【人材派遣営業MVP特集#03】コロナ禍の影響をプラスへと導いた「即レス」の秘訣|トライアロー・山道あゆみ氏

トライアロー株式会社
広島支店
山道あゆみ氏
やまじ・あゆみ/スキー場運営、スポーツ用品メーカー、運輸業界を経て2011年にトライアローへ入社。前職では輸送需要とドライバーやトラックのリソースをマッチングさせる業務に就いており、人と企業の間を取り持ちマッチングさせる仕事にやりがいを感じたため派遣業界へ。現在はIT・通信・建設業界を中心にエンジニア系の案件を担当している。

人材派遣営業のMVP特集

大きな組織成長の裏には、それを支えるハイパフォーマー営業の存在がある。人材派遣会社で働くハイパフォーマーたちの共通点とは何なのだろうか。本特集では人材派遣企業各社のMVP受賞者にスポットをあて、彼らのストーリーから活躍の秘訣を紐解いていく。

人材派遣営業のMVP特集の第三回目は、企業のエンジニアリング部門を中心とした人材派遣を行うトライアロー株式会社で、広島県を中心とした中国・四国地方を担当する山道あゆみ氏にインタビューを行った。入社後、業界の浮き沈みを経験したことをきっかけに、これまでの11年間、地盤固めに邁進してきた山道氏。コロナ禍の影響から生じたマイナスをプラスへと導いた彼女の行動や活躍の裏側をうかがった。

レスポンスの速さと信頼関係の構築が、プラスに転じた要因

新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の影響を受け、2022年3月末にかなりの数の解約が見込まれていた同社。いかに解約数を減らせるかという状況で、業績をプラスに転じさせたのが山道氏だ。

「派遣業界全体的に、3月末は解約数が多くなりやすい時期ですが、そのような状況で解約件数を上回る契約件数を獲得したことを大きく評価していただきました。プラスで着地できた要因の一つには、大型プロジェクトへの参加があります。規模が大きいので、弊社だけではなく複数の派遣会社にお声がかかっていたようですが、初動でのレスポンスの速さを評価され、発注を頂くことができました。具体的には、『トライアローから何人ぐらい派遣できるか』と尋ねられた時に即答できたのが大きかったのではないでしょうか」

一般的に、派遣会社は派遣登録にきた方を面接する担当者と、企業へ営業に行く担当者が異なることが多い。しかしトライアローでは、面接も営業も同じ営業担当者が一気通貫で行っているため、全体の状況が把握しやすく、それがレスポンスの速さにつながったという。

そして、当初5名程度からのスタートだったこの案件は、山道氏の地道な関係構築によって、最終的に10名以上配属する大型案件となる。

「始動してからは現場の方との関係構築に努めました。現場にも何度も足を運んで、派遣スタッフさんの状況を見ているうちに、担当の方からも信用いただけるようになったんです。それがきっかけで、その後の増員の際にも現場の担当者からダイレクトで相談がいただけるようになりました。

通常なら、管理担当の方からの情報共有を待つことになりますが、それよりも先に、現場から情報をキャッチアップできるようになっていたんです。そのため、他社よりも早めに準備することができ、管理担当者から増員の相談が来たときには迅速に提案ができました」

普段から、直接会って関係構築することを心掛けているという山道氏。プライベートでも一期一会を大切にしていると話してくれた。

「普段から人との直接の関わりを大事にしているので、飲み会などに積極的に参加したり、お客さまとゴルフに行ったりしています。『一期一会』と言いますか、人との出会いが大切だと感じるので、職場以外でも人との関わりを持つようにしているんです。退職された方と連絡を取ることもありますね。職場が変わっても、人として向き合うことを大切にしています」

業界特有の浮き沈みを経験したからこそ視野が広がった

自社への貢献や華々しい功績の裏には、苦悩した日々もあったという。通信業界への派遣を強みとしている同社。携帯電話回線などの通信工事や基地局の設置、電波の照射テスト、点検などを行う通信業界は、回線を全国展開させている最中は大量に人材が必要になる反面、整備が完了すると需要が一気に減少するケースが多く、浮き沈みが激しいという特徴がある。山道氏の入社当時は回線の拡大期だったのが、3年ほど経過したところで実用化が進み、派遣ニーズがなくなったことで、多数の契約終了を経験することになった。

「まとまった数の契約が終了し、働きたいと希望している派遣スタッフさんに、やむを得ず退職してもらわなければならない状況が発生したんです。それが何より辛かった。入社当初は業界のことも何もわからない新人で、勢いのまま通信業界の良い波に乗っていましたが、この時に多数の契約終了を経験し、そこから回復するまでには何年もかかってしまいました」

この状況を脱するため、山道氏は他業界に視野を広げた営業へとシフトしたという。

「当時の私は、通信業界以外の営業が上手くできていませんでした。通信業界の浮き沈みを経験する中で、地方でも大きなプロジェクトが動きやすいプラント業や建設業など、業種を手広く扱っていかないと安定した売上が作れないことを実感したんです。それからは、広島に多い造船所や工場にも目を向けて、足を運んで営業しました。業種を広げて営業していくうちに、少しずつですが数字が挽回できてきました」

避けられない売上の減少を、新しい業界に挑戦することでカバーした山道氏。視野を広く持ち、自分の得意な領域を増やしていく姿勢が結果につながったと言えるだろう。

なんでも挑戦できる環境が成功を後押ししてくれた

他業界に営業を広げられたのは、挑戦させてもらえる会社の環境も大きく影響しているという。

「派遣会社の中には、IT業や建設業など、業種を一本に絞っている会社も多いですが、弊社の場合はそのような制約はありません。むしろ新しい業種でどんどん挑戦してみなさいというスタンスなので、それが後押しとなり、チャレンジしたい業種や企業にはどんどん直接訪問していました。そうして獲得した案件の中には、秘書の案件など、あまり他に例がなく『この仕事よく取ったな』と思うものもありましたね。会社が自由にやれる環境を用意してくれたことも、成長につながっていると思います」

そんな経験を経て、山道氏が今ミッションに掲げているのは、拠点での採用人数の増加だ。現在、広島支店は唯一、採用スタッフが100名を越えてない支店となっているため、スタッフの採用人数を増やすことを重点的な目標としている。

「個人的な目標としては、お客様とプライベートも巻き込んだ付き合いをしていきたいです。今でもお客さまとゴルフなどに行くことが多いですが、ゴルフコンペなども企画して、お客さま同士をつなげ、人との関係を広げられるような場を、私から提供できたらいいなと思っています」