リファラル採用を成功させるための重要な要素である「社員にとって紹介したい会社作り」「本質的な採⽤における取り組み」を実施する会社を表彰する取り組みであるReferral Recruiting AWARD 2017。リファラル採用を積極的に取り入れている企業にスポットライトが当たるアワードは国内初だ。記念すべき第1回の開催となった本アワードについて、仕掛け人である株式会社リフカムの代表取締役・清水 巧氏に開催に至った経緯と受賞企業の受賞理由を尋ねた。
株式会社リフカム
代表取締役
清水 巧氏
しみず・たくみ/石川県出身。明治大学経営学部卒業。2013年Sansan株式会社に新卒入社し、カスタマーサクセス部の立ち上げに従事。2014年1月、株式会社Combinatorを創業し、代表取締役に就任。スタートアップ企業の仲間集めを解決するサービス「Combinator」を開発・運営する。現在は、「採用を仲間集めに」をミッションに、リファラル採用を活性化するクラウドサービス「Refcome」を提供している。2017年11月、株式会社リフカムに社名変更。
アワード創設理由は「リファラル採用の本質に気付いてほしい」
「リファラル採用サービスであるRefcomeを2016年の7月から運営するなかで、リファラル採用の本質に気付いてきたんです」と話す清水氏。
Refcomeの運営を始めた当初、リファラル採用の成果の出る会社と成果の出ない会社があったそうだ。また、同じ会社でも部署や店舗ごとに差異が出ており、リファラル採用がうまくいかない会社や部署の原因を探っていくと、「社員満足度」との相関関係が見えてきたのだ。
うまくいかない、つまり社員が知人を紹介してくれない会社ほど、会社へのエンゲージメントが低い傾向にあるというのだ。
「リファラル採用を成功させるための本質とは、社員にとって紹介したい会社作りです。つまり、会社作りと採用が一緒に回ることが理想。リファラル採用の本質をもっと多くの人に知ってもらうために、社員にとって紹介したい会社があることをもっと世の中に発信しようと思い、このアワードを創設しました。具体的には、会社作りと採用が一気通貫する会社を表彰させていただき、採用のあるべき姿を発信する。そうすることで、より良い採用のあり方を伝えられるのではないかと考えました」
リファラル採用という採用手法を、ただ、従業員に人材を紹介・推薦してもらうものだと思っていた方は考えを改めたほうがよいかもしれない。リファラル採用の本質は「社員にとって紹介したい会社作り」なのだ。
さらに清水氏は「社員の人を軍隊的に無理矢理ノルマを課して紹介を促す会社は、もし仮にどれだけ採用できていても、それは本質的ではないので受賞企業にはならない」と続けた。「Referral Recruiting AWARD」は、決してリファラルによる採用数を評価するだけのものでもなく、Refcomeを使っている企業を表彰するものではなく、あくまで「社員にとって紹介したい会社作り」と「本質的な採⽤における取り組み」を実現している企業にスポットライトを当てるアワードだ。
第1回では7社が受賞。各社の受賞理由をご紹介!
第1回となった今回のReferral Recruiting AWARDでは全7社の企業が受賞した。見事受賞された企業とその受賞理由を見てみよう。
Referral Recruiting AWARD 2017 受賞一覧と受賞理由(順不同)
freee株式会社
メンバーの行動指針である価値基準が日常会話で飛び交うようなカルチャー創造から、オフィスに友人を招きたくなるような文化作りを専門チームを配置して実施している。
株式会社ディンプル
派遣スタッフ採用において、クリスマスやバレンタインなどの季節属性を活かしたリファラル採用活性化施策やクラウドを用いたリファラル施策を実施する。
株式会社サイバーエージェント
採用面接をカジュアルな面談とすることを徹底し、社員にとって友人を呼びたい受皿作りの徹底。経営メッセージと採用協力の依頼メッセージをリンクさせる取り組みを実施。
株式会社はなまる
アルバイト採用から正社員へ繋げていくリファラル採用の取り組みを実施。各店舗での成功施策を集約し、全店舗へと展開していくリファラル採用施策の実現。
株式会社ビズリーチ
「事業創りは仲間探しである」といった企業文化の浸透により、社員全員採用を推進。創業時から現在までリファラル採用経由の入社がもっとも大きな比率を占める。
株式会社スープストックトーキョー
企業ミッションを体現したパートナーを表彰する「Soup Stock Tokyoグランプリ」や社内SNS「Smash」、退職者向けの「バーチャル社員証」などの取り組みにより「大切な人にも紹介したくなる会社づくり」を進めている。
株式会社エー・ピーカンパニー
アルバイト応募者の面接設定を担うコンタクトセンターを店舗経験者中心に運営することで、採用のミスマッチを軽減。「ミッション経営」を実現し、リファラル採用が自然発生する文化作りを実現。
※受賞インタビューが公開されている企業はクリックすると全文読むことが出来ます(外部サイトへリンクします)
受賞企業を見ると、業種や雇用形態は多岐に渡っていることが分かる。ITだけでなく、飲食・派遣・アルバイト採用でもリファラル採用が有効であり、その幅広さが目立つ結果となった。
また、受賞理由を見ると「組織作り」「組織活性」「共感」「社員満足度」などの社員のエンゲージメント向上に関わるキーワードが目立った。まさに、社員にとって紹介したい会社作りに関わる取り組みである。今後、リファラル採用を強化したい企業の方は受賞理由を自社のネクストアクションの参考にしてみてほしい。
さらに「Referral Recruiting AWARD 2018」の参加受付もすでに始まっている。HRog読者の皆様のなかで、リファラル採用に積極的に取り組まれている方は、是非コチラから応募してみて下さい。
リファラル採用が上手くいかない会社とはどんな会社なのか?
Referral Recruiting AWARD受賞事例から、リファラル採用は業種や雇用形態に関わらず有効な採用手法であることが見えてきた。ただ、全ての会社が上手くいっているわけではなく、リファラル採用が上手くいかない会社もある。上手くいかない会社の特徴について清水氏に伺った。
「今のリファラル採用は『ツールを入れたら効果が出る』、『金銭的なインセンティブを付与すれば紹介が増える』という小手先の手法やノウハウに注目が集まっているように思います。一方で、リファラル採用の本質である社員にとって紹介したい会社作りができていない企業は、どれだけツールを入れても、インセンティブを与えても、リファラル採用は上手くいきません。」
やはり、会社作りと採用の両輪を回すことが重要であり、リファラル採用成功の分かれ目ということだ。さらに清水氏は続けて話す。
「まずは人事の方にリファラル採用を推進していこうという意志がなければ、リファラル採用が上手くいくことはありません。リファラル採用の本質は社員にとって紹介したい会社作りなので、必要に応じて経営陣も巻き込み、組織を動かしていく必要がある。もし壁にぶつかったときには今回のアワード受賞企業の取り組みを参考にして欲しいと思います」
本アワードに象徴されるように、2018年もリファラル採用は更なる盛り上がりを見せるのではないだろうか?2018年度のReferral Recruiting AWARDにはHRog読者から受賞される方が出ることを期待するHRog編集部である。
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(HRog編集部)