[Sponsored by 社食コレクション]
株式会社社食コレクション
代表取締役
松村 幸弥氏
まつむら・ゆきや/1989年石川県金沢市で生まれ、横浜国立大学卒業後、2012年4月に株式会社ボルテージへ入社。2016年9月株式会社社食コレクションを設立し、2017年7月に週10時間からの副業求人サイト『シューマツワーカー』をリリース。
副業元年と言われる2018年。DeNAやソフトバンクなどのメガベンチャーが副業を解禁し始め、話題を集めている。国が副業を推奨している背景には、雇用情勢や働き方の変化が大きく影響している。
「これまでは働き方も個人の成長も、会社に依存する部分が大きかった。でも、今は大手企業でも倒産してしまう時代です。そんな状況では、その会社以外でも応用できるスキルを身に付け、最悪会社がなくなっても個人で稼いでいけることが安心につながります。そういう力を付けた個人が増えれば、一人が複数の組織に属すような働き方も珍しくなくなると思います」
こう話すのは、主にエンジニアやデザイナーに対して副業でできる仕事を紹介する『シューマツワーカー』の松村幸弥氏。だが、副業を許可する人事としては、社員が副業をすることへの懸念は尽きない。そんな人事が抱く懸念点の本当のところについて、松村氏に尋ねた。
人事の懸念1. 副業したら本業がおろそかになるのでは?
大前提として、「そもそも本業に余裕がない人は副業すべきではない」と松村氏。副業を許可制にして、本人の業務状況を考慮して判断することが一つの解決策だ。シューマツワーカーでも、本業に支障が出たり、働き過ぎで体を壊したりすることがないよう、副業時間の上限を設けているという。
その一方で注目したいのは、本業へのプラスの効果だ。
「副業ワーカーいわく、倍のスピードで成長している感覚があるそうなんです。外部から新しいツールや技術を取り入れているので、自社で取り組むときに経験が活かせるんですよ。あとは特にスタートアップで副業をすると、技術以外にも、サービスやユーザーへの視点を持たなければいけない。そういう姿勢を学ぶことで、本業にも良い影響があります」
また、社員が客観的に自社やキャリアを見直す機会にもなる。
「ポジティブな意味で、他の会社を見ることは大事だと思うんです。ずっと一社で働いていると、自社のことがよく分からなくなる。当たり前だと思っていたことがすごいことだったことに気付くかもしれないし、逆に客観的に見て悪い部分が分かれば、改善の提案ができる。違う環境に身を置くことで、自分ではイケてると思っていたけど全然ダメだった、大したことないと思っていたスキルが本当はすごかったといったように、自分の現状を知ることもできます」
人事の懸念2. 副業先の会社に転職されたら困る
大事な社員に転職されてはたまらない。副業の本業化は、人事として一番避けたいことだろう。だが松村氏は、「転職の理由は副業ではないのでは?」という。
「シューマツワーカーでは今のところ転職してしまった事例はないのですが、副業がきっかけになることはあっても、副業が直接の転職理由になることはほとんどないと思います。そもそも本業に対して疑問を抱いていたことが副業をきっかけに露呈したということではないでしょうか」
むしろ副業を禁止することによって転職のリスクが高まることを懸念すべきと松村氏。
「例えば当社を通じて副業をしている某有名ベンチャーの方は、自社のことが大好きなんですよ。辞める気は全くない。その理由は、副業をはじめとしてチャレンジをさせてくれることと、働き方が自由なことが大きいんです。副業を認めることで自社への満足度が上がるメリットの方が、転職のリスクより大きいのではないでしょうか。中には会社は好きだけど、今の業務が物足りないという人もいると思うんですよ。放置してしまうと退職に繋がってしまいますが、その不満は副業でカバーすることができる。『新しいことをやりたい』というフラストレーションをまかない、従業員の人生の満足度を上げるツールとして、副業は有効だと思います」
人事の懸念3. 副業先とのトラブルは大丈夫?
この点は副業を許可制にし、副業先と仕事内容を把握することで、ある程度は解決できる。ポイントは、“副業をオープンにできる環境”をつくることだ。
「隠れてこっそり副業をするのではなく、オープンに話せる環境があれば、何か困ったことがあったときにも相談しやすいはずです。そういう体制が整備できれば、大ごとになる前に対処できる可能性は高いですよね。また、当社のような副業斡旋サービスをご利用いただければ、僕らが副業ワーカーと副業先企業の間に入ってトラブルの対応をすることもできます」
人事の懸念4. 情報漏洩が心配
情報漏洩のリスクについても、同じく副業を許可制にし、副業先を把握することが一つのポイントだ。また、副業規定で競合他社での副業を禁止することも重要。
「ある程度は個人の良識に左右されてしまうのですが、事前にリスクを伝えて注意喚起することが大事です。当社でも、今後は副業の際の注意事項や税金の処理などをサポートできるようなコンテンツを充実させて、副業先にも個人にも、個人の本業の会社にも、負担がかからないようにしていきたいと思っています」
どう企業は副業と向き合うのか
労働人口が減り、人手不足の今。さらに副業を解禁する企業が増えてきていることを踏まえれば、もはや副業は取り組まざるを得ない状況になりつつある。
「優秀な人を採用しようと思った時に、もう自社で独占するのは難しいんですよね。個人が副業を望み始めているから、副業を禁止にすると採用自体も不利になってしまいます。国も推奨していますし、やらざるを得ない状況だと思います。当社としては追い風ですね(笑)。今後は懸念点があるから副業を認めないのではなく、副業を認めたことで考えられるリスクをどう管理していくか。ここを考えることが重要なのではないでしょうか」
副業の許可を出す上での心配事は多々あれど、自社だけで従業員を抱えようとすれば無理が生じる。“束縛する恋人”に置き換えれば明白だ。束縛する心理の根底にあるのは、自信のなさ。「外の世界を見ておいで」と言えるくらいの魅力と度量を持つことが、これからの企業には求められている。
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(文・撮影/天野夏海)