デザイナー・クリエイター人材の採用で企業がぶつかる壁とは

グラフィカルジョブ株式会社
代表取締役社長
松原 徹弥
まつはら・てつや/2006年に個人事業主として起業。2009年にグラフィカルジョブの運営を開始する。2015年4月に法人化し「グラフィカルジョブ株式会社」設立。サイト製作からプログラム開発まですべて自社で行い、ユーザー目線でのサービス提供に日々励んでいる。

ビジネスやマーケティングを考える上でクリエイティブの重要性が高まる中、事業拡大のためにデザイナー・クリエイターといった専門職の採用を考える企業も少なくない。

しかしデザイナー・クリエイターを採用したいと考えていても、今まで採用をした経験のない職種ゆえに、何からはじめたらよいのかわからないという企業も多いのではないだろうか。

今回はそんなデザイナー・クリエイターに特化した求人サイトで、今人気が高まりつつあるグラフィカルジョブ株式会社・代表取締役の松原氏にデザイナー・クリエイター人材採用の現状を聞いた。

デザイナー・クリエイター人材の求職者動向

「デザイナー・クリエイター人材の周りをとりまく環境が変化する中で、求職者のニーズも大きく変化してきています。雇用形態を例に挙げると、グラフィカルジョブでは以前正社員やアルバイト採用に応募が集中していましたが、今では外注や業務委託などの求人に応募される求職者が増えています」

WEBデザイナーやクリエイターは、近年のインターネット技術の発達で在宅でも仕事が可能になってきている。リモートワークやフリーランスなど、多様な働き方を希望する求職者が増えている背景にはこのような事情がありそうだ。

「職種ではグラフィックデザイナーやイラストレーター系の求人に応募が増えています。グラフィックデザイナーはWEBデザイナーに次いで2番目に多い求人数となっており、広告や製品パッケージにおけるクリエイティブの重要性を意識する企業が増えていることがうかがえます。イラストレーターは、ゲーム業界の人気が高まっていることからソーシャルゲームやソーシャルアプリの製作会社に求人に多くの応募があります」

「また未経験歓迎の求人には職種問わず、20代の求職者の応募が集まる傾向が強くあります。実務経験のない方でも美術系専門学校や職業訓練、IT系のスクール受講、独学などで知識を学んでいる方も多く、自らポートフォリオを登録し企業にアピールを行うなど、意識が高い方も多いです。こういった求職者の潜在能力と将来性に期待したポテンシャル採用を行うことも人材確保の一つの手段としてぜひおススメしたいです」

少子高齢化に加えてITの技術開発のスピードは進んでおり、人材不足はこれからさらに加速すると言われている。採用戦略を変え、ポテンシャル重視の未経験人材の採用の視野にいれることが必須になる時代が来るのかもしれない。

求人媒体の選び方や効果的な求人掲載内容が分からない

それでは、人材人事担当者がぶつかる壁にはどのようなものがあるのだろうか。

「デザイン・クリエイティブ系のスキルを持っている人材は母数がそもそも少なく、転職市場で見つけづらい職種の一つ。なのでどこの求人媒体にどのように掲載すればよいのか、悩む企業は非常に多いです」と松原氏は語る。

「まずグラフィカルジョブで応募に至った求職者の動向を見ていくと、大手求人検索エンジン経由が多いです。『indeed』『Yahoo!しごと検索』などの求人検索エンジンを経由して応募に至った数が今年の1月度で571件でした」

その数は応募者全体の68%だという。Indeed Japanの代表取締役の高橋氏曰く『Indeedのような求人検索エンジンでも検索の仕方がより高度になっている』そうだ。具体的には検索キーワードでは<エンジニア×東京>ではなく、<エンジニア×データ分析×東京>といった具合に、自身のスキルや志望により近い求人情報にたどり着こうとする傾向がある。

「それを物語るように、indeedのオーガニック掲載枠経由での応募は1月度で229人と、他の経路と比較しても一番多いんです」

一般的には、スポンサー枠の方がクリック数が最大5倍多いと言われています。しかしデザイナーやクリエイター系の求職者は、自身の保有スキルを活かして、どんな業務に携わってみたいのか、どんなチームで仕事をしたいのかを明確にしている方も多いのではないかと考えられます。

グラフィカルジョブの求人を見ても、歓迎する人物像や歓迎するスキル、入社後の業務の流れなど細かく明記されている企業への応募は多いです。人事担当者はただ求人の募集要項を埋めるだけではなく、可能な限り企業のあらゆる情報を明記し、求職者に訴え掛けることができるかが大切です」

特に求人タイトルは仕事内容 や職種名、スキルなどを入れ込むことで検索エンジンからのアクセスに繋がりやすいのだという。

「さらに求人の露出を増やすことで求職者の応募は増えます。求人媒体を選定できない場合、複数の求人検索エンジンへの登録を行うことも方法の一つだと考えますが、複数のサイトに登録する作業は企業にとって労力や費用を要します。

そこでグラフィカルジョブでは、企業様に公開いただいた求人を『indeed』『Yahoo!しごと検索』『Google しごと検索』などの求人検索エンジンに同時掲載しています。求人の露出度を増やせるだけでなく、応募管理を一社でまとめられる点は人事担当者からもご好評を頂いています」

スキルのミスマッチが起こりやすい

デザイナーの採用において職務経歴書だけでは求職者のスキルレベルが見えづらいのは人事担当者の悩みの種だ。デザイナー・クリエイターはある種、テキストだけの書類で選考するとミスマッチを起こしてしまう。

「グラフィカルジョブで始めたのが『ポートフォリオの登録・閲覧機能』です。ポートフォリオとは“自分が過去に手がけた作品集”のことを指します。ポートフォリオの登録・閲覧機能を備えたことで、企業はポートフォリオを通して事前に求職者のスキルを確認することができます」

求職者のポートフォリオを閲覧しながら、自社が求めるスキルと合致する人を探すことができるのはミスマッチの軽減につながる。

「また求職者にとっても、ポートフォリオを登録できることで自分の今までの経歴や技術をPRする良いきっかけになります。応募前の段階でポートフォリオを登録・閲覧できることは、双方にとってメリットがあると考えています」

デザイナーやクリエイターなどの専門職に特化している求人サイトだからこそ、『ポートフォリオ』にフォーカスを当てた独自性のあるツールがサイトの強みのようだ。

「求職様にとって魅力的な求人サイトとは、第一に求人数が多いことだと思っています。求人数が増えれば求職者登録数も増える。企業と求職者双方をつなげる立場として私たちはサイト内で選考から採用まで完結できるサービスの提供を目指してます」

無料で始められるデザイナー・クリエイター系に特化した求人サイト『グラフィカルジョブ』はコチラ

(HRog編集部)