今話題のスポットワーク、HRog編集部が居酒屋で働いてみた!~LINEスキマニ編~

近年、1日単位でアルバイトができるスポットワークが新しい働き方として注目を集めています。しかし、スポットワーカーが実際にどのようにアプリを使って勤務しているのか知らない方も多いのではないでしょうか? 今回は、HRog編集部がスキマバイトアプリ「LINEスキマニ」を使って実際に働いてみた際のレポートをお届けします!

LINEスキマニってどんなサービス?

「LINEスキマニ」はLINEヤフー株式会社が提供しているスポットワークサービスです。2021年3月にリリースされ、2024年11月現在では2,200万人が「LINEスキマニ」のLINE公式アカウントを友だち追加しています。

LINEスキマニの特徴は、「LINEスキマニ」アプリをダウンロードしなくても、使い慣れている「LINE」アプリ上で求人を探してそのまま応募まで可能なことです。採用企業側からしても、利用者数9700万人を誇るLINEユーザーにアプローチできるのは魅力的ですね。

アプリの特徴や工夫について

今回は専用アプリをダウンロードせず、LINEアプリ上から応募までの流れを実際に体験してみます。LINEのアカウントでログインできるので、新たに会員登録する必要がありません。

働きたいエリアの選択や本人確認書類の登録を終えしばらくすると、「LINE」アプリのトークで「LINEスキマニ お知らせアカウント」から本人確認完了通知が届きました。

トークルームにはスキマバイトサービスのLINEスキマニだけでなく、短期から長期就業まで可能な通常のアルバイト求人サービス「LINEバイト」のメニューもありました。また、勤怠登録のためのQRコードを表示させる「チェックイン・チェックアウト」メニューや、応募状況などを確認できる「出勤簿をチェックする」メニューなど、必要な機能が網羅されています。

「LINEスキマニ」メニューをタップして早速応募へと進んでいきます。LINEアプリのトーク画面から開くこの画面は、専用アプリとまったく同じUI・機能を兼ね備えています!

今回ご協力いただいたのは、株式会社バンズダイニング様が運営する「くらのあかり 人形町本店」です。

応募し、無事マッチングが完了しました。店舗をフォローしてお気に入り登録する機能もあるので、また働きたいと思ったらすぐにその店舗を探すこともできます。

マッチング完了後、新たに「LINEスキマニ」LINE公式アカウントからトークが来ていたのでチェックします。マッチング後の流れや注意事項がトーク画面上で分かりやすく解説されていました。

勤務当日

勤務当日8時間前になると、勤務前確認通知が届きました。改めて勤務内容を確認し、店舗へと向かいます。

LINEは毎日使うアプリなのでこうした通知を見逃す可能性が低いのも、求職者・採用企業双方にとって安心できるポイントだと思いました!

「くらのあかり 人形町本店」は隠れ家的な個室居酒屋です。実際の古民家を改装したとのことで、店内は落ち着いたおしゃれな雰囲気になっています!

店舗へと入り、まずはQRコードを読み取って勤怠登録を行います。LINEアプリ上から読み取ることができるので、簡単に出勤前の準備を終えることが可能です。

次に制服として支給された前掛けをつけました。社員は黒シャツ、アルバイトやスポットワーカーは黒Tシャツ着用で統一されているので、社員かどうかを一目で見分けることができます。

勤怠、着替えと準備が完了したので、いよいよ働いてみたレポ本番開始です!

働いてみたレポート開始!

今回の業務は、通称「ドリ場」や「ドリンカー」とも呼ばれる飲み物の作成担当です。スポットワーカーは未経験でも対応がしやすそうな洗い場担当になると思っていたので意外でした。

この配置について話を聞いてみると、実は洗い場の方がスポットワーカーに任せにくいとのこと。洗った後のお皿をどこにしまうか覚える必要があり、店舗ごとのルールをまだ把握できていないスポットワーカーには難しい業務だといいます。

そのため「くらのあかり 人形町本店」では基本的に、居酒屋での勤務経験があれば対応しやすいドリ場やホールなどの業務をスポットワーカーに任せているそうです。

筆者は学生時代に居酒屋アルバイトを経験していたので、今回はその経験を活かして業務に臨みます!

東京・千葉の4店舗でマネージャーを務める中里さんに、各種ドリンクの作り方をしっかりと教えていただきました。

「すぐ横にいるから分からないことがあったらいつでも聞いてください」と頼もしい言葉をかけていただきながら、早速注文が入った酎ハイとコーラを作っていきます。

グラスに氷と焼酎を入れ、炭酸水を注いで混ぜ……。

もう一つのグラスにコーラを注ぎ、完成です!

基本的にはこのようにドリンクを作っていきますが、手が空いたタイミングやホールスタッフがいないときは配膳も担当するとのこと。

お客さまに酎ハイとコーラを配膳し、一通りの業務完了です!

最後に中里さんにツーショットをお願いしました。久しぶりの居酒屋勤務だったのでどうなるか不安でしたが、丁寧に教えていただいたおかげで問題なく業務を終えることができました。

お忙しい中、本当にありがとうございました!

業務終了後、アプリの「マイページ」を確認すると、今回の給与がウォレットに追加されていました。

振込申請もそのまま行うことが可能です。専用のアプリをダウンロードしなくても、求人の検索から応募、当日の勤怠登録や給与の振込申請までLINE上で確認できる点がとても便利です。求職者目線で考え抜かれたサービスだと改めて感じることができました。

スポットワーカーが取り残されない職場づくり

筆者が働く中で印象に残ったのは、中里さんの「スポットワーカーの方が何をしていいか分からず、取り残されてしまわないような環境を作っている」という言葉でした。

スポットワーカーが働きやすい環境づくりのため、どのような工夫を行っているのか。そしてそのような取り組みを、LINEスキマニはどのようにサポートしているのか。

より詳しく伺うため、東京や千葉の複数店舗でマネージャーを務める中里さんと、LINEスキマニの営業担当である清水さんにインタビューしました。

「くらのあかり 人形町本店」の取り組みについて

まずは中里さんに、スポットワークサービスの導入のきっかけや成果についてお聞きしました。中里さんによれば、スポットワークを使い始めたきっかけはコロナ禍で人材が集まらなくなったことだそうです。

中里さん「スポットワーク導入以前は、求人広告でアルバイトを募集しても応募が来ないことがほとんどでした。獲得競争が激しいからか、千葉よりも東京で特に人材が集まりませんでした。

アルバイト求人広告からの問い合わせは月間で多くても3件ほどです。応募書類をチェックして面接日時を設定しても当日来るのは2人だけだったり、その2人を採用しても1人はすぐ辞めてしまったりと、掛ける工数やコストに見合う成果は出せていませんでした。

そのような課題を抱えていた時、ちょうどスポットワークサービスが話題になり始めていたので利用してみることにしたんです」

スポットワークサービスを導入した後はすぐに応募が集まり、人手不足を大きく改善することができたといいます。急遽休みになったスタッフが出た際、2時間前に応募を掛けたらすぐに集まったこともあったそうです。

中里さん「一方で、店舗によっては『スポットワーカーにどう仕事を任せたらいいか分からない』といった声が挙がることもありました。スポットワークの認知度がまだ低くノウハウが共有されていない時期だったこともあり、採用してもただぼーっと立たせてしまうということが起こっていたんです」

中里さんは、複数店舗を管理する中で気づいたノウハウを各店舗の店長たちへ共有していきました。

中里さん「一番大事だと伝えているのは、スポットワーカーさんを『スキマニさん』とサービス名で呼ばずに、しっかりとその方のお名前で呼ぶことです。そうしないと信頼関係はなかなか築けないと思います。

また、ワーカーさんは同時に2人以上採用しないようにしています。初めて来た方が複数名いると、仕事を教えたり業務を切り出して任せたりすることも大変になるからです」

筆者が働いた際も、勤務開始の最初の30分弱は中里さんが付きっきりで教えてくださり、その後も筆者が1人にならないよう、社員が必ず横に居るようにポジションを組んでくださっていました。これも「スポットワーカーは1人まで」と決めているからこそできる丁寧なサポートなのではないでしょうか。

そして驚くべきことに、中里さんが管理している店舗では、アルバイトのほぼ全員が最初はスポットワークで働きに来た人だといいます。

中里さん「これまで15人以上、スポットワーク経由でアルバイトになってくれた方がいます。求人広告は今では使っておらず、アルバイトはすべてスポットワーカーから採用しようとしているんです。

スカウトのために意識しているコミュニケーションとして、普段からスキマバイトをしているのか、スキマバイトだけで働きたいのか、その方の働き方のニーズやスタイルを聞くようにしています。現場との相性がよく、アルバイトで働くことにも興味があるようでしたら、『時給を上げるのでぜひ長期で働きませんか』とスカウトします」

スポットワーカーの方と信頼関係を築き、スポットワーカーが取り残されない環境を構築することで、これまで15人以上ものスカウトに成功していた中里さん。

LINEスキマニ営業担当の清水さんに、普段どのようなサポートを行っているのかお聞きしました。

LINEスキマニのサポートについて

清水さんによれば、スポットワークサービスの成果は突き詰めていくと①人材不足を解消できた、②採用のコストを抑えられた、③長期雇用へとスカウトできたという3点だといいます。

清水さん「LINEスキマニには2200万人という圧倒的なユーザー母数があるため、①や②の成果に関しては大きく貢献できると考えています。中里さんのお話にあった欠員募集がすぐ埋まることも、LINEアプリから気軽に応募ができるユーザー設計があるからこそだと考えています。

しかし、③に関しては店舗の方々の手腕によるところが大きいです。他社様の事例をお伝えすることはできても、現場でのコミュニケーションに関わることは基本的にできないからです。

そのため、中里さんが15人以上ものスカウトに成功されているのは本当に驚くべき成果です。マッチする人を見極めてからスカウトすることで採用費も最適化できていますし、LINEスキマニを使うことで中里さんのマネージャーとしての評価が上がることは、弊社としても大変嬉しく思います」

また、最近ではLINEスキマニ単体ではなく、複数のスポットワークサービスを併用する店舗もあるといいます。「くらのあかり 人形町本店」でも複数のサービスを併用しているそうです。

清水さん「企業様によっては、サービス毎の違いに注目して1サービスを選ぶのではなく、複数サービスを併用してより求職者が集まるようにしているとのお話も伺います。だからこそ、ただサービスを売るのではなく、サービスを導入した後のゴールまで見据えたサポートを重視しているんです。

例えば他の店舗様ですと、ただスポットワークの人材が欲しいのか、スポットワークからアルバイトへとスカウトしたいのか、そういった目標が定まっていないことも多いです。店舗ごとの課題感と、それを解決してどのような店舗を作っていきたいのかをヒアリングして、求人原稿に落とし込むサポートをしています」

求人原稿作成のサポートでは、目標とする店舗像の雰囲気に合う人材を定義・言語化したり、スポットワーカーではなく長期雇用の人材が欲しい店舗であれば「お試しバイト募集」というキーワードを強調したりするそうです。

清水さん「スポットワークサービスの機能や成果は、突き詰めていけば同じものになっていくと考えています。そのためLINEスキマニの強みを活かしつつ、今後も企業様に寄り添ったサポートをしていきたいです」

まとめ

今回は「LINEスキマニ」を使って働いてみたレポートをお届けしました。この記事を書いている間にも、「LINE」アプリのトークから「ピックアップ求人」や「以前応募したものと似ている求人」などが定期的におすすめされています。「働こう!」と思ってからアプリを開き求人を探す手間がかからず、自然に「ちょっと働いてみよう」と思えるのも魅力的なポイントでした。

日常的に使う「LINE」アプリから応募できるユーザー体験は、「スキマ時間で働く」ことがより身近になるものです。サービスの本質的な部分には大きな差がないとしても、だからこそ、そうしたユーザー体験の設計や採用企業へのサポートがより重要になっていくのかもしれません。