就活サイト「ONE CAREER」を運営する株式会社ワンキャリアは、今後同社が開催する全てのオフライン就活イベントにおいて、学生のスーツ着用を「非推奨」とし、私服での参加を推奨する「ノースーツ就活」を推進していくという。
「ノースーツ就活」への移行後初の合同企業説明会「ONE CAREER EXPO in 東京」が、2024年3月5日（火）に東京・渋谷で開催された。どのくらいの学生が実際に「ノースーツ」なのか、どのような雰囲気で行われているのかなど、HRog編集部が実際に参加してみたレポートをお届けする。
告知どおり学生のほとんどが私服で参加している
今回の就活イベントには、アサヒビール株式会社、住友商事グローバルメタルズ株式会社、東京地下鉄株式会社などの全47社が出展した。会場内を回ると、47社の企業ブースに着席している学生、会場内を歩いている学生のほとんどが私服で参加している。私服を着て友人同士で参加している学生もおり、ワンキャリアの狙い通り気軽にイベントに来場している様子が伺えた。
企業によって担当者の服装も様々で、企業ロゴの入ったラフなパーカーや、実際に職場で着ている制服を着用している企業もある。服装の効果もあってか、学生と企業の距離感が程よく近く和やかな雰囲気で説明会が行われていた。
参加企業・主催者のリアルな声を聞いてみた
「今の学生は就活においてのコスパやタイパを考えるとオンラインを好むのかもしれませんが、やはり直接会って対話するのが最も一人ひとりの心に刺さると思います。そのため対面イベントが復活した今、対面での合同説明会には積極的に参加しています。ありのままを大切にしている当社としては、着飾る就職活動ではなく、自然体で自分らしく就職活動に臨んでもらえる環境や雰囲気づくりをしていきたいと考えています」
「オフライン就活イベントの『ノースーツ就活』を開催したのは、学生がリクルートスーツを着てかしこまった姿勢で参加する従来の形式ではなく、もっとカジュアルに合同説明会に参加してもらいたいという理由からでした。学生にはありのままの姿で企業担当者と気軽に話して相互理解を深めてほしいと考えています。また、私服推奨であれば学生間で『今日、合説行くんだ』『そうなんだ、私服参加がOKなら行ってみたいな』といったコミュニケーションが発生し、合説を身近に感じるきっかけになるかもしれないですよね。イベントが終わった後も、その足で気軽にご飯やお茶に行けるといいなと思っています。
『ノースーツ就活』開催は今回が初のため、私服推奨の就活イベントであることをかなり積極的に告知しました。もちろん『スーツは戦闘服。気合が入るから着たい』という方に対しては、スーツを着用するのも自由とお伝えしています。スーツでの就活が悪いわけでは全くなく、服装を強制されずに自分で選べることが重要だと考えています。ただ現状、『私服OK』と記載するだけでは『選考に不利になるのではないか？』『行ってみたらスーツの人ばっかりなんじゃないか？』と不安に感じる学生が多いと思うんです。そこで学生には、私服推奨である旨は企業へ事前周知をしきちんと了承を得ていると、お伝えしていました」
実際に企業側もほとんどが私服推奨に賛成しており、「『自分らしさ』を大切に、就職活動を進めていただきたいと考えております」「皆様とフラットに腹を割ってお話をさせていただければと思います」などのコメントが寄せられている。
「当日を迎えると、スーツ着用の学生はほとんど見かけず、9割ほどの学生が私服で来場してくれました。事前の周知に力を入れたことで、安心して私服で来場いただけたのだと思います。
実際、スーツ就活と比べて会場や各ブース内の雰囲気が明るいと感じました。学生や企業担当者が肩の力を抜いて気軽に話している姿や、和やかな雰囲気でブースに笑顔があふれている様子を見ると、今回のイベントを開催して良かったと思いましたね。個性が見える私服や推しグッズを身につけてきている学生もおり、企業担当者が学生へ気軽に声をかけるきっかけにもなっていました。
25卒は学生時代のほとんどをオンラインで過ごしていて対面イベントに慣れていない学生が多いですが、それでも『イベント会場まで足を運んでよかった』と思ってもらえるよう、企業説明ブースのほかにES対策や企業紹介を行う特設ブースも設けました。とくにES対策ブースは大好評でしたね。すでに就活を終えた24卒の先輩から直接ES添削やフィードバックが受けられるのですが、終日満席でした。企業説明会以外にもこのような特設ブースを充実させたことで、あいにくの雨でも多くの方に来場していただけたのではないでしょうか。
今後もワンキャリア主催のオフライン就活イベントは、基本的にノースーツでの開催を予定しています。学生の『ノースーツ就活』が浸透すれば、次第に企業側の服装も変わってくるのではないでしょうか。そしてオフラインイベントの魅力がどんどん広がり、オフライン合同説明会が学生にとって気軽に参加できるイベントになると嬉しいですね」
