【人材派遣営業MVP特集#06】驚異の受注率90%!「テレアポ勝利の方程式」|ランスタッド・時田匡氏

ランスタッド株式会社
スタッフィング事業本部 新宿支店 支店長
時田匡氏
ときた・ただし/北海道出身。大学卒業後、印刷会社や自動車会社で営業を担当。2015年より人材業界へ転身。2017年よりランスタッドに入社。札幌支店のコンサルタントから始まり、功績を評価され2020年1月に米沢支店の支店長に昇進。新潟支店の支店長を経て、2022年5月より新宿支店の支店長を努める。

人材派遣営業のMVP特集

大きな組織成長の裏には、それを支えるハイパフォーマー営業の存在がある。人材派遣会社で働くハイパフォーマーたちの共通点とは何なのだろうか。本特集では人材派遣企業各社のMVP受賞者にスポットをあて、彼らのストーリーから活躍の秘訣を紐解いていく。

人材派遣営業のMVP特集の第六回目は、事務職から金融・ITなどの専門的分野まで、幅広い職種の人材派遣を行っているランスタッド株式会社の時田匡氏にインタビューを行った。入社3年目にして全社で表彰された輝かしい功績を持つ時田氏の成功の秘訣を探った。

「自分の強み」を活かし、新規獲得社数が全国一位に

前職でもいずれも「営業職」にこだわってキャリアを積んできた時田氏。2017年にランスタッドに入社した後も営業職として邁進し、2019年には年間45社もの新規獲得社数を獲得し営業成績全国一位になる。そして2020年に社内のGTOアワードを受賞した。まず、その成功の要因を伺った。

「ランスタッドに入社する以前からずっと営業畑にいたこともあり、もともと営業という仕事が好きで得意でした。特に新規営業担当として、新しいお客様を自分の力で開拓していくことに非常に喜びを感じながら取り組んでいました。

2019年に全国一位の新規顧客を獲得できたのは、この年、営業活動の中でも新規獲得のみに専念させてもらえたことが一番の要因です。もちろん、既存のスタッフフォローやクライアントフォローも大切な仕事ですが、『自分の強み』は新規営業だと自負していました。そのため当時の札幌支店長に相談して、新規獲得営業に専念できる環境を作っていただきました。活躍できたのはそんなわがままを聞いてくれた支店長のおかげであり、自由にできる環境の中で『自分の強み』を発揮できたからだと思います」

努力により編み出した テレアポ「勝利の方程式」

新規営業で全国一位の成績を収めた時田氏の営業手腕はどのようなものだったのだろうか。テレアポが得意だという時田氏にテレアポ営業のコツについて伺った。

「テレアポを得意としている私も、最初のうちは、電話をかけては断られ、かけては断られの繰り返しでした。断られる度に『なぜ断られたのか?』と考え、『こういう言い回しがよくなかったのかもしれないから、次は言い方を変えてみよう』と、試行錯誤を繰り返しました。それを何度も試していくうちに、話を聞いてもらいやすい言い回しや、アポが取りやすい話の運び方のパターンが見えてきたんです。言わば、自分なりの『勝利の方程式』ができてきたから、テレアポが得意になったのです。

それ以外にも、会話のスピードや声のトーン、抑揚といった、自分ではなかなか気付けない部分は、一人でテレアポのロールプレイングをして練習しました。スマホの録音機能を使って自分の喋っている声を客観的に聞くと、『こんなに話すスピードが速いんだな』『話している内容が全然わからないな』など、自覚していなかった改善点がよくわかり、修正しやすいのでおすすめです」

勝利の方程式を編み出した背景には、常に改善点を意識して営業手法を試行錯誤してきた時田氏の努力が伺える。さらに時田氏は、テレアポから商談・受注へとつなげるテクニックについて話してくれた。

「一つ目のコツは、テレアポ先の選定です。私は必ずニーズがある企業に対してテレアポを行っていました。『求人を出している所=100%ニーズのある企業』なので、求人情報から企業を特定してアプローチしていました。初めて行く企業ではなかなか受注してもらえないと思っている営業の方も多いでしょう。しかし、このような企業を選んでアポ取りをすると、高い確率でアポイントを獲得できます。

もう一つのコツはアポイントの取り方です。アポイントを取る時は、お客様がイエスかノーかでは返せない質問をするよう心掛けています。例えば『○日に訪問させて頂いてもよろしいですか』と聞くと、なかなか良い返事はいただけません。しかし『○日と△日の10時と3時が空いていますので、どちらかの日程でお伺いしたいのですがいかがでしょうか?』と聞くと、相手も予定を見て考えてくれるようになります。たとえ提示した日時がだめでも、別日を提案できるので、アポイントが取りやすい傾向にあると思います。

商談では、雑談を多めにして信頼関係を作り、残り10分くらいから本題に入ってクロージングをかけます。そのクロージングでは、『なんとしてでも紹介します』というような、強気な発言をすることもありました。もちろん無責任に言っていたわけではなく、私自身もそう言った以上、『なんとしてでも…』という強い信念を持って取り組んでいました。こうしたコツによって、私はアポイントを頂けた企業の9割ほどからオーダーを頂けていました」

成功の裏側にあったのは、周囲の支えや部署間の連携のよさ

強気の営業により9割という驚異の受注率を叩き出してきた時田氏。その成功の裏側には周囲の助けが必要不可欠だったと話してくれた。

「今の自分があるのは、やはり周りの方々に大変支えられてきたのが一番大きいと感じています。特に、コーディネーターの存在が非常に大きかったですね。私が強気で営業できていたのは、そんな私の姿勢を理解して協力してくれたコーディネーターの存在があってこそでした。『時田の案件だから絶対紹介しよう』と、大きいバックアップがあったことが非常に心強かったです。コーディネーターの方々あってこその私たち営業マンなので、コーディネーターの皆さんには感謝しています。

また、そうした支えもあって、2020年から支店長を任せていただいております。私自身マネージャーとしてはまだまだ未熟ですが、メンバーのみんなに日々成長させてもらっています。みんなのおかげで今の自分があるんだなということを忘れずに、これからも成長していきたいです」

支店長としてエンゲージメント向上とボトムアップ型のチーム作りを目指す

営業マンとして輝かしい業績を収めてきた時田氏は、現在、新宿支店の支店長としての立ち位置を模索している最中だと言う。これから目指したい理想のチーム像を伺った。

「新宿支店を成長、拡大させることは大前提ですが、それと並行してメンバーのエンゲージメントをもっと向上させていかなければいけないと思っています。そのためにも、仕事に対してやりがいを持ってもらうためにはどうすれば良いのかを常に考えています。トップダウンで指揮するのは簡単ですし、一時的に売り上げは上がるかもしれませんが、継続・持続は難しい。だからこそ今はボトムアップの組織作りを目指しています。

2022年5月に新宿支店長に着任して、先日全メンバーとの1on1を実施しました。メンバーひとりひとりの強みや課題、成長領域が概ね見えてきたので、それをベースに、まずは自分達の強みを活かせるような組織を作っていきたいと考えているところです。弱点を克服するよりも強みをどんどん伸ばして、成果を最大化できるような体制にしていきたいです」

これまで「自分の強み」を活かして活躍してきた時田氏ならではのチーム作りを実践していると言えるだろう。そして同時に、彼個人の向かう道も現在模索中だ。

「今の個人的な目標は、エリアマネージャーになること。あとは、新規営業に特化する部隊や組織を立ち上げられないか、ということも考えています。実は、ランスタッドに入社した当時の夢が『東京で働くこと』でした。新宿支店に着任し、この目標を達成できた今、私にとって大きなターニングポイントが訪れていると感じます。これからのキャリアを考えていく中で、自分が将来どういった道に進んでいきたいのかを、改めて見つめ直していきたいですね」

営業として様々な経験を乗り越え、立ち位置や目指すものも変わってきた。それでもずっと変わらない、大切にしている考え方があると時田氏は語る。

「私の好きな言葉に『人生意気に感ず』という言葉があります。人はお金や欲で動くものではなく、その人の頑張りや努力する姿を見て動いてくれるんだよ、という意味合いの言葉です。お金も大事だと思いますがそれだけではなく、自分が頑張ることで、それを見たみんなも頑張ってくれると信じてこれからも仕事をしていきます」