30分でわかる!人材営業のための5月の求人マーケット動向振り返りレポート【2022年6月1日開催・セミナーレポート】

登壇者:株式会社フロッグ
セールス部
阪野 香子
さかの・かこ/2020年新卒で株式会社ゴーリストに入社。2021年の分社化に伴い株式会社フロッグに移籍。新卒1年目から大手派遣会社をはじめ累計80社程のデータ活用を支援。

2022年6月1日に開催された、株式会社フロッグ主催の人材業界で働く営業向けセミナー「人材営業のための5月の求人マーケット動向振り返りレポート」では、同社の阪野香子氏が、求人データ分析ツール「HRogチャート」を用いて求人データを活用した求人マーケットの最新動向を解説した。今回はその様子をレポートする。

正社員マーケットで求人を増やしている企業は?

最初に正社員マーケットの最新動向について解説を行った。先月と比較すると、2022年5月には下記の企業で求人数が増加した。

「5月に大きく求人件数を伸ばしていたのは 『営業/事務/企画/管理』系職種。その中でも先月と比較して不動産大手の大東建託、エンジニア派遣大手のテクノプロ、医療機関向けITソリューションを提供するエムスリーグループ子会社のエムスリーソリューションズで求人数が大きく増えました。今回はその中でもテクノプロ社をフューチャーし、求人の状況とそこから見える事業戦略を紐解いていきたいと思います」

テクノプロ社では営業・人事系職種での採用強化 グローバル事業も見据えてか

テクノプロ社が掲載している求人の内容を詳しく見てみると、提案営業のポジションの求人案件が4月では5件となる一方で、5月では25件。20件の大幅増となった。また人事系職種の求人も5月時点で6件となっており、先月と比較して倍増している。

「求人情報の仕事内容にも『1年~2年後には、人材紹介会社に頼らず、自社採用力で母集団形成し、そこから優秀な人材が採用できる状態になっていることがミッションとなります』と記載されています。『自社採用』をキーワードに積極投資する予定なのがうかがえる記載ですね。では、今後テクノプロ社ではどのような事業の動きが予想されるでしょうか?」

テクノプロ社のIR情報によると、「外国人人材」や「グローバル案件」といった言葉が強調されており、国内案件以外の事業の強化を見据えているようだ。

「その中でtoB向けの営業人数を増やして、営業組織を強化していることが分かります」

アルバイト・パートマーケットで求人を増やしていた企業は?

次にアルバイト・パートマーケットの最新動向について解説。先月と比較すると、2022年5月には下記の企業で求人数が増加した。

「2022年5月は先月と比較すると教育/語学/スポーツ系の職種が増加しています。その中でも特に求人数を増やしているのはトライグループ。トライグループは個別教室事業と家庭教師事業とで、募集するブランドを明確に分けています。個別教室と家庭教師のどちらも求人数は増えていますが、特に個別教室の求人数増加が著しいですね。

また、少し目線を変えて、長期的な目線で教育系職種の求人数の推移を見てみたいと思います」

下記は2021年4月から2022年5月にかけての家庭教師・塾講師の求人数の推移だ。下の水色が家庭教師求人、緑が塾講師求人だが、2022年に入ってから右肩上がりに増加しているのが分かる。

「トライグループの求人の詳細も見ていきましょう。上が2022年1月の求人、下が5月の求人から引用しています。5月も引き続き家庭教師の案件を出しているのですが、1月から5月で家庭教師求人の割合が相対的に減っており、一方でオンライン講師の求人が伸びています。自宅訪問での家庭教師から、オンラインで受講できる個別教室へ移行する様子がリアルに分かりますね」

3位に上がっていた栄光ゼミナールでも、昨年7月よりオンライン受講の「EIKOH LINK syudy」というサービスを開始し、オンライン受講に力を入れている。塾講師の働き方の多様化により、募集条件や働く環境の見直しが今後進んでいきそうだ。

派遣マーケットで求人を増やしていた企業は?

最後に派遣マーケットの最新動向について解説が行われた。先月と比較すると、2022年5月には下記の企業で求人数が増加した。

「職種別では、製造/工場/化学/食品などの製造工場関連で求人数が増加。企業名ごとに見てみると、このような企業が並びました。増加件数としては総合キャリアオプションが最も大きいものの、増加割合で見たときには綜合キャリアオプションは208%増。一方で、スタッフサービス社は増加件数も1000件以上の増加、割合としては308%の増加でした」

今回はスタッフサービス社の求人数急増の背景を紐解いていく。

スタッフサービス社ではマイナビバイトへ専門職求人の掲載増

「スタッフサービス社の求人媒体別掲載数を見てみましょう。2022年4月と5月を比較してみると、マイナビのスタンダードプランで求人掲載が増えたことが分かります。具体的にマイナビのスタンダードプランで掲載されている求人を見てみると、機械設備製造メーカーや測量会社など、資格や必要なスキルがある案件が多く見受けられました」

今まで掲載していたタウンワーク・バイトル、またマイナビバイトのライトプランで出稿されている案件は「未経験歓迎」という記載がされているものがほとんどだった。スタッフサービス社は採用難易度や応募条件に合わせて、掲載媒体やプランを下記のように使い分けているようだ。

「採用競合となり得そうな企業の、待遇面や掲載媒体・プランを調査することで、採用力を高めるヒントが見つかりそうですね。このような情報を裏付けデータとともにクライアントに提供することで、営業として信頼される関係性を作れるのではないでしょうか」

参考:本ウェビナーで使用したデータ元「HRogチャート」とは?

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