個人の自律的なキャリア設計が求められる時代となり、それを支えるキャリアコンサルタントへの期待が高まっている。2016年にはキャリアコンサルタントが国家資格になり、キャリアコンサルタントを目指す人が増えた一方で、資格を取っても活躍できる場がないとの指摘もある。
株式会社fruorは同社に所属する現役キャリアカウンセラーのうち有資格者を対象に、キャリアコンサルタント求人の実態や課題についてアンケートを行った。
調査結果は以下の通り。
キャリアコンサルタントの資格を活かせる仕事を探したことがあるか尋ねたところ、「ある」と回答した人が88.9%だった。その際、キャリアコンサルタントの仕事や求人数についてどう感じたか尋ねたところ、「少ない」が75.0%で最多であった。「とても少ない」と回答した人は21.9%で、合計で96.9%の人がキャリアコンサルタントの仕事を少ないと感じている。
労働政策研究・研修機構の調査によると、キャリアコンサルタントの活動領域は直近の10年間でハローワークなどの需給調整機関から企業へと移行し、現在もっとも多い活動の場は企業内で全体の34.2%を占める。
そこで今の日本の企業において、社内にキャリアコンサルタントを配置したり従業員が自由にキャリア相談できる部署を設置することに対して理解が深まっていると思うか尋ねたところ、「あまり思わない」と回答した人が63.9%で最多であった。「全く思わない」と回答した人は25.0%で、合計で88.9%の人が従業員のキャリア相談について企業の理解が不十分だと答えた。
キャリアコンサルタントが社会で活躍するために必要だと思うことについて尋ねたところ、「個人がお金を払ってキャリア相談をする風土が広がること」と回答した人が30.6%で最多であった。次いで「企業領域でのキャリアコンサルティングが広がること」が26.4%、「キャリアコンサルタントが職業として成り立つこと(報酬面の待遇改善)」が25.0%と続いた。
その他、企業が価値を実感することが結果的にキャリアコンサルタントの待遇改善につながるという意見やキャリア教育の浸透、個人のキャリア自律意識が必要との意見が挙がった。
詳細結果はコチラ
対象者: ミートキャリアに所属するキャリアサポーターのうち国家資格キャリアコンサルタント所持者
回答者: 36名
回答者属性:
<性別>女性30名(83.3%)、男性6名(16.7%)
<年代>30代21名(58.3%)、40代10名(27.8%)、50代5名(13.9%)
<資格取得年>2019年~2021年15名(41.7%)、2016年~2018年16名(44.4%)、2015年以前5名(13.9%)
調査期間:2021年6月17日(木)~2021年6月21日(月)
調査方法:Web
【参考URL】キャリアコンサルタントの求人少なさを実感96.9% 脱『ペーパーキャリコン』に必要なのは「実践の場」「最新の現場知識」