式会社パソナグループの2026年5月期通期決算が発表されました。この記事ではその決算・IRの内容をわかりやすくまとめて分析・解説し、人材業界の最新トレンドに迫ります。ぜひチェックしてください!
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目次

パソナグループの2026年5月期(2025年6月1日〜2026年5月31日)決算は、売上高3,085億円(前期比0.2%減)、営業損失11.5億円(前期比0.9億円の改善)、経常利益1.4億円(前期比6.0億円増)という着地となりました。
パソナグループの今期決算について、主に決算短信の情報をもとに、セグメント別の業績について詳しくまとめました。

パソナグループの主力事業の一つで、業務を丸ごと受託するアウトソーシングサービスです。
今期もパブリックセクターにおける大型受託案件のピークアウトや一部案件終了の影響を受け、売上高は前期比43億円減の1,329億円(▲3.1%)と減収となりました。しかし、プロ人材が企業の経営課題を解決するサービス「ProShare(プロシェア)」が引き続き拡大するなど、専門分野のBPOサービス拡充に取り組んだ結果、粗利率は1.4ポイント改善。営業利益は前期比2.4%増の99.9億円と増益を確保しています。
国内の人材派遣事業を担うセグメントです。
今期は登録時の利便性向上やAIツールの活用により、新規派遣登録者数が増加しました。ただし成約率の低下から稼働者数は前期並みで推移したため、派遣料金単価の改定を追い風にしつつも、売上高は微増の1,363億円(+1.1%)にとどまりました。そんな中、シニア領域のパソナマスターズにおける専門人材派遣は引き続き拡大しています。
人材紹介と再就職支援を中心に展開するセグメントです。
人材紹介事業では、上期は社内システムのリプレイスにより生産性が低下し、下期は人員の入れ替わりによる営業効率の低下が響きました。加えて、一部企業における採用抑制・厳選採用の傾向や、求職者の慎重姿勢も成約数の減少につながりました。
一方、再就職支援事業は、構造改革を進める企業からの需要が継続し好調を維持しました。結果として、セグメント全体の売上高は前期比3.3%減の140億円、営業利益はシステム費用の増加もあり前期比15.9%減の42.4億円となりました。
北米・アジアを中心に人材サービスを展開するセグメントです。
北米では経理・給与計算業務等のBPOサービスが好調に推移し、アジアでは台湾の半導体製造業向け人材紹介・人事コンサルティングサービスが拡大しました。インドネシア・タイ・マレーシアでの伸長が加わり、売上高は前期比6.3%増の121億円と増収となりました。
保育・学童・介護・家事代行などのライフサポート事業を手がけるセグメントです。
東京都内における新規学童クラブ等の運営拡大と、施設ごとの収支管理強化によって収益が改善しました。家事代行を中心とするライフサポート事業も民間・自治体での受託規模が拡大し、セグメント全体の売上高は前期比12.3%増の97億円、営業利益は4.8億円の黒字転換を達成しています。
兵庫県淡路島を中心としたエンターテインメント・観光・農業・飲食事業等を展開するセグメントです。
「ニジゲンノモリ」では「鬼滅の刃」や「NARUTO & BORUTO 忍里」など人気コンテンツのインバウンド・コアファン獲得が来場者数を牽引しました。一方、新たに挑戦したゲーム事業や新規宿泊施設の立ち上がりが計画より遅延しています。
セグメント全体の売上高は前期比17.1%増の83億円、営業赤字は前期(▲19.0億円)から改善し▲14.9億円で着地しています。
パソナグループは2027年5月期の連結業績について、売上高3,250億円(前期比+5.3%)、営業利益15億円(前期比+26億円の黒字転換)、経常利益15億円(前期比+984.8%)を予想しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、子会社の収益増加を見込み10億円の損失を計画しています。

パソナグループは創業50周年の節目に策定した中期ビジョン「PASONA GROUP VISION 2030」において、2030年5月期の財務目標として売上高4,000億円、経常利益率5%、ROE8%以上、PBR1倍超を掲げています。
2027年5月期はその達成に向けた「構造改革を進める重要な1年」と位置づけられており、特に「BPOソリューションの高付加価値化」「地方創生・観光ソリューションの深化」「新産業の創造」の3つを重点戦略と置きました。

具体的な取り組みとして注目されるのが、BPOソリューションにおける「X-TECH BPO」への進化戦略です。パソナグループは1,500人以上のエンジニアを在籍させており、自社HR TECHツールの拡充とともに外部パートナーとの連携によるBPOメニューの多角化を積極的に推し進めています。

また、パソナJOB HUBが展開するProShare事業は2026年5月期に前年比26%成長を達成。副業プロフェッショナル人材に強い「アナザーワークス」、ファイナンスに強い「セブンリッチグループ」、アスリート人材を多く擁する「アーシャルデザイン」との資本・業務提携を通じ、経営支援メニューのさらなる拡充を図っています。

地方創生・観光ソリューションでは、2026年6月に兵庫県淡路島に開業した「THE PASONA natureverse retreat」においてWell-being事業をスタートさせることで事業成長を加速させる方針です。さらには淡路島で培った地方創生モデルを全国の自治体へ展開し、地域課題解決や産業振興、関係人口創出などを通して地方の持続可能な成長モデルの確立を目指しています。
2026年5月期のパソナグループ決算は、売上高がほぼ横ばいながら売上総利益が増加し、経常利益が黒字転換を果たした転換点となりました。一方でIT費用・人件費の増加や万博出展関連費用の特別損失計上が重なり、最終利益はまだ赤字が続いています。
今期(2027年5月期)はBPOソリューションの拡大と地方創生・観光に力を入れていくという同社ですが、その手段として協業・業務提携による専門分野への参入を選んでいる点は、多角化・細分化という人材業界全体のトレンドを映しているように思えます。
今期の動向も、HRog編集部では引き続き注目していきます!
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【参考URL】
2026年5月期 決算短信
2026年5月期 決算説明資料
2026年5月期 決算説明会書き起こし
2026年5月期 決算補足資料
