近年、1日単位でアルバイトができるスポットワークが新しいはたらき方として注目を集めています。しかし、スポットワーカーが実際にどのようにアプリを使ってはたらいているのか知らない方も多いのではないでしょうか? 今回は、HRog編集部がスキマバイトアプリ「シェアフル」を使って実際にはたらいてみた際のレポートをお届けします!
応募から就業開始までの流れとアプリの特徴
「シェアフル」は、パーソルグループのシェアフル株式会社が運営しているスキマバイトアプリです。2019年2月にリリースされ、2024年8月には750万DLを突破しています。
シェアフルの特徴は、1日単位だけではなく複数日・長期でもはたらける求人が掲載されていることです。また、就業者のスカウトが可能であるため、企業側は仕事ぶりから長期雇用するか否かを見極めることができます。
また、同社はシフト管理サービス「シェアフルシフト」も運営しています。シェアフルシフトはアルバイトスタッフからのシフト希望収集やシフト作成に加え、複数店舗間でのヘルプ調整も可能です。シェアフルと連携することで、人材募集からシフト管理までスムーズに行うことができます。
シェアフルのアプリはシンプルで分かりやすいUIをしています。ホーム画面で「オファー」や「応募・決定した求人」が一目で確認でき、それらがない場合は「仕事をさがす」への導線がしっかり用意されていました。
今回の取材では株式会社イー・ロジット様にご協力いただきました。イー・ロジットはECマーケティングからEC物流代行まで幅広く行っている企業です。
HRog編集部員である筆者がアカウントを作成して求人へ応募します。倉庫での軽作業は未経験、スポットワーク自体も初めてなので、無事就業開始まで進めるか少し不安です。
ただ、求人原稿がとても丁寧に書かれているため安心して応募することができました。原稿内には就業までの流れや注意事項、持ち物や服装など不安点への回答がしっかり用意されているのに加え、就業場所への地図も画像の通りとても丁寧に準備されています。
応募してしばらくすると、「求人へのご紹介が決定しました」というメッセージが届きました。「紹介先決定確認をする」を押して対応完了です!
就業の2日前になると「就業前確認」のメッセージが届きました。こちらも確認ボタンをタップして対応完了です。
アプリ上では「応募・決定した求人」の項目に今回の求人が追加されており、「紹介先決定」のステータスも表示されています。自分の応募状況が一目で確認できる分かりやすいデザインです。
勤務当日になると、勤務場所に向かっているかを確認するメッセージが届きました。合計で3段階での確認があり、突然のキャンセルや、応募だけして忘れている・はたらく意思がないといったケースを防ぐことができます。
求職者としては、この確認があると「応募したけど本当に申請が通っているのか?」「どんな準備をしたらいいんだっけ?」といった不安が解消され、安心できますね。
また、アプリの操作や見方に慣れていなくても「やること」タブにタスクがまとめられているため、スムーズに確認作業を進めることができます。このアプリUIにも求職者を混乱させないための工夫を感じました。
無事今回の就業場所であるイー・ロジットの倉庫へと到着。就業者が迷わないように現地でも案内が用意されています。
「シェアフルからはたらきに来ました」と伝えて倉庫内へ。はたらいてみたレポ、いよいよ本番開始です!
勤務開始
受付に行くと、派遣会社ごとに名札の色が分けられていました。イー・ロジットでは多くの企業から人材の紹介を受けているため、従業員がどの経路で来たのか管理するためこのような工夫を行っています。
名札を受け取った後、本来であれば受付シートに名前を書くのですが、シェアフルから来たスポットワーカーには専用のQRコードブースが用意されていました!
QRコードを読み取るだけで簡単に受付完了です。アプリからの応募が基本のスポットワークだからこその工夫が見られるポイントでした。採用企業にとってもQRコードを設置するだけで対応が完了するので、紙面で名簿などを管理するコストが掛かりません。
受付を終えたら作業場へ移動します。
今回の作業内容は発送するグッズのピッキング・検品・梱包です。
ピッキング・検品する荷物をチェックするためのハンディと軍手を装着。初めての場所でアルバイトするときの「右も左も分からない」という気持ちを久しぶりに思い出してかなり緊張しています。
先輩社員にじっくり仕事を教えてもらいながら作業を進めます。今回は1対1で教えていただきましたが、本来は朝会でその日の業務が説明されるとのことです。
朝会にはシェアフルから来た人だけでなく、他の派遣会社から来た人も含めて全員が参加します。朝会後はシェアフルや派遣会社Aなど、紹介された企業ごとのラインへと配属され業務に当たります。
これによって現場責任者の方は各従業員がどの経路ではたらきに来ているかスムーズに把握することができます。就業者としても同じ経路から来た人や一緒に応募した友達とはたらけるため安心感がありますね。
まず行うのはピッキング作業です。宛先をハンディで読み込むと、どの商品をいくつ取るか表示されるため、それに従って荷物をピッキングしていきます。
続いて、ピッキングした商品が本当に正しいかどうかチェックする検品を行います。伝票を読み取り、モニタに表示される情報と照らし合わせ確認していきます。先輩社員によると、この作業の難易度が一番高いようです。
検品が終わり、最後は梱包作業です。
商品の量やサイズに合わせて段ボールと梱包材を選び、発送の際に動いて傷がつかないよう詰めていきます。
梱包が終わり、無事一通りの作業が完了しました!
今回はピッキング・検品・梱包と3つの作業を体験させていただきましたが、基本的にスポットワーカーは1日を通していずれか1つの作業をしていくとのことです。業務内容は経験に応じて変わっていきます。未経験の方は比較的簡単な作業をじっくりマスターすることから始められるため、安心してはたらくことができます。
作業が終了した後は、出勤と同様にQRコードを読み込んで退勤完了です。
そして、給与の即払い申請もアプリ上でそのまま行うことができます。スキマ時間ではたらき、そのまま給与も受け取れるのがスポットワーク最大の魅力ですね。
最後に先輩社員の方とツーショットをお願いしました。丁寧に教えていただいたため、不安なくはたらくことができました。
本当にありがとうございました!
利用企業へインタビュー
今回取材した埼玉草加フィルメントセンターの副ユニット長である内木努様にもお話を伺いました。
ー現在、どのようにシェアフルを活用されていますか?
「繁忙期に合わせて人材が欲しい時にスポットワークサービスを活用しています。物流は時期によって業務量に波があるため、正社員雇用をメインにすると閑散期に社員の手が余ってしまいます。スポットワークであれば繁忙期に合わせて必要な人数だけ採用できるのが魅力的です」
ースポットワークサービスの中でもシェアフルを導入した決め手は何でしたか?
「一番の決め手は、シェアフルの営業担当者様のサポート力ですね。これまで当センターは翌日の業務に合わせて前日の午前中に人材を募集するようなシフト作成を行っていました。
ただ、それでは余裕を持った人材確保を行うことが出来ません。そこでシェアフルの担当者様が、スポットワーカーに1週間や1か月など長期でアプローチしたり、翌日ではなく翌週の業務を予測してシフトを組むようにしたりと、弊社のシフト作成のシステム自体を変えてくれたんです。
その際シフト管理サービスとして『シェアフルシフト』をご提案いただき、現在でも活用しています。人材確保だけでなく、シフト管理という根本的な人事課題にまでアプローチしてくださいました」
ー担当者のサポート力の強さが導入のきっかけになったということですか?
「仰る通りです。もちろん機能面でも、今何人募集していて、何人埋まっているかがカレンダー上で一目で確認できるなど魅力的な点はたくさんあります。ソフトの操作に慣れていなくても応募状況を簡単に確認できるのは嬉しいですね。
その上で、他のサービスではなくシェアフルを導入し今も利用し続けている一番の理由は、担当者様のサポートの手厚さにあるといえます。ちょうど現在のシフト作成のシステムに限界を感じて変えようとしていたタイミングだったため、大変ありがたい提案でした。
シェアフルの担当者様からは求人原稿へのアドバイスや、応募状況改善のためのレポートを頂くこともあります。人材募集から活用のシステムまで、本当にトータルでご支援頂いているんです」
ーそのほかに、シェアフルを導入して改善できた点はありますか?
「工数や費用面での改善が大きいですね。求人広告よりも圧倒的に応募状況が良く、アルバイトや派遣の方を採用するのと違って書類審査等が必要ないため、人事担当者の負担も掛かりません。
シェアフルではスポットワーカーをスカウトして正社員雇用することも可能なため、何回かはたらいていただき相性を確かめてから採用できるのも魅力的です。スポットワーク経由であれば、求人広告や人材紹介と比べかなりコストを抑えて採用することもできます。実際弊社でも、シェアフル経由で採用した方は何人かいらっしゃいます」
ー今後スポットワークに期待することはありますか?
「今後は、数か月先の業務に対して経験者をあらかじめ確保できるようなシステムがあれば理想的ですね。
まだ細かい業務・労働条件などが固まっておらず求人を出せないような状況でも、弊社で何度もはたらいていただいている経験者の方が来ると分かっていればとても助かります」
ーお忙しい中ありがとうございました!
まとめ
今回は「シェアフル」を使ってはたらいたレポートをお届けしました。
筆者はスポットワーク自体初めての体験で不安でしたが、アプリデザインや機能のおかげでスムーズに就業を開始することができました。現場でもスポットワーカーのための工夫がたくさんなされており、混乱することなくはたらくことができました!
また、企業の人事システム自体をブラッシュアップしている点など、イー・ロジットの担当者とシェアフルが強い信頼関係を築いて、誰もがはたらきやすい環境を作ろうとしていることを感じ取ることもできました。スポットワーカーは1日1作業といった取り組みは、スポットワークというはたらき方自体がイー・ロジットの中で定着し、根付いているからこそできる工夫だと思います。
多くのスポットワークサービスが登場するなか、「スキマ時間ではたらく」というスポットワークのコンセプトを踏襲するだけでなく、どのようにそれを活用していくかがより重要となっていくかもしれません。